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第4話 不安

いつもの喫茶店


店内は食事時を過ぎたあとでやや落ち着いた様子を見せている。

そんな店内の中の一角だけやけに盛り上がっていた。


「……すごい!全部正解」


入試対策本を開きながら美国は正人を見ながら感心していた。


「ふははは。だろ?すげーだろ!」


腕を組みながら、正人は有頂天になっていた。


「ついに覚醒したか!俺の隠された能力が……。

 どうするよ?このまま天下狙っちゃうかね?」

まるで鬼の首を取ったかのような態度で正人は嬉しそうに語った。


「正人……。どっかで頭ぶつけたの?おかしいでしょ?」


本を口元に隠しながら少々心配した顔つきで正人をうかがう美国…。


「ふー、早くも嫉妬か?庶民はこまるねぇ」


タバコをくわえながらちょっと頭の悪そうな顔で美国をからかった。


「もう!ちょっと前までアメリカの首都がニューヨークって答えそうなくらいだったのに

 なにいってんのよ!」


「やれやれ」


完全に人を小馬鹿にしたような態度で美国を見つめる正人。


「いいよ……。もう」


本をパタンと閉じながらあきれた口調でいいはなった。

そして心配そうな口調で


「ちょっと気になったんだけどさ。これも占いの人がいってた

変化のひとつってだったら危ない……と思うよ。」


「なんでだよ?いいことじゃん?頭よくなってさ!」


正人はのんきに答える。


「だってその人こういったんだよね?『消える』って……」


その瞬間店内から二人の声がピタッと止まり

正人の表情から笑顔が消えた。


「な…なにいってるんだよ?俺は、俺だろ?」


冷静に考えると明らかにおかしいことに正人は初めて気づいた。


「だったら、いいけど……」


「……当たり前だろ」


この25年間俺は俺で生きてきて、急にかわるはずもないこともわかってる。

でもこの変化は嬉しいじゃないか。

俺、変わりたいんだ。こんな人生じゃなくてもっともっと輝いたことがしたいんだ。

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