僕もキミも見えない眼で、音から感じ取っているんだよ。
僕は、生まれつき目が見えなんだよ。
だからね、、、?
僕は、音で感じて、音で世界を見ているんだ。
僕の見る世界は、、、?
とっても、暗くて暗闇に包まれていて周りが見えない世界なんだけど、、、?
僕に小さなヒカリを見せてくれた女の子がいたんだ、、、!
彼女も、僕と同じ。
目が見えないんだよ。
でも、僕たちは音で繋がっている。
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僕の名前は 『細川 糸』22歳で特別支援学校に通っている。
彼女の名前は 『若葉 せつな』19歳で、彼女も僕と同じ学校に通っているよ。
僕たちは、お互い目が見えていない分。
音を感じ取る力が、普通の人たちより優れているんだ、、、!
音で会話をして、音で見る。
それとね、、、?
反響定位って知ってる、、、?
音の反響を受け止め、それによって周囲の状況を知ることが出来るんだよ!
エコロケーションとも言って! イルカやクジラも使っているんだ、、、!
*
僕は、いつしか、、、?
せつなの事が気になるようになった。
優しい話し方に、女の子らしい会話。
ほんのり香る、彼女の匂いが僕は凄く好きになった理由。
彼女はどんな顔をしているんだろう、、、?
『ねえ、せつな?』
『なーに? 糸君。』
『せつなは、どんなモノが好きなの、、、?』
『私は、花の匂いが好きだよ。甘い優しい薫り。』
『僕はね! 優しい日差しが好きだよ。見えない僕でもヒカリは感じるから!』
『私も好きよ! 糸君とは、気が合うわね!』
『そうだね!』
▽
僕たちは、二人でたまに散歩をする事があるんだ、、、!
せつなは、車の音や子供の声に、、、たまにびっくりして、、、!
僕の腕を掴むときがあるんだけど、、、?
その時の、僕はせつなから僕を見る事ができないから、内緒だけど、、、?
かなり、ニヤけていると思う。
好きな女の子に頼られると男は嬉しい。
そんな時は、僕がせつなにこう言うんだよ!
『大丈夫だよ! 僕がついてるからね!』
『うん。』
僕はまた、この時もニヤけていると思うけど、、、。
*
僕とせつなの会話は、音から感じ取る話から始まる。
『今日の音、少し怖かったね!』
『そうだね! 変な音がしていたね!』
『何の? 音だったんだろうね!』
『僕にもわからないな~』
『糸君が分からないなら! 私にも分からないな~!』
『どうして、、、? せつなの方がいろんな音を聞き分けているでしょ?』
『そういう事じゃないの! ただね、怖かっただけ!』
『大丈夫! 僕が傍に居るから!』
『うん! そうだね!』
『そうだよ!』
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僕はせつなと一緒にいると、、、?
とっても落ち着くんだ、、、!
お互いに目が見えないからかな、、、?
せつなも、僕と一緒にいると、、、?
落ち着くと言ってくれた、、、!
これは! 勝手な僕の願いなのだけど、、、?
これからも、ずっとずっと! せつなとこうして一緒に居れたらいいな!
どんな時にも、僕がせつなの傍に居たいから、、、!
僕たちは、音を感じながら世界を見ているもの同士だからね。
伝わる想いも、音を通して響き合う。
最後までお読みいただきありがとうございます。