水宮天のルームメイト
私には素質、というより魔法少女としての才能があったらしい。
小学校の素質を診断する授業で解った、私は花と音の2属性持ちだということ。その頃はあまり理解していなかったが、2属性持ちは20年に一度産まれるかどうかの天才だ。
私は帰宅後に満点のテストと属性の診断結果をお母さんに提出した。
「…そう」
お母さんの反応はきっと失望だったんだろう。お母さんは私に異常なほど学歴を求めていた。
2属性持ちとわかれば国から強制的に中高大全て魔法少女の専門学校に入学させられ、一生魔法少女であることが決定したようなもの。学歴なんか得られないと理解したんだろう。
数年後、私は魔法学校に主席入学した。
筆記試験も実技試験もぶっちぎり1位で、私の周りからの扱いは完全に優等生。今までと同じのまま。
そんな日常に馴染んだ頃に私のルームメイト、任務のペアが目を覚まさなくなった。
傷1つ無い、心臓も動いてる、でも目覚めない。
「あれさ、天瀬さんなら守れたんじゃないの?」
「ね、まじで、天瀬さんがあーなれば良かったのにね」
皆そう。99出来ても1失敗したら袋叩きにする。自分は99も出来ないくせに。
「ねね、花音!昨日変わったルームメイト水宮先輩ってほんと!?」
この子は同じグループの子、星宮実鈴。
水宮先輩のファンだった気がする。
「そうだよ?」
「いいなぁー」
あぁそっか。
もう私は天瀬花音じゃなくて、水宮天のルームメイトとしてしか見られてないんだ。
(私を見てよ。)
(優等生じゃない、天才じゃない。水宮天のルームメイトじゃない。私を見て)
そう思っても、笑顔は欠かしちゃいけないの。
だってそうなんだよ。笑顔じゃない私は天瀬花音じゃないんだって。
放課後、水宮先輩との合同任務。
私は先輩の隣でいつも通りの精度の高い花魔法を打っていた。その隣、
水宮先輩は透き通った氷の刃の中に星屑の詰まった矢を大量に生成して降らせていた。
(…きれい)
こんなに精度の高い魔法は見たことが無い。そもそも透き通った氷すら生成できる人はいない。
(一生賭けてもこの人には勝てないんだろうな)
直後、飛んできた針をよけられずに腕が飛ぶ_ことは無く針は水宮先輩のステッキによって弾かれた。
「大丈夫?」
なんとなく、知らない感覚。
本当に心配してるのか、心配してるふりなのか。
そんなのどうだっていい。でも
この人だけは私をちゃんと、作り物じゃない私も見てくれてるような気がするの。
「はい、先輩のおかげで。」
この人に選ばれたい。
この人の一番になりたい。
この人の特別がほしい。
なんだろう、これ
_あぁ、恋か




