表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
モンスター使い
28/122

28船内調査

登場人物

ウル(主人公)狼に転生し、レンディールの僕となる。(★3シルバーウルフ)

レンディール 人間のモンスター使い。俺のご主人様。

リーザ    レンディールの仲間モンスター。(★2イーグル)

ガルガン   レンディールの仲間モンスター。(★2サーベルタイガー)

パワー    ウルの仲間モンスター。(★3ポールベア)


 2日目の夜。

 船長からハルメルンさんの船に追い付いたと言われる。

 真っ暗ではあるが、星明りで前に船がいるのは分かる。


 船長はハルメルンさんの船の横に船をつけてくれた。

 フライトとストレングスをかけて乗り込むか。

 そう思っていたところに、


「何者だ?」

 船からヘルハウンドが顔を出して警戒心ありありで話しかけてきた。

 ロイさんの言ってたハルメルンさんの傍にいたヘルハウンドだな。

 お前、気づくの早すぎ。仕事を頑張りすぎじゃないか。


 ご主人様が事情を話そうとするが・・・


「波の音で全然聞こえん。」

 お前の声がでかいだけだ。


「事情を話すから船に乗せてくれ。」

 俺は叫んでみた。


「怪しいものは主殿の船に乗せられん。こちらから聞きに行くぞ。」

 ヘルハウンドはそう言うと、ジャンプしてこちらの船に飛び乗ってきた。

 こいつ、行動力があるな。


 ともかく、これで事情が話せる。

 ご主人様はヘルハウンドに事情を話す。


「主殿に確認を取ってくるから待っていろ。」

 ヘルハウンドはそう言うと、軽く5メートルは高低差があるハルメルンさんの船の甲板にジャンプして飛び乗ると奥に消えていった。

 こいつが、ちゃんと話を理解してくれているといいけど。


 しばらくして、ヘルハウンドが戻ってくる。

「主殿の許可が出た。登ってこい。船に乗ったら、余計なことはするな。全員揃ったら主殿のところに案内する。」


 事前予想の通り、ハルメルンさんは話の分かる人物のようだ。

 ストレングスを使ったパワーにご主人様がフライトをかけ、パワーが1人ずつ抱えて船の上に運ぶ。

 リーザは自分で飛んで行ったが。

 ご主人様は、高速船の船長にお礼を言い、乗ってきた高速船は一旦ハルメルンさんの船から離れた。


 ヘルハウンドは俺達が余計なことしないかどうか気になるのか、俺達の乗船をじっと見ていた。


「これで全員か?」

 乗船が終わるとヘルハウンドが聞いてきたので、ご主人様がそうだと答える。


「念のため、全員の匂いを覚えさせてもらうぞ。」

 ヘルハウンドは、俺達全員の名前を聞き、匂いを1匹ずつ確認して覚えこんだようだ。


「では、主殿のところに案内する。ついてこい。」

 ヘルハウンドは船の上を歩きだす。

 俺達としても、変に疑われてもまずいので、そのままついていく。

 そして、ロイさんが言っていた立て札のある扉の前に行き、俺達がついてきていることを確認すると、


「主殿、先ほど話した者達をお連れしました。」

 扉の中にいるであろう、主人に報告をしていた。


 すると、中から扉が開き、恰幅の商人風の男が出てくる。


「私がジェラルド・ハルメルンです。

 お客人、仲へどうぞ。」

 ハルメルンさんは俺達を自分の部屋の中に案内してくれた。


 ハルメルンさんとご主人様が、部屋のソファーに座り、俺達は周りの絨毯の上に横たわる。

 ヘルハウンドがハルメルンさんの横で、俺達が変なことしないかと警戒して見回している。

 何と言うか、仕事熱心で真面目なんだろうなあ。客に怖がられないのだろうか。俺には関係ないけど。


 ご主人様が、ハルメルンさんに事情を説明する。


「クララの言っていた動物の唸り声の正体が、さらわれたハクエン殿と言いたいわけですな。

 そのような犯罪行為の調査であれば、できる限り協力させていただきますよ。」


「荷物の中身を調べさせていただくことはできませんか?」

 ご主人様が聞く。


「ある程度確証があればともかく、関係ない者の荷物まで開けるとなると私の信用問題になります。」


「では、荷物の周りを確認するだけでもできませんか。

 中に虎がいることは分かっていますから、この子達が匂いで見つけてくれるかもしれませんので。」


「分かりました。それだけであれば、巡回だと言えますな。」

 ハルメルンさんもここは折れてくれた。


「主殿、頻繁に荷物を確認する客がいます。鉢合わせる可能性がありますが問題ないでしょうか?」


「ケルティク、そんな客がいるのか?」

 このヘルハウンドの名前はケルティクというらしい。


「巡回中に自分の荷物を確認する3人組と既に2度も遭遇しています。

 鉢合わせる可能性は低くないと思われます。」


 こいつは仕事熱心そうだから、倉庫に入る客とかもチェックしているんだな。

 待てよ。睡眠薬を定期的に注入しなおすなら、頻繁に荷物を確認する必要があるよな。


「ご主人様、その3人組が怪しくないですか?」


「そのシルバーウルフは限界突破種かね?」

 ハルメルンさんが聞いてくる。

 俺の一言だけで分かるとは、ハルメルンさん鋭いなあ。


「ええ、そうです。よく気が付くので助かってます。

 さらったハクエンさんを眠らせ続けるためには頻繁に睡眠薬を投与し直さないといけないことを考えると、その3人組は怪しいですね。」


「ケルティク、その3人組の荷物の位置は把握しているかね。」

 ハルメルンさんがヘルハウンドに聞く。


「勿論です。大きな積み荷が1つだけです。」


「中に虎が入る大きさかね。」


「余裕で入るかと。」


「ケルティク、客人達を積み荷の場所に案内してやってくれ。

 ただし、証拠が出ないようなら中を開けぬように。」


「かしこまりました。」


「レンディール殿、これでよいかね?

 積み荷を開ける前になんとか証拠をつかんでほしいのだが。」


「ありがとうございます。積み荷を開けずに証拠をつかむようにします。」


 俺達は、ヘルハウンドに案内されて積み荷のところにやってきた。

 倉庫の中でも奥に入ったところに荷物がある。


 そして、荷物に近付いただけで、中から虎の匂いが漏れてくることがはっきりと分かった。

 ハクエンさんは間違いなくこの中にいる。


「ご主人様、匂いだけでは証拠になりませんか?」


「さすがにそれは難しいわね。」

 ご主人様が答える。だが、匂い以外の証拠をどう上げればいいのだろか。


「一旦戻るぞ。鉢合わせる可能性がある。」

 ヘルハウンドが言う。


「寧ろ来てもらった方がいいんじゃないか。

 俺達はどこかに隠れていて、麻酔薬か何かの交換にしに荷物を開けたところを、たまたま俺達が発見。証拠をつかむって感じで行けないか?」

 俺の意見にご主人様も賛同する。


「いつ来るかも分からないのに、ずっと待つつもりか?

 他人の荷物の倉庫に長時間滞在させるわけにはいかない。」

 うわ、こいつは頭が固い。


「とりあえず、戻ってハルメルンさんに相談しましょう。」

 俺はご主人様に言われてやむなく戻ることにした。



「どうでした?」

 ハルメルンさんが聞いてくる。


「確かに中からハクエンさんの匂いがしました。

 とは言え、確実な証拠とも言えるか自信がなかったので一旦戻りました。」


「中にいるのは確実かね?」

 ハルメルンさんが念を押す。


「それは、間違いありません。」

 ご主人様が答える。


「分かりました。荷物の持ち主に確認を取ります。

 ついてきていただきますか。」


 ハルメルンさんは、該当の客の名前と部屋番号を確認すると、俺達を部屋に連れていってくれた。


 ハルメルンさんは、犯人の部屋の戸をノックする。


「誰だ。こんな時間に」


「ジェラルド・ハルメルンです。お客様にご確認したいことがあります。

 開けていただけますか。」

 ハルメルンさんは丁寧な口調で、犯人に話しかける。


「船のオーナー自ら御用とはいったい?」

 戸が開く。


「なんだ、てめえら。」

 しかし、後ろについている俺達を見て、犯人の口調が急に変わる。」


「こちらは、五島諸島の治安維持担当の方です。

 貴重種の密輸に関する調査に協力を求められております。」 

 ハルメルンさん、何事もないかのように嘘をつくんだ。概ね間違ってないけどさ。


「この船はハキルシアに属しているだろ。

 なんで、五島諸島の調査に協力しないといけないんだ?」

 もう100%こいつらが犯人で間違いない。


「既に、連れ去られた貴重種を船内で発見しておりますので。

 あとは、事後確認だけです。」

 ハルメルンさん、眉一つ動かさずはったりをかましてる。


「勝手に荷物見やがったな。」


「見てないわよ。荷物の外まで声と匂いがしただけで。」

 ご主人様が言う。ご主人様もさりげなくはったりをかましてる。


「おい、睡眠薬をきらしたのか。」

「切らしてないって。」

 もう、捕まえちゃダメ?

 ハルメルンさんも100%こいつらが犯人だって分かったでしょ。


「こうなったらハルメルンを人質にしてズラかるぞ。」

 犯人はナイフを抜こうとする。


 が、途中で動きがピタリと止まる。


「主殿お怪我は御座いませんか?」


「ケルティク、大丈夫だ。よくやってくれた。警備員を呼んでこいつらを縛ってもらってくれ。」


 ヘルハウンドが一礼して去っていく。

 何らかの方法で、ヘルハウンドが犯人たちの動きを止めたらしい。

 俺には何をしたのかさっぱりだ。


「では、ここは警備員に任せて、部屋に戻って、今後の相談をしましょう。」

 警備員が犯人達を縛るのを確認してから、俺達はハルメルンさんに案内されて、先ほどの部屋に戻る。


「この度は、調査へのご協力ありがとうございました。」

 ご主人様がお礼を言う。


「当然の協力をしたまでです。

 とは言え、ハキルシア船籍の船内で五島諸島の治安維持担当がやったという事実が公になると両国間の問題になりかねませんので、私が任意に事情を聞こうとしたら、相手が襲い掛かってきたということにしておいてもらいたいですが。

 私としてもハキルシア側で正当防衛で対処できますので。」


 国同士の権限ってめんどくさいな。

 確かに、そういうところにハルメルンさんは慎重になってたもんな。


「分かりました。そのようにいたします。犯人の身柄は五島諸島側に引き渡してもらえるということでしょうか?」


「はい。それで結構です。」

 いいんだ?それで。

 ハキルシア側には、襲い掛かってきた賊を捕まえたら、五島諸島の犯罪者だと判明したから引き渡したというところかな?

 国同士の取り決めとか知らないし、俺の理解だとこれくらいしか分からないが。


 アーカイクさんに押し付けられた時は厄介だなと思ったけど、ハルメルンさんが協力的だったので、あっけないほど簡単に終われたな。

 その後、荷物からハクエンさんを無事救出し、犯人とハクエンさんを高速船に乗せて虎島港に帰ることができた。

 ハルメルンさんの意向で、直接の罪は恐喝・傷害未遂。余罪として、五島諸島での貴重種の密輸と言うことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ