僕が好きになった人は女にもてる女の子でした。~桜井 篠~
『桜井・・・俺と付き合ってほしい』
・・・またか・・・
今日で何人目?
つか今まで何人居た?
俺を思ってくれるのはくれるのは嬉しいんだけどさ・・・
「あの・・・俺・・・”男”なんですけど・・・」
俺れっきとした男なんですけど!
放課後
今日も1日が終わり、帰りに何処か寄ろうかと幼馴染である青と話していた時のこと。
『桜井いる?』
教室の入り口のほうから自分の名前を呼ぶ声が聞こえ振り向いた。
このクラスに”桜井”は自分しかいないから。
俺は席を立ち上がり、
「なんですか?」と尋ねた。
そこにいたのはクラスで結構名前を聞く先輩だった。
かっこいい!と、クラスの女子がきゃーきゃーとあまりに大きな声で話しているので
嫌でも耳に入ってくる。現に、まだ教室に残っていた女子は顔を赤らめて先輩を見つめていた。
ただこの人が俺に何の用なんだろう。
つか、なんで名前を知ってるんだ?
と、必死に頭を動かして考えている俺の横で青はニヤニヤしていた。
まるで、この後行われることが何かを知っているかのように・・・
『ここじゃあちょっとあれだから、場所かえていいかな?』
俺は戸惑いながらも「はい」と答え、歩き出した先輩の後をついていった。
そしていきなり立ち止まった先輩の口からこの言葉が出たわけで・・・
『分かってる・・・最初は信じられなかったけど・・・でも諦められなかった!一目惚れなんだ!性別なんて関係ない!』
こいつまじだ!!!!!!!!!
『今はまだ彼女がいるけど、君が付き合ってくれるなら別れる。それくらい本気なんだ!』
彼女いんのかよ!?
先輩は緊張しているのか(そう思いたい・・・)少々息が荒い。
身の危険を感じた俺は
「ごめんなさい!!」
と、もうダッシュで教室に戻った。
『おっ♪戻ってきた戻ってきた♪どうだった?本日6人目のおと・・いてっ』
「それ以上言うと本気で殴るぞ」
『冗談ですって・・・でも本当に篠は男にもてるよね~』
そう・・・俺は何故か”男”によく好意を持たれる・・・
昔からずっとそう・・・告白されることに悪い気はしないんだけど・・・相手は男だからねー・・・
自分が女顔ってことは分かってるけどさ・・・
「・・・俺ってそんなに女顔?」
『うん♪』
青は即答しやがった。
そして表情が暗くなった俺を見てケラケラと笑っている。
でもあまりに俺が落ち込んでいるからか笑うことをやめ
『ごめんって~悪かった!』
と、謝ってきた。
「コンプレックスなんだぞー・・・」
『分かってるって(汗)でも正直お前女より美人だからな~色白いし!すらっとしてるしな♪』
「・・・」
ハァーっと深くため息をつく俺に『これは真面目に言ってるからな!』と
怒ったかと勘違いしているのか焦りながら言ってくる青。
その姿はまるで子犬・・・
青はすっごいマイペースなやつ。でもさわやか系男子って言うのかな?そうだから女子にも人気あって
彼女も何人かいたこともあるけど・・・今はどうなのかな?
「よし!!もういいから!腹減ったしマックでもいこ♪青のおごりで♪」
『おう!・・・って何故俺のおごり!?』
「まぁ気にすんな♪行くぞ~」
『待てって!』
「・・・「待て」って言うならちょっとは急げよ・・・」
『もう終わるから・・・』
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