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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
エルモンドのアドバイザー
70/122

70作戦

登場人物

ウル(主人公)狼に転生した元人間。メキロ家アドバイザー(★4テンロウ)

スレイル  ドンロンモンスター部隊大将(★5キリン)

アウルス  ドンロン領主アドバイザー(★5ナイトメア)

ローラン  ドンロンモンスター部隊副大将(★5ペガサス)

ケルティク メキロ家諜報部隊副隊長(★4ヘルハウンド)

オーウェル エルモンド領主でメキロ家の当主(人間)

エリーゼ  オーウェルの叔母でドンロン領主(人間)


 翌日、俺とアウルスさんは館でオーウェルとエリーゼさんに報告する。


「ケルティクと合流できましたが、引き続き情報収集をお願いし、代わりに俺達が今分かっている情報を聞いてきました。

 アレン・リッチモンドがノリクと通じて、父親のパール・リッチモンド伯を監禁。

 アレンが近隣貴族に軍を要請して、自ら軍を率いてメキロ家に戦争を仕掛けるつもりのようです。

 まだ援軍貴族の軍はほとんど集まっていないようで、軍の出発はまだ先のようです。


 一応作戦も考えたので聞いてください。

 アレンが軍を率いてカージリアを出発したのを待って、警備の薄くなったカージリアでパール・リッチモンド伯を救出します。

 また、行軍中のリッチモンド軍をスレイルさん達と俺で奇襲をかけ、アレンとその側近を殺害します。

 指揮官を失ったリッチモンド軍に対して、救出した当主のパール・リッチモンド伯に呼び掛けてもらい軍を引いてもらいます。

 その上で、パール・リッチモンド伯と協力して、大陸東部全体で反ノリク連合国を設立してハキルシア帝国から独立、エルシアと同盟を結びます。」


「アレンと側近の殺害って、フォッサマグナを連発するのですか?」

 オーウェルさんが聞いてくる。


「ええ、そうです。

 深夜の油断している隙に、精神集中が終わった状態で近づき、フォッサマグナの連発で一発で仕留めます。

 騎士団長のルフトーラが手強いかもしれませんが、その場で倒します。」


「ハキルシアから独立とかそこまで考えているのですね。」

 エリーゼさんが聞いてくる。


「魔王の言っていたモンスターが幸せに暮らせる国を作るには、メキロ家主導で国を作らないとだめです。

 ハキルシア皇帝に一々お伺いを立てているようじゃダメでしょ。」


「ウル殿は、すごいことをさらりと言うのですね。

 私がそんなこと言ったら、野心家ですよ。」

 オーウェルさんが言う。


「まだあるんです。

 エルシアに一番近い東側の貴族って誰ですか?」


「イーストゲートの町のフィロソフィー家ですね。

 ドンロンにもいる商人出身の一族ですが、先代皇帝に取り入って、領地を貰ったみたいです。領地と引きかえに、先代皇帝にかなりの金額を払ったらしいです。そのために、エルシアの7大商人で協力したみたいですね。

 とは言え、そこまで領地は広くなく土地も特別豊かとは言えないので、エルシアとの交易が最大の収入源のようですが、城壁はしっかりしていてエルシアの東側の守りのために東側を抑えたと言われています。」

 ここは、エルシアと同盟結べれば何とかなるな。


「逆に西側でエルシアに一番近い貴族は誰ですか?」


「ファーレンの町のミューゼル家ですね。ノリクの妻の従兄です。

 こちらもエルシアとの交易で潤っているはずですが、当主のラインが浪費家みたいで、あまりいい噂は聞きませんね。

 こちらも城壁をしっかりしていて、エルシアに睨みを利かせているようです。」


「東側を纏めることができたら、ファーレンを占領して、メキロ家の本拠をファーレンに移します。」

 俺は言う。


「えっ?

 ウル殿、何を言っているのですか?」


「だから、本拠をファーレンに移すのです。

 辺境のエルモンドだと遠いので中々攻められないでしょうけど、どうせ近くまで攻め込まれた時点で負け確定ですよ。

 ライン・ミューゼルを倒してファーレンを占領し、そこに本拠を移せば、ハキルシアの西側に睨みを利かせられますよね。

 本拠が帝都に近ければ、情報も早く来るでしょうし、ノリク相手にここまで押すことができれば、ノリクに不満のある貴族の離反も狙えます。

 そして、東側の貴族から兵力を融通してもらって、ファーレンだけ守ることができれば、東側はかなりの安全地帯になります。

 それに、ファーレンを守ることで帝国側からエルシアも守れますので、エルシアの協力も得られます。

 以前話していた、理想だけどこう進めたいと言っていた方針通りですよね?」


「そこまですると、ハキルシア帝国からすると反逆者になりますよ。」

 エリーゼさんが言う。


「確かに、大義名分は要りますよね。

 打倒ノリクとモンスターの待遇向上を大義名分にして、ノリクが失脚したところで西側だけになったハキルシア帝国と和平交渉まで行ければベストですね。大丈夫そうならファーレンを返してもいいですし。

 早い段階で、打倒ノリクが目的なので、西側にこれ以上侵攻するつもりはないと表明して、西側が結束するのを避けないといけないですね。」


「ウル殿の考えは分かりますが、すでに妄想の域に入っているのでは?」

 俺、そんなにぶっ飛んだことを言ったかなあ?

 目的から逆算した、実現可能性が十分ある目標を話しただけのつもりだけど。

 とは言え、ここでオーウェルさんとエリーゼさんの了承を貰わないと話は進められないよな。どうするか?


「えっと、最終目的はノリクを打倒して、モンスターの暮らしやすい国を作ることですよね。魔王に約束した通り。」

 1つずつ押さえていこう。


「ええ、そうです。」


「モンスターの暮らしやすい国を作るためには、ハキルシア皇帝にその都度許可を貰わないと何もできない体制じゃ困りますよね?」


「確かにそうですけど。」


「そのために、大陸の東側に国を作ることを目標としちゃまずいですか?」


「目標はいいのですが、実現可能性は?」

 オーウェルさんのネックは、実現可能性か。

 それじゃあ、そっちを潰していこう。


「アレンを倒し、パール伯と協力して東側に反ノリク連合国を作るというのは実現可能性は低いでしょうか?」


「ノリクの引き抜き工作にあっている貴族達がまた、まとまってくれるでしょうか?」

 日和見貴族の方が気になる時点で、オーウェルさん、パール伯は協力してくれると踏んでいるんだな。


「日和見貴族が多いなら、メキロ家がノリクと互角以上に戦えることを示せれば十分行けると思いますよ。」


「しかし、ファーレン侵攻とか本拠の移動とかは?」


「日和見貴族を完全に引き込むためにもできればファーレンを押さえたいですが、

 ファーレン侵攻は無理だとしても本拠をエルシア近くの前線に移す必要はあります。

 比較的エルシアに近い貴族からすれば、連合盟主のメキロ家が一番後ろの安全なエルモンドに居たら不安で連合に参加しにくいですよね。メキロ家が積極的に前線に出て、連合を守るんだという気概を見せればこちら側についてくれると思うのです。」


「なるほど、本拠の移動にはそう言う意味があるのですね。

 本拠の移動は無理でも、エルシア近くの貴族に軍の駐屯なら頼めそうです。

 ウル殿がそこまで考えてくれているのですから、私も覚悟を決めないといけませんね。ノリクと戦うと決めた時点で覚悟を決めたはずでが、まだだったようです。

 まずは、アレンに勝つことに集中しないといけませんが、勝った後の準備もしておくということですね。」

 オーウェルさんも決断してくれたか。


「確かに、ウル殿の話を聞く限り打倒ノリクの道筋が見えてきたわ。

 あとは、覚悟を決めて進むということね。」

 エリーゼさんもOKのようだ。


「了承いただけたということでいいですか?

 パール伯救出時には、パール伯に面識のある人の同行をお願いします。パール伯に救出に来たことを伝えて、同行してもらわないといけないですから。

 オーウェルさんには、パール伯救出後、パール伯の説得及び協力要請をお願いしますね。

 パール伯の協力が得られないと、先に進めませんので。」

 俺的には、一番の関門はパール伯に全面協力してもらえるかどうかだったからな。

 パール伯の協力要請で躓くと、パール伯の考えを聞きながら作戦の立て直しだからな。パール伯の説得は絶対に失敗できない。


「大丈夫ですよ。

 パール伯とは何度も会ってますけど、ノリクに勝てるなら協力してくれるはずです。」

 珍しく、オーウェルさんが自信を持ってる。

 それなら信じていいよな。

 パール伯が全面協力してくれるなら、ノリクの妨害がない限り順調に進められそうなんだよな。


「アレンを倒し、パール伯の協力が得られたら、

 連合国の設立と東側の全貴族に参加要請しましょう。」


「そうですね。

 あと、気になることがあるんです。」

 オーウェルさんが言う。


「なんですか?」


「なんと言うか、話が上手くいきすぎのような。」

 それは俺も思った。


「実は、俺もそれは気になっています。

 ノリクにしては、作戦が雑すぎるのではないかと。

 船の襲撃でも、近代兵器にリバイアサンに船内スパイと自分の作戦が上手くいかないことを想定して何重にも手を打つほど慎重なノリクが、ここまで雑なメキロ家討伐作戦をするのが気になっています。」


「ノリクからみて、パール伯の救出は予想して対策しているだろうが、アレンが襲撃で戦死することは予想外の事態になるだろう。

 ノリクの策が見えないのは気になるが、アレンさえ倒せば道筋は見えてくると思うが。」


 今まで黙っていたアウルスさんが言う。

 まあ、確かにそうだよな。

 ノリクの策が見えないのは不気味だが、見えない策についてあれこれ考えるより、見えているところの対策をきっちりして、パール伯の救出と説得を確実に成功させるしかないよな。


「ノリクが何か仕掛けてくるかもしれませんが、パール伯救出に向けて進むしかないということですね。」

 オーウェルさんも同じ考えのようだ。


「方針は決まりましたし、徹夜で移動してきましたので、俺達は一旦休みますね。

 スレイルさん達にも話はしておいてください。」


 俺は、一通り方針が決まったので今日は寝ることにした。



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