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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
帝国のアドバイザー
110/122

110ディビアン攻防戦(2)

登場人物


☆連合国(南部貴族連合のディビアン軍に協力)

ウル(主人公)元連合国アドバイザー(★4テンロウ)

アウルス 連合国モンスター部隊大将(★5ナイトメア)

パワー  連合国モンスター部隊副大将(★5オニクビ)

ガイン  連合国モンスター部隊副大将(★5カリスト)

スレイル 連合国モンスター増援部隊大将(★5キリン)


☆南部貴族連合

ライオネル公 ディビアン公国王弟・ディビアン軍最高責任者(人間)

ピュートル公 ハキルシア帝国3大貴族の1人・南部貴族連合盟主(人間)

アレクシード エース冒険者・ケイシュール討伐隊メンバー(人間)


★北部貴族連合

パヴェル公 ハキルシア帝国3大貴族の1人・北部貴族連合盟主(人間)

タンゴ   元ノリク配下・様々な悪事の黒幕(★5キリン)


 が、俺の体は数十メートル落下した所で支えられる。

 スレイルさんが落下する俺の下に回り込んで助けてくれたのだ。


(スレイルさん、ありがとう。助かった。)

 俺はお礼を言う。


(敵の★5キリンは執拗にウル殿を狙って来るな。

 あれが例のタンゴか?)

 スレイルさんが聞いてくる。


(そうだ。

 俺もあいつだけは仕留めたい。

 もう一度フライトを掛け直す。)

 俺はそう答えると、スレイルさんの背中でフライトの技を再開させる。


(あの★5キリンごと、敵の★4テンロウを仕留めよ。)

 タンゴの指示が聞こえる。

 だが、こちらにはタウロス隊が来てくれた。

 質は向こうが上だが、数ならはこちらが有利になった筈だ。


(フライト)

 俺は、飛行技をかけてスレイルさんの背中から降りる。

 いかに★5キリンと言えども、★4テンロウの俺を背中に乗せたままではまともに戦うことはできないからだ。


(ディスペルマジック)×2


 まるで待っていたかのように、敵の★4ホウオウと★4シルバードラゴンが解除技を放ってくる。

 が、すぐ側にいるスレイルさんが盾となって代わりに受けてくれた。

 スレイルさんにはまだディスペルガードがかかっているので、ディスペルマジックは効かないからだ。


 タンゴがスレイルさんに何か技を放ってくる。


 ディスペルマジックとアンチディスペルガードは咄嗟では見分けがつかない。

 だが、スレイルさんが狙われたのは明らかだったので、俺はアンチディスペルガードであることに賭けて、今度は迷わず俺が代わりに受ける。


 俺のディスペルガードは既に解除されているから、もしタンゴの放つ技がアンチディスペルガードなら喰らっても全く痛くないからだ。

 案の定、俺のフライトは解除されない。

 やはり、アンチディスペルガードだったらしい。


 その直後、手下の★4ホウオウたちが技を放ってくる。

 見た目は全く同じだ。

 今度はディスペルマジックだろう。

 アンチディスペルマジックの直後にかけるのは定石だし、何より★4のモンスターが5レベル技のアンチディスペルガードをかける可能性は低い。


 再びスレイルさんが敵のディスペルマジックを代わりに受けてくれることでやり過ごす。


(敵に無暗に近接するな。

 小技を連発して敵に大技を使わせるな。)

 タウロス隊長が仲間に指示を出す。


 タウロス隊のメンバーは近づくのを止め、発動が早い小技の連射を始める。

 これで精神集中を妨害されるので、5レベル技のコンセントレイトを持っているタンゴ以外は大技を撃つことが難しくなっただろう。

 ディスペルガードを持たないスレイルさん以外の仲間にディスペルマジックをかけられたら確実に殺される以上、最善手だよな。


 タンゴが再び精神集中を始める。

 俺とスレイルさんが、出してくる技を読んでお互い庇いあったのを見て、今度は読ませないようにするつもりらしい。


 小技による妨害で技を使えない★4ホウオウ達は、タウロス隊のメンバーに近接攻撃を仕掛に行った。

 タンゴの周りががら空きだ。

 今がチャンス。


 俺とスレイルさんは目で合図してタンゴに突っ込んで行く。

 だが、その必要もなかった。

 タンゴの体が光の槍に貫かれたのだ。

 姿は見せないが、魔王が来てくれたらしい。


 これは即死だな。

 流石は魔王だ。

 タンゴが落下していく。


 後で念のため本当にタンゴか確認しよう。

 まずは、手下たちを片付けないと。

 そう思ったが、その必要もなかった。


 今まで強敵だった手下達も、次々と落下していくのだ。

 どういうことだ?


(支配の首輪の効果が発動したか。

 タンゴの奴も惨い事をする。)

 スレイルさんが言う。


(タンゴの奴、自分が死んだら手下全部を道ずれにするつもりだったのか。)

 俺が言うと、


(これが支配の首輪の効果だ。

 主人が死んだり逃げたりすると、首輪が装備しているモンスターを絞殺するのだ。)

 スレイルさんが言う。

 俺は初めて支配の首輪の効果が発動する所を目の前で見た。

 苦しんでいる敵モンスターの顔を見て、思わず目を逸らしてしまった。



(首輪をつけられたモンスターは使い捨ての道具にされたんだ。

 支配している人間が逃げ出すと苦しみだして、俺は裏切ってない・助けてくれ、そう言いながら死んでいった。

 そんな事を平気でやるノリクを助けるって、ウル様は本気で言っているのか?)

 俺は、ガインの言葉を思い出す。

 俺は、あの時、なぜガインがあそこまで怒っていたのかが今になって分かった。



(ウル殿、感傷に浸っている暇はない。

 敵の大軍がディビアンの西に押し寄せている。

 行くぞ。)

 敵モンスターから目を逸らして固まってしまっていた俺にスレイルさんが言う。

 そうだ。

 ディビアンに迫ってくる敵を何とかしないと、首輪の犠牲者はなくならない。


(俺は、ディスペルガードだけ掛け直したらすぐに向かう。

 スレイルさんは先に行ってくれ。)

 俺はそう言って、ディスペルガードの精神集中に入る。

 精神集中が終わる頃には、サラ隊とグレン隊のメンバーが集まって来ていた。

 ディビアン西門跡の方を見ると、スレイルさんだけではなく、アウルスさんやパワー・ガインもフォッサマグナを始めている。

 しかもガインはケイシュールを倒したからなのか★6に進化していた。俺も加勢して、ディビアンを守り切らないとな。


 俺は再びフォッサマグナによる攻撃を開始した。

 途中、敵の精鋭部隊による攻撃もあったが、5部隊で集中攻撃して撃退した。



 このような戦闘を続ける事1時間余り。

 ついに敵兵が撤退を開始した。


 残っているのは、既にディビアンに入り込んだ敵だ。

 しかし、後続をほぼ潰しきった今、ディビアン軍が完全に攻勢に出ている。

 こちらの撤退も時間の問題だな。


(スレイルさん、俺はタンゴの死体を確認してきます。)

 俺はそう言って、先ほど落下したタンゴの死体を確認しに行く。


 タンゴの死体を見つける。

 が、匂いが違う事にすぐに気づく。

 戦場では近接することがなかったから分からなかったが、こいつは間違いなくタンゴじゃない。

 声が似ていたが、影武者か何かか。

 いずれにしても、タンゴとの決着はまだついていないという事か。


(倒した★5キリンはタンゴではありませんでした。

 影武者か何かの偽物と思われます。)

 俺はディビアンに戻り、ライオネル公に報告する。


「引き続き、今後出会う敵の★5キリンには注意と言うことだな。

 再度の襲撃がないかを交代で見張りつつ、明日に差しさわりのないよう十分な休憩を取ってくれ。」

 ライオネル公が労ってくれた。

 既に北部貴族連合軍はディビアンから撤退し、俺のいない間に作戦会議も終わっていたらしい。

 もう夜も更けてきたし、交代で夜襲を警戒しつつ、全軍休むようだ。


 俺は魔王の所に戻ってお礼を言うと、魔王の横で眠りについた。


20230607 話番号修正・誤字等修正

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