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天才

もし、あの人と出会わなければ自分の人生はもっと良かったものではないかと考えたことはある?

私はある、今はもうこの世界にいない初恋の女の子が最初から居なければもっと普通に生きられたらと思う。というより、絶対的な確信がある。

それでも歪んだ形は戻せない。だから歪み続けるしか無いの。


私、初恋の女の子がすきなの。もう6年以上前に触れられなくなったけど。未だにね。

この日記は彼女を造る研究の記録、まぁ人間を作れるわけない、それが常識だよ。

私ずっと前から知ってたんだよね、自分が魔法の才能あること。それでさ、もしかしたら彼女のこと作れるかもって思ったんだよ。


これがこの日記の内容。

 中等部二年生の春、ルームメイトが死んだ。

この学校では普通のこと、だってここはこの国最大の魔法少女の育成機関なんだから。あっさり死んでいくクラスメート達を見てもう慣れてしまった。


正直ルームメイトのことは嫌いだった。わがままで性格も悪い、そのうえ暴力的で何回殴られたかなんてわからない。

正直、居なくなってくれた安堵の一週間も終わりが近付いたことを感じる金曜日の朝8時。


「水宮さん、ちょっといい?」

「はい、何でしょうか?」


誰が死んでも作り笑顔の質は同じに一番綺麗な笑顔をする。


「明日から今年入った一年生と同室になるからよろしく」

「はい、わかりました」


面倒だなんて心の中に閉じ込めて笑顔で肯定、これが私の最適会なんだろう。







「話聞いてた人はわかるだろうけど今日の実技は1対1で戦います。殺さなきゃ何してもokで~」

「新入生が見に来るので手を抜かないこと」

先生の言葉に仕組まれた自分に刺さらない棘が苦手だ。


「ねぇあの人って強いの?」

「強いっていうか、天才。過去現在どんな魔法少女より強いらしいよ。」

天才って言葉が嫌いだ。

私のことなんて誰も見てない、皆が見てるのは私の才能だってことがよくわかるから。


「用意、初め」

飛んでくるだけの火の玉を水で消す。


(この子、もうすぐ死ぬな)

(水属性メイン相手に火属性メインで戦ったら負けるに決まってるでしょ)


氷柱の形をした氷を飛ばした。喉に刺さる直前まで。

氷を引っ込めると彼女は地面に崩れ落ちた。

「…勝てるわけ無いじゃんこんなん…。」


この試合はどちらかが死を覚悟したら終了、そんな単純なルールがある。

「辞め」

先生の声が訓練所内に響き渡る


結界外の新入生から歓声が聞こえる。

「…凄い。」

「氷って水と火の適性両方ある天才しか使えないよね…?」

人は生まれつき使える魔法の属性が決められている。

1つ属性を持っていれば魔法の素質があるという認定をされる。

そして2属性持ちは天才。


「水宮先輩って全属性適性あるらしいよ。」

「2属性持ちまでしか聞いたことないよ。流石にデマでしょ…」

「あの子と戦ったらどっちが勝つんだろ…」

「あの子って?」



「_そりゃ主席入学の天瀬花音ちゃんでしょ。」

「あぁ全教科入試満点で2属性持ちの?」

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