好きって気持ち
朝、教室へ行くと
「おはょー沙羅。」
と笑顔の佑ちゃん。
「おはよっ」
私は、それが嬉しくて笑顔になる。
「おはよーございます」
ちょっと不機嫌な久美の声が聞こえた。
私は、なんでだろうって少し考えた。
そして廊下に視線をやると
永瀬くん!
私は、心の中で叫んでた。
そう永瀬くんは、私のクラスの女子と仲良さそうに話しているのだ。
※永瀬くんは、隣のクラスです。
ちなみに、橘くんは私達と同じクラス。
「私は、もう振られるんです…。
私は、もう…」
久美は今まで使ったことのないような言葉を使って、自己嫌悪におちいっている
そして、久美はヘナっと床に座って泣き出した。
久美がやっと泣き止んだので、私と佑ちゃんは、久美を見て保健室につれていこうとした。
「久美…保健室いこ?」
私は、久美を立たせ佑ちゃんと一緒に保健室へ向かった。
教室を出ると、永瀬くんがびっくりして
「久美、大丈夫?」なんて聞いている。
私と佑ちゃんと久美は見てしまった、
永瀬くんの隣にいる女の勝ち誇った顔を。
「……。」
久美は無言のまま立ち去ったので、私と佑ちゃんは久美の後を追った。
永瀬くんは、訳がわからずただ立っていた。
保健室についた。
私と佑ちゃんは、久美をベットに座らせた。
「…私さっ、…別れようかな?淳と…」
途切れ途切れに言う久美の言葉。
瞳には、涙をいっぱいためて久美は呟いた。
※淳は、永瀬くんの下の名前。
「…辛いの…、淳と…一緒にいる…と…淳、モテるから…今みたいに…私じゃなくて…別の女の子を…優先するときもあ…るの…」
久美は泣きながら言う。
「久美、もういいから寝なよ。私達ここにいるから」
私は、久美に言って寝かせた。
私と佑ちゃんは、保健室の先生とここにいる理由を話して、ここに居させて欲しいとたのんだ。
保健室の先生は、わかったと納得してくれた。
ふと窓に目をやると、昨日見たあの人が校庭でサッカーをしていた。
どうやら体育みたいだった
「…先輩だったんだ。」
私が小さくつぶやくと、
「私がこんなんなのに、沙羅は恋してんだ〜」
ちょっと嫌味ととれる発言にびっくりして後ろを向いた。
そしたら予想通り、にやけている久美の顔と笑顔の佑ちゃんの顔があった。
「初恋か…。」
佑ちゃんの意味ありげな発言にビクッとしながらも、そのまま流した。
そうか…これがこいなんだ。
こんなに胸が痛くて、顔が赤くなるほど…
これが好きって気持ちなんだ。