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闘神に気に入られた私  作者: 新条 カイ
1章:目覚めるまで
18/59

17、シュトレイvsシュフィット

 なんだかゆるゆると意識が浮上する感覚がする。そうして見えたのは、にっこりと笑うフェイさんの顔。


(…ん…? あれ?)

「起きた? 沙耶ちゃん」

(え? …私…)


 確か皇子のレイファントさんと戦うのに、殺すとか言うもんだから言い合いして…シュトレイにお願いされたのは?


「沙耶ちゃん、今からフェイと手合わせするから、ちゃんと見ててね。感覚も残してあげるから、自分で感じて」

(え? あ、ちょっとまって、レイファントさんてどうなったの!? 試合しなかったの?)

「ふるぼっこにしてあげたよ? 殺すのは止めてあげたから心配しないで」


 う…ふるぼっこには、したんだ…どの程度なのか分からないけど。

 でも、なんでその記憶がないんだろう。確かシュトレイがお願いがあると言ってたのは覚えてる。でも、そのお願いを聞く前に・・・今の状況に変わっちゃってて。


(えっと、シュトレイ、聞きたい事があるんだけどね?)

「うん? 何?」


 記憶がない事、お願いが何だったのか。それを聞くと、なんとも歯切れの悪い言葉で話し出す。


「えーと、ね。沙耶ちゃんに見せたくなかったから、眠っててもらったんだよ」

(見せたくないって、どうして?)

「引かれちゃうと思って」

(ふるぼっこにするのを見て、引くと思ったの?)

「んー…まぁ、それもあるかなぁ」

(それも、って事は他にもあるって事!?)

「まぁ、もう済んだ事だし~」

(そうかもしれないけどちゃんと話して!)


 そこまで言っても、あははと笑ってごまかそうとする。

 ほんとにもーなんなの!? シュトレイってかなり隠し事が多いよね!?


「まぁ、そんな事よりぃ、始めるよー」

「はい。ではこちらからでも?」


 フェイさんがそう言ったのを聞いて、はっとした。うぅ、はぐらかそうとしてるのは分かるけど…今度はフェイさんと戦うんだよね? フェイさんは剣と盾を持ってるけど、大丈夫なのかな。レイファントさんとどんな戦いをしたのか分からないし。

 とはいえ、テレビとか特撮とかでしかそういうの見た事ないからなぁ…


「その方が良いかな。力量見たいからねぇ」

「はい。では…行きます」


 フェイさんがそう言った瞬間に、盾を身体の全面に構えた状態で走り込んできた!突進して来た様に見えて、逃げなきゃと思ったら―――


 何故か、左手が振り下ろされ、右手を全面に出した。すると、キィン、と金属がぶつかる甲高い音と、盾に剣の柄が叩きつけられていて。

 そして盾を剣の柄で叩いた勢いを使って、自身の身体が後方へと飛んだ。


「これならお前も双剣を使ったほうが良さそうだけど?」


 フェイさんと距離を取ってのんきにそう言う。けれど、フェイさんは困ったような顔をして笑う。


「どうも左手で剣を操るのが上手く行かないのです。攻撃だけで見れば良い方なのですが、防御面を考えるとどうしても」

「そ? まぁ双剣ってどっちかっていうとやられる前にやるって感じだしねぇ」


 そ、そういうものなのか。でも、その割りに先に攻撃させたりしてるけど…シュトレイはそれでもどうにかできるほど余裕があるって事なのかな。


「まぁ、もうちょっとやってみようか」

「はい」


 フェイさんは、今度はそれ程間合いがなかった為か、一歩踏み出し剣を振りかぶる。それをシュトレイは右手の剣1本で弾くけれど、盾でもって殴りかかられた。それは身体を一歩後ろへ引く事で避けた様だけれど、すぐさま剣を突き出してくる。

 シュトレイはフェイさんの攻撃を剣一本で弾いたり、または両方の剣で受け止めたり、普通に避けたりと危なげなく対処している。

 感覚があるから、操られてるかのように身体が動いてる感じなんだけど、頭が付いていかない。だって、弾いたと思ったら避けてるし、避けたと思ったら防いでるしで、早すぎて何がなんだか分からないよ。

 それに、なんでシュトレイがこうやって動けるのかも分からない。フェイさんの剣先を見てる訳じゃないから、どこから攻撃しようとしてるのかが全く分からないんだもん。


「…なるほど、確かに良い腕だねぇ」

「ありがとうございます…っ」


 切り結んだ状態でそんな会話をよく出来るなと感心してしまう。ぎりぎりと剣同士が立てる音が鈍く響くけれど、とん、と、シュトレイが上空へと飛んだ。

 とはいえ、フェイさんの背後に回るように前転する位の高さだけれど。


「! ―――」


 着地してすぐ、金属が激しくぶつかったような音がした。シュトレイの剣をフェイさんが受け止めたのだ。

 シュトレイはフェイさんの背後へ着地すると、そのままくるりと身体を回転させ、その勢いで二本の剣を横へ振り切っていた。その攻撃は振り返ったフェイさんが右手の剣でしっかりと受け止めていたのだ。


「今のを止めるか。ならそうだな、そろそろ本気で行こうか」


 シュトレイは受け止められた剣を上手く弾くとそう言った。フェイさんは、それを聞いて目を見開き、驚いた顔をした。ごくりと喉を鳴らしたのまで見えてしまった。けれど、そんな表情をしたのも一瞬で、顔を引き締めると重い声で、『お願いします』と言っている。

 本気で、って…大丈夫なのかな。今はシュトレイが防戦一方って感じだったから、シュトレイの攻撃ってどんなのか分からないし。それに、フェイさんのあの表情といい、なんか嫌な予感がする。

今回のバトルはこれで終了~あーバトルの情景難しいorz


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