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闘神に気に入られた私  作者: 新条 カイ
1章:目覚めるまで
25/59

24、シュトレイって、シュトレイって・・・!

「おはよう、沙耶」


 ふわりとうれしそうに微笑んでそう言うシュトレイの声は、低くもなく、高くもない声質をしていた。瞳の色ははっきりしないけれど、切れ長の目は凛々しく、男らしくもあり知的でもある。

 だからなのか、いやに心臓がどきどきするのはっ!


「…っ! きゃあ」

「あぁ、愛しいよ、沙耶」

「あ、ちょっ…やめ、んっ」


 急に頭を抱えられて引き寄せられて、思わず上に重なってしまった。しかも僅かに掠れさせた声でそんな甘い事を言うなり、頬にキスされて。

 それだけならまだしも…っ!


 何度も唇を重ねる軽いキスをされた! 最後には下唇を吸われたしっ!


「う、ぅぅ…」


 ファーストキスは、もっとロマンチックな雰囲気でしたかった。いくらシュトレイにときめいていたとしてもっ!

 ぎゅっと抱きしめられて、はっとした。


「しゅ、シュトレイ?」

「ん? どうした?」

「あの、ふ、服、は?」


 そう、抱きしめられてその腕の中に囲われているのだけれど、手や頬に触れる感触が、肌そのもので。上半身だけ裸なのか、まさか本当に素っ裸なのかわからないけど、こんな状況は心臓に悪い!


「ふふ、このままここでシても俺は構わないけど、ね」

「なっ…」

「沙耶の心が落ちて来るのを待つよ」


 耳元でそんな事囁かれて、ぞくぞくしたとか絶対言わない!

 そっと身体を離されて、慌ててベットから降りれば背後でくすくすと笑う声が聞こえる。うぅ…今までのシュトレイより性格悪くない!? 今まではあくまで自分の身体を乗っ取られる位だったけど…これからは、手が出てくるのか。なんだか怖いな。

 そんな事を考えていたら、いきなり身体が浮いた。こ、これは俗に言うお姫様抱っこ!


「さ、戻ろうか。まだ夜は明けてないしね」

「あっ…待って、片付けてから」

「構わない」


 問答無用とばかりに、すたすたと歩いて行ってしまう。じたばたと暴れてみても、全然離してくれないし、動きに支障もでないみたいでどうにもならない。


「あんまり騒ぐと迷惑になるから、少し黙って」

「だ、だって」

「聞き分けないと、強引に塞ぐよ?」


 にやりと笑うなり、ぺろりと舌なめずりしてみせるその顔に、なんだか恥ずかしくて思わず顔を伏せてしまった。

 くっそう…嫌味と取れる言い分と所作なのに、なんでサマになるんだ。いや、ちょっとまって。これってもしかしなくても、物凄くセックスアピールされて、る?

 そろりと顔を上げて見て見ると、にっこりと笑うなり額に柔らかい感触。デコちゅーされたーうわぁー


「くくく、ほんと、かわいいね」


 うう…もしかしてずっとこんななのかな?心臓に悪すぎて体が持たないよ…


 ダイニングへと到着したけれど、今日は蝋燭が灯されていて部屋の中は明るかった。現代日本に比べるとそりゃ暗い方だけど。

 シュトレイの歩みは止まらずに、寝室へと向かって行く。まさかもう子作りするなんて言わないよね? でも、元々神の器は神様との子を産む為にって言われたし…え、でもそんな急になんて…いや、前もって言われてたけど、そうじゃなくって。


「くすくす、安心して。ただだっこして寝るだけだから。でも、沙耶には小悪魔な格好してもらうけど」

「え?」


 頭上からそんな声が聞こえて、すぐに着ていたドレスが変わった。ロングスカートなドレスだったのに、足がっ足が出てる!しかも生地が透けて…


「や、こんな格好はやだっ」

「そう? すごくかわいいのに」

「恥ずかしいだけだよ、こんなの」


 そっとベットへと降ろされたけど、慌ててリネンに包まって、シュトレイの視線から隠れる。


「嫌なら自分で変えてもいいよ。それだけの力はあるはずだし。でもまぁ、俺も譲らないけど、ね?」


 シュトレイはそんな事を言いながらベットへと乗って来ると、リネンごと背後から私を抱きしめたかと思ったら、そのリネンを消されてしまった。


「っ、や、離して」

「何もしないよ。あ、何もって言うのは語弊があるな。こうして居たいだけだから」


 できればこっち向いて欲しいけど。そんな事言われても、向かい合わせで寝るなんて恥ずかしくて出来る訳ないじゃない! 今もいっぱいいっぱいなのに。

 腕枕とか、腰、というかお腹をがっしり腕でホールドされるとか、ぴったり背後に温もりがあるなんて。そりゃ、知識だけは知ってたけどっ!


「今日はちょっと忙しくなるから、少しは休んでおいたほうがいい」

「忙しくって、どうして」

「やらないかもしれないが、国民にお披露目するから」

「やっぱりそういうのあるんだ」

「だから、おやすみ」


 そっと頬に優しくキスされて。恥ずかしくて、おやすみっ! と、言い返せば、ふっと笑われてしまう。これ以上起きてると、もっとからかわれそうだし、眠れるかわからないけど目を閉じた。

誤字脱字、指摘や感想等お気軽にどうぞ


セックスアピールって、するものというか、あ、ここが好き。と思うものだと思うんだけど。使い方間違ってそうだ。


次はシュトレイの思いというか考えというか。短いでっす。

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