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僕もキミも見えない眼で、音から感じ取っているんだよ。

作者: 七瀬




僕は、生まれつき目が見えなんだよ。


だからね、、、?

僕は、音で感じて、音で世界を見ているんだ。


僕の見る世界は、、、?

とっても、暗くて暗闇に包まれていて周りが見えない世界なんだけど、、、?


僕に小さなヒカリを見せてくれた女の子がいたんだ、、、!

彼女も、僕と同じ。


目が見えないんだよ。


でも、僕たちは音で繋がっている。



僕の名前は 『細川 糸』22歳で特別支援学校に通っている。

彼女の名前は 『若葉 せつな』19歳で、彼女も僕と同じ学校に通っているよ。




僕たちは、お互い目が見えていない分。

音を感じ取る力が、普通の人たちより優れているんだ、、、!


音で会話をして、音で見る。


それとね、、、?

反響定位って知ってる、、、?

音の反響を受け止め、それによって周囲の状況を知ることが出来るんだよ!

エコロケーションとも言って! イルカやクジラも使っているんだ、、、!





僕は、いつしか、、、?

せつなの事が気になるようになった。


優しい話し方に、女の子らしい会話。

ほんのり香る、彼女の匂いが僕は凄く好きになった理由。


彼女はどんな顔をしているんだろう、、、?


『ねえ、せつな?』

『なーに? 糸君。』

『せつなは、どんなモノが好きなの、、、?』

『私は、花の匂いが好きだよ。甘い優しい薫り。』

『僕はね! 優しい日差しが好きだよ。見えない僕でもヒカリは感じるから!』

『私も好きよ! 糸君とは、気が合うわね!』

『そうだね!』




僕たちは、二人でたまに散歩をする事があるんだ、、、!

せつなは、車の音や子供の声に、、、たまにびっくりして、、、!


僕の腕を掴むときがあるんだけど、、、?


その時の、僕はせつなから僕を見る事ができないから、内緒だけど、、、?

かなり、ニヤけていると思う。


好きな女の子に頼られると男は嬉しい。

そんな時は、僕がせつなにこう言うんだよ!


『大丈夫だよ! 僕がついてるからね!』

『うん。』




僕はまた、この時もニヤけていると思うけど、、、。




僕とせつなの会話は、音から感じ取る話から始まる。


『今日の音、少し怖かったね!』

『そうだね! 変な音がしていたね!』

『何の? 音だったんだろうね!』

『僕にもわからないな~』

『糸君が分からないなら! 私にも分からないな~!』

『どうして、、、? せつなの方がいろんな音を聞き分けているでしょ?』

『そういう事じゃないの! ただね、怖かっただけ!』

『大丈夫! 僕が傍に居るから!』

『うん! そうだね!』

『そうだよ!』



僕はせつなと一緒にいると、、、?

とっても落ち着くんだ、、、!


お互いに目が見えないからかな、、、?

せつなも、僕と一緒にいると、、、?

落ち着くと言ってくれた、、、!



これは! 勝手な僕の願いなのだけど、、、?

これからも、ずっとずっと! せつなとこうして一緒に居れたらいいな!



どんな時にも、僕がせつなの傍に居たいから、、、!

僕たちは、音を感じながら世界を見ているもの同士だからね。

伝わる想いも、音を通して響き合う。



最後までお読みいただきありがとうございます。

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