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闘神に気に入られた私  作者: 新条 カイ
1章:目覚めるまで
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21、お買い物と恋愛相談

 バッグ(こちらではポーチというらしい)のお店へ向かいながら街中の人をそれとなく観察する。

 街中の人は大体がロングスカートだった。なんとなく昔のヨーロッパとかアメリカ系の服かな?だからといってポーチというものがどういうデザインなのか分からない。待ち行く人はそれっぽいものを持ってないようで、女性は皆腰にウエストポーチのような物をつけている。


 実用性重視なのかな? あまり可愛くない…。キサネアさんのもそうだけど、黒とか茶色しか見かけないし。


 お店に着くと、そこはブティックの様なお店で、洋服や靴、ちょっとしたアクセサリーも置いてある。

 そうして、キサネアさんに連れられて、ポーチの置いてあるコーナーへ行くと、まるでドレスアップした女優が持つような、長財布位の大きさのバッグがあった。

 確かに色とりどりで、宝石なんかも着いているし、ファッション性重視、だね。これは。中を開けてみてみたけれど、ハンカチ位しか入らないなぁ。ルージュなら入るかな?


「いらっしゃいませ。そちらは今一番人気の品ですよ」

「そうなんですか? うーん、キサネアさん、似合います?」

「どうぞネアとお呼び下さい」


 真っ赤なベルベット生地の様なポーチを肩に掛けてみてキサネアさんにそう聞いて見ると、呼び方を訂正される。うぅ、道中でも言われたけど、慣れてないんだもん。


「ネアさん、どうですか?」

「今はお止めください。奥様を飾り立てるのはあの方の特権ですから」


 う…なんだそれは。そりゃ、毎日ドレスルームで楽しそうに衣服を作られてるけどっ! こういう小物にまで口出されるとは。


「ネア、奥様の侍女としてつくなら、ドレスやポーチ等も必要では? ここでいくつか用立てても構わないぞ」

「確かにそうね。でも時間が掛かるから…このポーチに合うドレスを一着お願いしてもよろしいかしら?」


 店員にそう言うと、こちらへどうぞと案内された場所にはソファがあり、そこへと座って待つように言われた。小部屋の様になっていて、大きな鏡が壁につけられている。

 なんかドラマとかで見た事ある!お金持ちの男性が女性に服を買ってあげる時に試着したりする所!

 ネアさんが奥の扉へと連れられて入って行くと、別の店員さんが来てコーヒーを出してくれた。


「お待たせしてしまい申し訳ありません。あの方も参考になる物があれば作りやすいかと思いまして」

「確かに。でも、特権って…ネアさんが気にする程心が狭いんですか?」

「見る限りではそう見えました。…シュトラータの人間であれば、選ばれる事は名誉な事だと幼少から教えられ、その為だけに勉強や美容、ダンス等も練習してますから」


 選ばれなかったとしても教養は出来上がっているので、いい所のお嫁になる可能性もあるし、今か今かと夜も眠れずに待っている子もいる位なんだとか。

 だけど、私はそういう知識もなく、単純に惚れてもらわねばならない為、様々な事に気を使っているようだと言う。


「今、少しは惚れてますか?」

「うっ…その、まだわからないです」


 いきなり直球で聞いてくるなんて! もうっ顔が熱いよ。

 そりゃあ逃げられないみたいだし、奥さんとしてやって行くならって考え始めはしたけど。顔、は好みのタイプっぽいけど…それだけで好きになれるかって言うと、ちょっとねぇ。私には優しいけど、なんだか残虐っぽい所もあるし。

 実際、みんなはどうやって結婚したんだろう。人間だもん、合う合わないあるだろうし、好きでもこれは、って思う所もあるはずだよね? 昔は見合い結婚ばかりだった訳だけど、一緒に暮らしてるうちにどうにかなっちゃうものなのかなぁ?


「フェイさんって、結婚は…」

「してますよ。妻と子供が一人います」

「奥さんと結婚するって決めたのはなんでですか?」

「私の代で闘神様が起きますから、闘神様に付きっ切りでも構わないという人をまず選びました。後は付き合ってみていいと思う所と嫌だなと思う所を秤にかけました」


 なるほど。でも、私の場合その手は使えないよね。だってシュトレイしか選べないんだもん。


「奥様の場合は、貴族同士の結婚を参考にするといいのかもしれませんね」

「家同士で決められてって事ですよね」

「そうですね。ただ、これも上手く行ってる場合もあれば、上手く行かない場合もあるので」

「あ、やっぱり。難しいですねぇ」


 上手く行かないなんて事にならないようにしないといけない訳だけど、ほんとにどうすればいいのやら。

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