久美の決断
それから私達は、保健室を出て元気になった久美と一緒に教室に向かった。
教室につくと3限目の休み時間みたいで、永瀬くんは私達の教室の前に立っていた。
「久美…」
気まずそうに話かける、永瀬くん。
「ねっ、永瀬。今日デートしよ?」
久美は笑顔だった。
「えっ?あっ、うん。」
それを聞いて満足そうに微笑む久美。
そして、私達は教室に入っていった。
私は、久美のことだから今日別れを告げるのだろうと思っていた。
やっぱり…
久美は瞳いっぱいに涙をためていた。
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久美side
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運命の放課後。
あたしは、最後の思い出に淳とデートすることにした
それだけで?
って思うと思う。
ただ女の子と話してただけなのにね、
あたしは、淳にとって何?
って考えたら、何も浮かばなかったんだ。
彼女…だよね?
って確認したいぐらい、よくわかんないんだ。
だから、淳、最後のわがまま聞いて?
部活休んでまで私と一緒に居てほしいの。
これで最後だから。
そんなことを思いながらあたしは、淳の待つ校門へ来た。
「淳っ、プリとろうか?」
あたしの言葉にびっくりしてあたしを見た。
「…!」
「ん?どうかした?」
「…淳って…。」
そう淳は、呟いた。
あたしは永瀬 淳のことを
今まで淳と呼んだことがなかった。
「ん?なんとなく〜」
あたしは、はにかんだ笑顔を見せた。
淳は、ちょっと照れながらニコッと笑顔を見せた。
それからあたし達は、少ない時間でいっぱい遊んだ。
淳があたしの家までおくってくれた。
淳は、あたしにお別れのキスをしてくれた。
あたしと淳の唇が離れたときあたしは言った。
「…永瀬…別れて?」
淳はびっくりしてあたしを見た。
「…えっ?」
淳は、まだ状況が読めないようだった。
「……今までありがとう。さようなら」
あたしは、そう言い残し家に入った。
「…!!久美!」
後ろで淳の怒鳴り声が聞こえた。
だけどあたしは振り向かない。
終わったんだ。
そう思うと涙が溢れ出した
淳…淳…
思えば思うほど涙が止まらない。
あたしのケータイの音楽がなりやまない。
この着信音は、淳。
私は、電源を切った。
そして家の鍵をしめた。