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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
帝国のアドバイザー
88/122

88強力な存在

ロウル   記憶喪失の主人公・交通事故死して狼に転生した(★4テンロウ)

ローゼリア ロウルを助けた貴族令嬢(人間)

シャミア  諜報部隊隊長(闇妖精)

 途中コンスタンの件でバタバタしたが、俺はここ数日の間に、帝都図書館から借りてきた本や皇宮から出してもらった資料などから、★6まで進化した馬族について調査をしていた。

 現段階で記録が見つかったのは3匹。


 1匹目は、30年ほど前に★5キリンから★6ホウテンコウに覚醒したテセウス。

 魔王の力を手に入れ、現ストラリアの国内に当時存在したジーランドの国を滅ぼしたようだ。その後、勇者ジャンヌに敗れ五島諸島に封印されたとのこと。


 2匹目は、280年ほど前★5ナイトメアから★6アムドゥシアスに覚醒したゴエティア。

 同じく魔王の力を手に入れ、帝国設立以前のハキルシア大陸で暴れ回ったらしい。当時の王国たちの協力によりハキルシア大陸に封印されたようだ。


 3匹目は、460年ほど前に★5キリンから★6ホウテンコウに覚醒したティベリウス。

 勇者の力を手に入れ、五島諸島で暴れていた当時の魔王ラミエルと対決して倒し封印したようだ。


 シャミアさんにも聞いたが、対象はこの3匹だけのようだ。

 ただし、判明している3匹についてもっと詳しい話が聞けた。


 まずは、テセウスについて。

 魔王名レオニエル。ジーランドの国で魔王としての力を手に入れ、ジーランドの軍を滅ぼすが、軍を滅ぼしたところで一時破壊活動を中断して、なりを潜める。

 その後、世界中から隣国ストラリアに魔王を滅ぼすべく軍が集結し、元ジーランドの国に侵攻を開始すると、再び姿を現しこれと戦うものの敗れ、五島諸島に逃亡する。

 魔王を追った勇者ジャンヌと彼女に従う★5キリンのテリオンに再度敗れ、五島諸島に封印される。

 魔王ランクとしては中の中であり、多くのモンスターを支配する力を持っていたらしい。

 得意攻撃はフォッサマグナ連発。味方にアースイミュニティーをかけて敵だけにダメージを与える戦法を好んだ。


 ゴエティアについて。

 魔王名バエル。現在のパヴェル公の本拠バイカル付近にて魔王の力を手に入れ、近隣の町を多数破壊した。

 ハキルシア大陸の西部を破壊しまくったが、当時関係が険悪だった王国同士が協力することにより、魔王の力を押さえ封印することに成功したようだ。

 魔王ランクとしては中の下であり、強力な破壊力と不死身の肉体を持っていたようだ。

 得意攻撃はデッドエンドインフェルノ。広範囲に破壊力のある闇系の衝撃波を放つ。闇系の技であるため、完全耐性技ダークイミュニティーの使い手が対魔王戦で活躍したらしい。

 それ以外にも多彩な攻撃技を持つが、広範囲を破壊する技を好んだ。


 ティベリウスについて。

 魔王ラミエルを封印した後、五島諸島の馬島で天寿を全うしたらしい。

 五島諸島の馬島にティベリウスを称えた人間により建てられた墓があるとのこと。

 彼の子孫達は、馬島でいくつもの魔王の封印を守っているらしい。

 得意攻撃は、バルキリージャベリン。対個人技で光の槍で敵を貫く。ティベリウスが自ら編み出した技であるらしい。

 ★5クラスの者でも扱うのが難しく★6に覚醒しないと使えないようだが、専用技ではないため、他の種族の★6モンスターでも扱えたようだ。


「ティベリウスの使っていたというバルキリージャベリン。

 反乱軍のアジトにいた強力な存在が使った技に近いですね。

 この技の効果についてさらに詳しい情報を教えてください。

 あとは、ティベリウスがこの技を残した相手についても調べたいですね。

 俺も引き続き調べますので、関係しそうな書物を借りてきてください。」

 俺はシャミアさんに頼んで、その日の報告を終える。



 翌日、シャミアさんから追加の調査報告を受ける。

 バルキリージャベリンについて。

 単体の敵に対して無属性の魔力の槍を放つ。

 リフレクションの技を貫通して敵にダメージを与えることができ、また、リベンジカースで跳ね返されることもない。

 扱いが難しく、★6に覚醒しないと習得できないが、種族専用技ではないため、★6ホウテンコウでなくても習得できるらしい。

 単体攻撃技としては最強クラスの威力を誇るだけでなく、準備に時間をかけて余分にエネルギーを貯めることによりさらに威力を上げることができる。また、精神力の高い者は、同じ時間でも多くのエネルギーを貯めることができる。逆に、非常に精神力の高い者が威力を抑えて使えば連射も可能である。

 ティベリウスは、自分の血を引く魔王の封印を守る一族にこの技について伝えたようだが、習得できた者はいなかったようで、技の存在も忘れ去られたのではないかと言われている。


「アジトの強力な存在が使った技は、このバルキリージャベリンでほぼ間違いなさそうですね。

 威力を抑えて連射することにより多数の突入部隊を仕留めることができたのでしょう。

 威力を抑えた使用方法ですら、こちらの精鋭を即死させることができる時点で桁違いの相手ということになりますね。

 正直、まだ知られていない最近★6に覚醒した馬族だとしても、ここまで圧倒的な力を持つとは考えにくいのですよね。

 寧ろ、魔王級の敵と考えた方がしっくりきます。とは言え、間違った断定をしてもいけませんので、両面で考えましょうか。


 まず怪しいのは、五島諸島からメキロ家への助っ人となった★5キリン達スレイル兄弟。出身地から言ってティベリウスの子孫の可能性が高いです。

 彼らの動向の調査を既にお願いしていますが、彼らの中から★6に覚醒した者がいないか追加で調査をお願いします。


 あと、魔王となった2匹の出自は分かりますか?」

 俺はシャミアさんに聞く。


「ゴエティアについては、記録上ハキルシア大陸での活動が多く、それ以外の地域での活動記録が存在しないため、ハキルシア大陸出身の可能性が高そうです。

 テセウスについては出身は不明ですが、敗れた後に五島諸島へ逃げ込んでいることから、五島諸島出身の可能性があります。」


「テセウスが五島諸島出身だとすると、ティベリウスの子孫と言う可能性はかなり高いのですよね。

 もしそうであれば、バルキリージャベリンについて知っている可能性、バルキリージャベリンを連射する力、この両方を満たします。

 魔王バエルはバルキリージャベリンについて知っている可能性が低そうですし、スレイル兄弟は襲撃部隊を圧倒できる力までは持っていないように思えるのです。

 魔王レオニエルの封印が解けていないか確認したいですね。もし解けているなら、強力な存在が魔王レオニエルである可能性がかなり高まります。

 念のため、魔王バエルの封印についても確認をお願いします。」

 俺はシャミアさんにお願いする。


「調査はいたしますが、そこまで断定してよいものなのでしょうか?」

 シャミアさんが聞いてくる。

 断定しすぎたかな?


「前回の突入部隊を撃退できるほどの力を持つ人物として考えられるのが他に思いつかないのです。

 可能性として十分考えられる以上着実に調査はしておきたいです。

 もし、違えば最初から調査をやり直すだけです。」

 俺は言うが、


「思うのですが、破壊をもたらす存在である魔王が、反乱軍に普通に協力するという事自体が考えられません。

 通常魔王の封印が解けたとなれば、近隣で大破壊が起き、すぐに世界中に知られることになるはずです。」

 シャミアさんがさらに言う。


「確かにそうかも知れません。ですが、魔王レオニエルの場合、そのまま隣のストラリアの国に侵攻することもできたにも関わらず、身を潜めましたよね。

 さらに言うと、魔王レオニエルは味方にアースイミュニティーをかけるとか、魔王の中でも異質な思考をしています。

 目的のために敢えて身を潜めるなど、思慮深い存在である可能性があると思います。

 であるなら、仮に封印が解かれていても関係者が隠匿を図ることにより公になっていない可能性は十分あり得ると思います。


 現状候補に挙がっているのは、可能性の高い順に魔王レオニエル、魔王バエル、スレイル兄弟。いずれにしても、彼らが確実に違うことを確認してください。

 それを確認することによって、次に進めると思うのです。」


「分かりました。

 ご命令通り調査を開始します。

 ただ、五島諸島は遠いですので、五島諸島での調査には時間がかかることをご承知おきください。」

 シャミアさんが言う。


 五島諸島は遠いから仕方ない。

 だが、それでも俺は調査する価値はあると思ったので、シャミアさんに無理を言ってお願いをした。


 あとは、仮に強力な存在が魔王級の相手だとして、どうやって戦うかだ。


「五島諸島は遠方ですから調査は時間がかかると思いますので、その間に別の事も調べておきたいです。

 過去に魔王が出現したときに、当時の王国がどうやって魔王と戦かったのかについての記録も調べてください。」

 俺は敵が魔王である可能性も想定し、シャミアさんに過去の魔王との戦いの記録について調べてもらうことにした。




20230212


話番号修正・誤字等修正

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