表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/37

第二回 昔の女

 糸島市にある田舎のパン屋で、昔の彼女に会った。


 高校時代の彼女だ。

 陽に焼けたショートカットが似合っていて、毎日テニスを頑張っていた。


 彼女が農家に嫁いだ事は知っていたので、何気なく「どう?」と訊いてみたのだが、彼女は僕に「別れたの」と、返した。


「そうか」

 と、しか言えない僕。

 

 彼女は離婚し、今は小学五年生の娘と二人暮しだという。

 前回会ったのは十五年前だったか。高校の同窓会で、バーベキューだった。その時、彼女は人妻で僕は独り身だった。そして今回はその逆というわけだ。


 彼女は僕に「女の子が産まれたんだよね、おめでとう」と言い、それから「人生って中々上手く行かないね」という言葉を残して、パン屋を去っていった。


 残された僕は肩を竦め、妻に頼まれたバゲットを一つトレーに乗せた。


 男が生きていると、色々とあるものだ。

 女も生きていると、色々とあるものだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ