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サーヴァント  作者: ミサ
第2章
8/16

8 語られる真実~1~

「あ、気が付いた?」

 目を開けるとドーラが、覗き込んでいた。

「え、私……」

「エミネントの衝撃発言で、フェイトその場で倒れちゃったのよ。まぁ、無理ないわよねー私達も驚いてるんだから」

 ---そうだ、さっきエミネントは私を『ヴァースト』だと言った。

 私はベッドから起き上がると、ドーラに尋ねた。

「エミネントは?」

 水をいれたグラスを私に差し出しながら、ドーラは肩を竦めた。

「それがね、あのあとエミネントとナスリィの2人して、執務室に籠って何か話をしてるのよ。他の皆は食堂に集まってる」

 私は水を一気に飲み干すと、ドーラと一緒に食堂へと向かった。

 食堂の扉を開けると、中にいた皆が一斉にこちらを見た。

 そこには、神殿内にいるサーヴァントの面々が揃っていた。

「フェイト!大丈夫?」

 エイミアが心配そうに私の方に駆け寄って来た。

 私は無理に笑うと、エイミアが心配しない様に明るく答えた。

「うん、大丈夫。全く---エミネントは冗談が過ぎるわよね。私がヴァーストだなんて、ありえないっての!」

 私の言葉に、窓際にいたハーティが睨んだ。

「ホントだよな!こんな奴が俺達が守らなければならないヴァーストなら、俺はサーヴァントなんか辞めてやるよ」

「ハーティ!馬鹿なことを言うな。」

 ミンが戒める。ハーティにはそれが気に入らなかったようだ。

「馬鹿な事?こいつは俺達の命を狙ってるんだぞ。そんな奴を何故、俺達が守るんだ。おかしいだろう」

 自分のことながら、確かにそうだと心の中でハーティに同意する。

 私が奴でも同じ事を言うだろう。

「とりあえず、エミネントとナスリィが戻ってくるまでは、何とも言えないな」

 エリアスが冷静な声で呟く。

「でも…俺はフェイトは間違いなく、ヴァーストだと思うよ」

 その言葉に一同、彼の方を見る。

「エリアス---何を根拠に……」

 ミンが彼に問いかけようとした時、食堂の扉が開きエミネントとナスリィの2人が入って来た。

 全員が2人に注目する。私もそれは同じだった。

「どうしたんだ?みんな揃って……エリアス、君までいるのか。大丈夫なのかい?ここへ出てきても。防御室の方はどうなっている?」

 エミネントはエリアスへ問いかけた。

「問題はないさ。結界は完璧だ。そんな短時間ではどうこうなるものでもない……それに、ヴァーストが戻ってきたなら、俺が結界を張る必要もなくなるんじゃないか?」

 エリアスは笑いながら私を見た。

 な、何?私は関係ないから!

「結界が破られたって聞いた時、信じられなかった。今まで一度もそんな事なかったからね。でも、フェイトがヴァーストならば結界を破るのなんて簡単だ」

 エリアスの言葉にその場にいる全員が納得しそうになった---が、

「冗談じゃない!俺は認めない」

 ハーティが突っかかるように言う。

「---ハーティ」

 エミネントが宥めるように名前を呼ぶと、彼はぷいっと食堂を出て行った。

 しばらくの沈黙の後、私は恐る恐る声を掛けた。

「……あの、私が言うのも何なんだけど、私も間違っていると思う。ガテーリアにも今まで来たことないし、父さんからそんな話も聞いたことない」

「でも、君のお父さん---ソルドは、先代のヴァーストに仕えていたサーヴァントです」

 エミネントの言葉に私は唖然とする。ソルド?誰…

「私の父さんの名前はソルドじゃない。カートよ!」

 すると、私の目に前に玉石が付いているペンダントを差し出す。

「それは父さんの形見……」

「無断で借りました。すみません」

 エミネントは申し訳なさそうに言うと、私の手の中へペンダントをそっとのせた。

 私はギュッと握りしめた。

「その中にソルド…いえ、あなたの父親であるカートの残留思念が残ってました。それを私とナスリィで読ませてもらいましたよ。おかげで、今まで謎だった事がやっとわかりました」

 何?どういう事?父さんの残留思念って……

 そして、エミネントとナスリィは、今まで誰も知らなかった真実を語りだした。






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