30師匠との再会
登場人物
ウル(主人公)狼に転生し、レンディールの僕となる。(★3シルバーウルフ)
レンディール 人間のモンスター使い。俺のご主人様。
リーザ レンディールの仲間モンスター。(★2イーグル)
ガルガン レンディールの仲間モンスター。(★2サーベルタイガー)
パワー ウルの仲間モンスター。(★3ポールベア)
翌日、俺とガルガンのコーチの予定が空いていたため技を教えてもらうことになった。
俺は、ご主人様に同席してもらわなくてもいいと言って、ガルガンの方へ行ってもらった。
念のため、パワーにだけは同席してもらった。
パワーが近くで見たいというので師匠に確認を取ったら、黙って聞いているだけならいいと師匠の許可が出た。
コーチは前回と同じアリスト師匠だ。
「ウルや、久しぶりじゃの。活躍は聞いておるぞ。」
「師匠お久しぶりです。教えていただいたホールドがとても役に立っています。
今日は、クリアランスの指導をよろしくお願いします。」
好相性技だったので、クリアランスの習得はすぐに終わった。
時間が余っているで、俺はヒーリング・リジェネレーションの技も見てもらい、我流の非効率な所を修正してもらった。
それをしても、時間が半分近く余っている。
折角なので、俺は、師匠にホールドの成果を見てもらうことにした。
「俺も、師匠のように動く対象を追いかけるコントロールを身に着けましたよ。」
「それは楽しみじゃのう。ワシにかけてみてくれぬか?」
「では、いきますよ。」
俺は、ホールドの精神集中をすると、ロープを師匠に向けて放った。
師匠は少し右に避ける。
俺は、ロープをコントロールして、師匠に向けて方向を修正した。
師匠は前に飛ぶ。
甘い。追いかけるぞ。
と思ったのだが、ホールドの技が切れる。
あれっ、おかしいなあ。
「ロープの先がどこか見失ったかの?」
そうか、ホールドはコントロールする物体への視線が遮られると効果が切れる。
ホールドを得意技としている師匠がそれを知らないはずはない。
「師匠。前に飛んで、自分の体で俺がコントロールするロープの先への視線を遮りましたね?」
「良く分かったの。
ホールドはこのような弱点もあるのじゃ。過信は禁物じゃぞ。
じゃが、コントロールは完璧にこなせるようになったようじゃの。」
「ありがとうございます。
実は、ホールドの別の活用方法も見つけました。」
「石か何かに使って飛ばして攻撃するのかの?」
「ご存知でしたか。」
「ワシを誰だと思っておる。ホールドの使い手アリストじゃぞ。」
師匠に二つ名があったんだ。
師匠の得意技で張り合うとか失礼なことをしてしまった。
「折角じゃから、ホールドの使い方の応用編を見せてやろう。」
まだあるんだ。
「是非見せてください。」
ホールドは奥が深いな。この話は是非とも聞きたい。
「ロープの動きをよく見ておれ。」
師匠はロープの途中部分を動かす。当然動かした部分のロープの前後ろがついてくる。
しばらくして、ロープの動きが止まる。
あれ、それだけ?
師匠に限って、そんなわけないよな。
と思ったら、ロープの別の部分が動き出す。
「途中でコントロールする対象が変わった。」
「分かったようじゃの。
精神集中する場所を変えて、最初とは違う対象をコントロールの起点にするのじゃ。
現在コントロールしている場所のすぐそばにあれば、コントロールする対象を途中から変えることもできるのじゃ。」
見た目は地味だが、やっていることはすごい高度だ。
上手く使えば、コントロールする対象を次々と変えながら色々なことができる可能性を感じた。
「俺もやってみるので見てくれますか?」
「これは、ちょっと慣れがいる。とりあえず、試してみよ。」
俺は師匠に言われて、途中でコントロールする対象を変えることに挑戦した。
繋がっているロープの別の場所に起点を移動することはできた。
しかし、隣の物体に移すことがなかなかできない。
これは結構難しい。
「技を一瞬でも切らさないのがコツじゃよ。」
師匠がアドバイスをくれた。
そうか、ちょっとでも物体が離れているとだめなんだ。
別の対象に移す途中で技が切れてしまうから。
俺から見て重なっている対象ならどうだろう。
俺は、2本のロープを十字に重ねてみて、コントロールの対象を上から下に変えられるか試した。
成功だ。
別の物体でも、技が一瞬でも途切れないよう俺から見て重なった対象にすれば、コントロールする物体を変えられるのだ。
「理解できたようじゃの。
あとは、お主の工夫次第じゃ。」
「ありがとうございます。」
俺は師匠にお礼を言って、訓練が終わる。
クリアランスを覚えられたのも便利ではあるのだが、正直、ホールドの使い方の指導が一番ためになった。
ホールドの使い方だけで授業料を払ってもいいくらいだと思った。
「パワー、見ていてどうだった?」
訓練が終わって俺はパワーに感想を聞いた。
「技の使い方が色々あって凄かったぜ。
さすがウル様の師匠だな。もっと凄いことやるんだからよ。
俺様も色々考えてみようと思うぜ。」
全部理解できたかどうかは分からないが、パワーには大いに刺激になったようだ。
ご主人様がやってきた。
ガルガンも無事ファイアブレスを覚えたらしい。
翌日は、ドルカンコーチの予定が空いていたのでパワーの訓練をすることになった。
今回は受講するのがパワーだけなので、全員が同席する。
「パワー、ついに進化したんだな。でかくなったじゃねえか。」
ドルカンコーチがパワーの成長を自分のことのように喜んでくれている。訓練中は良く怒鳴るけど、本当にパワーのことを可愛がっているんだよなあ。
そして、ジャンプアタックの練習が始まる。
元々は少し離れた敵に飛びかかって、そのスピードと体重の力を利用して大ダメージを与える技だ。
それと同時に、ジャンプ力を増す効果もある。
最初は、普通にジャンプする訓練をしていた。
コーチの指導のせいか、最初よりも高く飛べるようになってきた。
そして、人形に向かって飛びかかる攻撃を行う。
パワーはあっさりジャンプアタックを習得した。
好相性技だから早かった。
パワーは、ジャンプの練習は今後も続けた方がいいとアドバイスを受けていた。
パワーも時間が余ったので、トリプルスラッシュを見てもらうようだ。
俺は初めてパワーのトリプルスラッシュを見た。
既にほぼ完成しているように見える。パワーは相当練習したのだろう。
それに対して、コーチがアドバイスしていた。
我流の非効率な部分を矯正してくれているようだ。
これも順調に終わり、少しだけ時間が残っている。
パワーは、残った時間でインパルスの特訓成果をコーチに見せることにしたようだ。
パワーは片手でインパルスを出していた。
ただし、出力は両手の時よりかなり抑えているようだ。
訓練が終わり、コーチとパワーがやってくる。
「パワー、ほぼ独力でトリプルスラッシュ覚えたんだ。凄いぞ。
矯正があったとはいえ、殆ど完成していたじゃないか。」
パワーのトリプルスラッシュがここまでとは思わなかったので、俺は素直にパワーを褒めた。
「あれは、ウル様の動きのヒントが聞けたからだぜ。俺様も頑張って練習したけどな。」
パワーが珍しく謙虚になってる。
ただ、口で言っただけの動きを実際にものにしたのは素直にすごいと思った。
「ジャンプアタックだけでなく、トリプルスラッシュも見ていただきありがとうございました。」
俺は、ドルカンコーチにお礼を言う。
「パワーの成長には驚かされるわい。
インパルスのコントロールも前回とは別人じゃの。
わしも長年指導を続けてきたが、パワーほど覚えも成長も早いのは初めてじゃ。
熊の中からも進化の限界を超えたものが出てくれるかもしれないと期待しておるぞ。
ポールベアのコーチからも学ぶそうじゃが、たまにはこちらに顔を出してくれると嬉しいの。」
ドルカンコーチは、限界突破種のことを気にしているんだ。
熊からも限界突破種が出てくれることを期待してるんだな。
俺も、パワーならその素質はあると思う。
パワーのことは任せておいてくれ。
いつか、名前が残るような熊になってくれると思うから。
「拠点はこの北町ですので、ポールベアの技を覚えたら戻ってきますのでご安心を。」
ご主人様がコーチに答えていた。
ドルカンコーチは★3グリズリー経由の★4アルカスだからポールベアの技を教えてもらうことはできなかった。
これでこの町での訓練が終わり、俺達は明日からポールベアのコーチがいる馬島へ向かって出発する予定だ。
モンスターデータ
ウル
★3シルバーウルフ
マスター:なし
コスト:170(+60)
習得技:ヒーリング・リジェネレーション・クリアランス
サンダー・ダブルスラッシュ・ホールド
リーザ
★2イーグル
マスター:レンディール
コスト:12
習得技:ウィンドショット・ヒーリング・岩石落とし
ガルガン
★2サーベルタイガー
マスター:レンディール
コスト:16
習得技:ファイア・ファイアブレス・スピード
パワー
★3ポールベア
マスター:ウル
コスト:60
習得技:ベアハッグ・トリプルスラッシュ・ジャンプアタック
ストレングス・インパルス




