第2話 前兆
正人と美国がよく通う喫茶店。
どこにでもある普通の喫茶店 チェーンの喫茶店が多い中
ここの喫茶店は個人経営ながらも地元からは人気で常連客が多い。
その行き着けの喫茶店で座る席は入って一番奥の窓際の二人席。
そこで食事をとりながら
易者に言われた話をそのまま美国に伝えた。
「……というわけで俺消えるらしい」
「はぁ?」
予想通りの答えがかえってきた。
何いってるの?というような呆れた表情をした。
「だろ?その反応間違ってないって」
「いきなり声かけてきて消えるとか変わるとかねぇ。信じろってほうがきついよ」
「でもなぁ変化が欲しいってのは当たっててさ。なんかな……」
「正人ねぇ。みんな思ってることだよ?変化が欲しいとか変わりたいとかさ。
変身願望はみんなあるんだよ?私だっていえるよ?
あなた悩みがありますね?とかさ」
紅茶を飲みながらひょうひょうと話してくる美国の顔を見ていると
確かにそうだなって思ってくる。
そう思うとなぜか急に腹がたってきた。
「クソ!あのインチキ占い師の野郎!今度あったら売上没収だな!」
「あはは。そうそう、占いなんて自己暗示よ!まともに信じたらダーメ!
でも実際変わってもいいんじゃない?正人の人生結構メチャクチャだし」
ニヤニヤしながら俺の顔をみて紅茶を一口含んだ。
「ま、まぁな……」
相変わらずイタイ所をついてくるが言い返せない自分が情けない。
そりゃ変われるものなら変わりたいって……。
そんな表情を読み取られたのか美国は優しくこういった。
「でも、そんな正人を見放さないで一緒にいてあげる私に感謝してよね」
「ふん、俺が付き合ってやってるんだろ?」
「あはは。そういうことにしといてあげるよ!」
いつのまにか談笑になりワイワイと食事を進めていった。
その時、ふと美国は気付いた。
「あれ?正人って左利きだっけ?右利きじゃなかった?」
「いや最近さ、なんか左の方が使いやすくてな!
まっ問題ないだろ?」
少し腑に落ちない顔をしながらも
「そうなんだぁ」
と美国は軽くながした。
そう。何気ない仕草や行動がすでに変化の前兆ということに
気付いたのはもう少し後になってからだったんだ。




