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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
エルモンドのアドバイザー
47/122

47敵だけ近代兵器

登場人物

ウル(主人公)狼に転生した元人間。(★3シルバーウルフ)

パワー   ウルの仲間モンスター。(★3ポールベア)

レオニエル モンスターの待遇向上を訴える魔王(★6魔王)

スレイル  レオニエル三兄弟の長男(★5キリン)

アウルス  レオニエル三兄弟の次男(★5ナイトメア)

ローラン  レオニエル三兄弟の三男(★5ペガサス)

オーウェル メキロ伯爵の跡取り(人間)

 技の準備などがきっちり終わり、迎撃態勢が整った。

 俺達は、敵の船が近づく前に、空中から先制攻撃をしかける。


 さて、飛ぶか。

 俺はスレイルさん達に続いて空を飛ぶ。パワーも一緒だ。

 そして打ち合わせ通り船の真上きて、予め決めてある技を全員にかける。


 後は、急降下しつつ、精神集中が終わったフォッサマグナをぶつけるだけだ。

 スレイルさん達が急降下を始める。

 俺とパワーも急降下して後に続く。


「フォッサマグナ」×3


 スレイルさん達の最強技が炸裂する。

 甲板に出ている人間は1人として無事ではない。

 見わたす限り全ての人間が即死のようだ。


 その時、「ドーン」と言う音がして、敵の船から前方に何かが飛んでいく。

 大砲だ。

 この世界は重火器があるのか?

 五島諸島では見たことないぞ。

 よく見るとこの船には多くの大砲が装備されている。

 どうやら、フォッサマグナで倒れた内の1人が死に際に発射したらしい。

 甲板の大砲は扱う人が死んでいるからこれ以上使われることはないが、船内からの大砲はそうはいかない。

 どんなに強力な技といえども、壁の向こう側には効果がないため、船内の敵はまだ無傷だ。


 大砲の玉が海面に落ちた衝撃で爆発する。これはかなりの量の火薬だぞ。帝国ってこんなに軍事技術が優れているのか。こんなものが量産できるなら世界征服だってできてしまうんじゃ。

 先制攻撃してよかった。まだ俺達の船まで距離がある。こんなのを喰らったら俺達の船は一発でアウトだぞ。

 しかも、この船の速度がかなり早い。と言うか、この船に帆がない。耳をすませるとエンジンらしき音が聞こえてくる。風とオールがメインの五島諸島の船とは根本的に時代が違って見える。

 はっきり言って、近づかれたら確実に負ける。


「急いで、船の中に乗り込んで制圧するぞ。」

 スレイルさんが言う。

 近づかれる前に、船の中を完全に制圧しないと俺達の船の安全は保障されないからだ。


 指揮官のいる部屋はどこだ?

 あとは、船を動かしている動力部だ。

 俺は、周りを見渡す。

 俺は前世で専門的な知識を持っているわけじゃない。

 だが、不便な構造にする利点はないはずだ。指揮官がいるのは指令を出すのに便利な全体が把握できる部屋と言う前提で考える。

 ぱっと見た感じ、それらしきものは見えない。


 そうしているうちに、船内から多くの足音が聞こえてくる。

 甲板の異常に気付いて迎撃に来たのだろう。


「俺達が正面に立つので、横からフォッサマグナの準備お願いします。」

 俺は、そう言うとパワーと2匹で敵の上がってくる前で待つ。


 敵がわらわらと甲板に出てくる。

 俺は敵の装備している武器を見て驚く。銃器だ。大砲があるんだ。当然銃もあるよな。

 まだ銃が大きいので現代のピストルとまでは行かないまでも、近代兵器であることに間違いはない。

 ミサイルガードがあっても、これで撃たれると危ないかもしれない。


「おいっ、敵襲かと思ったらたったの2匹かよ。」

 正面の隊長っぽい奴は、俺達を完全に舐めてやがる。


「隊長、他にも馬がいます。」

 横にいるスレイルさん達に、気づくのが遅すぎ。

 そんなやり取りをしている間に、再びスレイルさんたちのフォッサマグナが炸裂する。

 出てきた奴は1人も無事じゃなかった。全員即死だ。

 とは言え、銃器も持っている相手だ。殺さないように手加減とかしていたらこっちが殺される。


 

「ウル様、今日は人間を殺しまくっているな。」

 パワーが聞いてくる。


「こいつらは1人でも残すと、後から俺達を殺しに来るのが確実だからな。

 俺達は、それくらい強い敵に喧嘩を売ったんだ。

 綺麗事は言っていられない。怖気づいたか?」


「野生で生きてた時に比べれば、これくらい何でもないぜ。

 迷わず殺しちまっていいと分かればいいんだ。」

 パワーは殺しまくって問題がないかを確認しただけらしい。



「まだ、船は動いている。船内の他の部屋も制圧するぞ。」

 スレイルさんが言う。


「まず、甲板と同じかそれより上の部屋から行きましょう。

 船を制御している部屋がある可能性が高いです。」

 船を動かすなら、広範囲が見える部屋のはずだ。俺は専門知識はないが、そう考えて言う。


「よし、その方針で順番に行くぞ。」

 スレイルさんに従いつつ、1部屋ずつ制圧にいくと、すぐに機関室が見つかった。

 誰もいない。

 だが、俺には呼吸の音が聞こえてきた。隠れているな。

 俺は耳を澄ませて、相手のいる位置を探る。


 急に、後ろにいたパワーが飛びかかる。

 隠れていた人間を一撃で倒したようだ。


「パワー、良く気づいたな。」


「俺様は、こういう勘は働くんだぜ。」

 首から大量に出血しているし、これは助からないな。

 生かしておいても危険だし、こうするしかない。


 部屋には舵がある。

 これで方向転換しているのだろう。

 俺は舵を動かして船の進行方向を変える。

 これで俺達の船に近付くことはなくなったはずだ。


「これでとりあえずは安心だな。」

 アウルスさんが言う。


「残りの部屋も制圧するか。」

 ローランさんが言う。

 このまま帰ったら、生き残った誰かがまた船を操って襲ってくるだろう。

 この船の敵は全員倒すしかない。


 と言うか、この船とか銃とか押収して、研究したいよな。俺はしないけど。


 そんなことを言っていると、船は急に右方向に動き始める。

 舵は動いていない。

 それどころか、船全体が傾いてくる。

 何が起こっているんだ?


 甲板に出てみると、海に巨大な渦が出来ている。

 そして、渦がこの船を飲み込もうとしている。


「メイルシュトローム。★5リバイアサンの専用技だな。」

 アウルスさんが言う。詳しいなあ。


「★5リバイアサンって★4シードラゴンの進化ですか?」

 俺が聞くと、


「そうだ。」

 アウルスさんから、予想通りの答えが返ってくる。

 よく見ると、渦よりも外の海面から大きな顔が現れていた。

 どこにいたんだ?

 船の下の海中しか思いつかない。


 こいつは、俺達を船ごと沈める気らしい。

 仲間の船員まで殺すのかよ。味方だろ?

 大半は俺達が倒したけど。


「あのリバイアサン、強い敵対心を感じるぞ。」

 スレイルさんが言う。

 あんな技を使われたら、俺達の船なんてひとたまりもないぞ。

 サーペント達を従えていたのはこいつだったのか。


 上手く人間を倒せばサーペント達と戦わずに済むという考えは甘かった。

 あのリバイアサンからすれば、船内の人間達の方が使い捨てのようだ。

 ここでこいつを倒さないと、俺達の船に近付かれるだけで危ない。

 それに、リバイアサンからすれば、銃器大砲山積みの船も惜しくないらしい。

 と言うか、敵である俺達に持っていかれるのを危険視しているのかもしれない。


「どうやら、ここで倒さないといけないようだな。」

 スレイルさんが言う。

 俺もそれしかないと思う。


 今乗っている船は、もうすぐ渦に飲み込まれて沈むだろう。

 俺達は空を飛んでリバイアサンに向かう。


「ディスペルマジックとライトニングを連打しろ」

 リバイアサンが仲間に指示を出す。


 アウルスさんがにやりと笑って前に出る。

 リベンジカースを使っているからな。

 ライトニングが跳ね返ってきてショックを受けているサーペントに追い打ちをかける方法を考えよう。


「ウル様、俺様は、サーペント殴りに海に飛び込むからな。」

 パワーが言ってきた。考えていることは同じだな。


 シードラゴンがディスペルマジックを飛ばしてきた。

 アウルスさんにはディスペルガードがかかっているので当然効果はない。

 すぐに、サーペント達がライトニングを放ってくる。

 アウルスさんはリベンジカースでライトニングを全部跳ね返す。

 しかも、なぜかアウルスさんはライトニングのダメージを受けていない。


「貴様らの攻撃など効かぬわ。」

 アウルスさんが悪役のような台詞で挑発する。


 それと同時にストレングスのかかったパワーが海に飛び込んでサーペントを殴りに行く。

 スレイルさんもサーペントにフィアーの技をかけた。技の効いたサーペントが逃げていく。

 こちらの攻撃は効いていない、逆に味方の数は削られている。

 さあ、リバイアサン、どうする?

 俺は精神集中が完了した状態でリバイアサンを注視した。


「ディスペルマジックを続けろ。

 サーペントどもは海に入った奴を始末しろ。」

 リバイアサンは、味方に指示をすると自分も技の精神集中に入る。

 この状況で使ってくるのは、どう見たって、アンチディスペルガードしかないよな。


「アナライズマジック」

 俺はリバイアサンに技を放つ。

 かかっているのは、オーラの色から見て、フリーアクション・不明防御技1つ・不明詠唱中攻撃技1つ。

 精神集中している技も分かるのか。だけど、俺が習得していない技は判断がつかない。使えねえ。

 かかっている技の数が正確に分かるだけでもマシか。


「アウルスさん、アンチディスペルガード来ます。」

 俺は、アウルスさんに忠告する。アナライズマジックで判別できなくても、ここはアウルスさんの防御技を唯一消せるアンチディスペルガードしかないからな。


「ストーンエッジ」

 ローランさんがリバイアサンに技を放つ。

 ダメージを与えるがリバイアサンの精神集中は途切れない。

 これで、唯一の防御技が精神集中を妨げられないためのコンセントレイトであることが確定した。

 あっ、敵の使っている技が全部分かった。技の数とオーラの色による系統だけでもアナライズマジックは役に立つかもしれない。


「アンチディスペルガード」

 リバイアサンから技が放たれる。


「く、かわし損ねた。」

 アウルスさんにアンチディスペルガードが命中し、アウルスさんのディスペルガードが消える。


 直後に、スレイルさんがアウルスさんの前に出て、シードラゴンが放ってきたディスペルマジックを代わりに受ける。

 スレイルさんのディスペルガードはまだ解かれてないからだ。


「アウルス、一旦下がってディスペルガードのかけなおせ。」

 スレイルさんはそう言って、リバイアサンの前に出る。


「小癪な。」

 リバイアサンはそう言うと、一度水面に潜った。

 その隙にパワーの様子を見る。

 パワーは、サーペント数匹をベアハッグで倒していた。


「リバイアサンが潜っていった。気を付けろ。」

 俺はパワーに向かって叫ぶ。

 パワーはすぐに俺の意図を察して空中に戻ってきた。


「やはり、海中に潜らないと奴には勝てないかな?」

 俺はスレイルさん達に聞く。


「そのようだな。相手の庭だが、放っておいてはこちらの船が危ない。

 我らはエクステンドで延長できるが、途中で切れないようウル殿・パワー殿の技をもう一度技をかけなおしてから行くことにしよう。」

 スレイルさんは言う。確かにすぐ倒せる保証がない以上、万全の体制にしておくべきだな。

 そんなことをしていると、すぐ近くから巨大化したリバイアサンが水面から姿を現す。


「ディスペルマジック」

 俺は、空中からディスペルマジックを放つ。

 しかし、リバイアサンの技は消えない。

 当然ディスペルガードはしてるよな。

 しかし、こちらにアンチディスペルガードはない。


 リバイアサンは技に頼らず、噛みつきをしてくる。

 巨大にも拘わらず早い。

 なんとかかわして空中に逃れたものの、1発でも喰らえば飲み込まれるか、かみ砕かれてアウトだ。


「インパルス」

 パワーが先陣を切った。

 遠距離技で少しずつ削っていくしかない。

 効果時間が切れたところで勝負をかけるか。


 俺も技を使おう。

 先ほど、サーペントが使ったライトニングを散々見た。

 好相性技だし、俺もライトニングを使わせてもらう。


「ライトニング」

 1発で成功した。好相性の3レベル技だしな。

 我流の部分の調整は必要があるかもしれないが、今はそんなこと言ってられない。

 だが、敵が巨大すぎて効いているのかよく分からない。

 スレイルさん達も大地技をぶつけている。だが、あまり効いているようには見えない。


 リバイアサンが精神集中を始めた。大技が来そうだ。


「デストラクション」

 リバイアサンの精神集中が途切れる。

 リバイアサンがギロリと俺を睨む。

 まさか、コンセントレイトかけているのに精神集中を妨害されるとは思っていなかったのだろう。


 今のところ、俺達の方が押してはいるとは思うが、決め手がない。

 相手の技の効果が切れるまで粘るしかない。


 それに感づいたのか、リバイアサンが再び水中にもぐると、俺達の船の方へ向かい出した。

 これはまずい。

 近づかれただけでアウトだぞ。


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