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第二十回 史実とエンタメの狭間で
もし、あなたの先祖が悪役にされたらどうですか?
もし、あなたの先祖が女の子にされたらどうですか?
僕は主に時代小説を書いているのですが、たまに歴史小説を書く事もあり、そこで、いつも迷う事があります。
それは、実在の人物の扱い方。
歴史小説、時代小説、時代劇、大河ドラマ……。
それらは、歴史を題材にしたエンターテイメント作品。エンタメなので史実に従おうか脚色を入れようが「好きにしたらいい」、と思っています。
極論、北方謙三の水滸伝のように、名を借りた別物でもいいとさえ。
しかし同時に僕は、エンターテインメントの為に、人ひとりの足跡を捻じ曲げ、時として誰かの先祖に汚名を着せたり、人格を否定するかのような描写は、人としていいのか? とも、感じているのです。
史実とエンタメ。それにどう折り合いをつけるか。生涯の課題になりそうですが、皆様はどうお考えですか?




