アドニスの日記 8
サフラン色の栄光のおまけ集、その1。
アドニスの日記です。
ルーヴェリアと関わっていく中で、彼がどんなことを思っていたのか、感じていたのか。
そんなことが垣間見えるおまけです。
禁書を読んで、師匠の秘密を知ってしまった。
彼女はもう、80年以上も生きていた。
それなのに姿は変わらないままで、それは魔族から呪いを受けたせいで……。
サフラニアの戦いの歴史は酷いもので、帝国との戦いが勃発していた中で魔族に侵攻されたのもあって、まともな戦力なんて用意できなかったって。
圧倒的な数の不利に、背後に退くことも許されずに戦うことを強いられて、当時の兵士達のことを思うと胸が痛い。
そして自分は死ぬことも老いることもないまま戦場に立ち続けて、周りの人はどんどん亡くなっていって、師匠はどれだけ苦しい思いをしただろう。
昔のことではあるけれど、きっと負ってしまった心の傷は癒えていないはず。
昔の戦いの話を聞かせてくれてたけど、どんな思いで語っていたのかな。
出来ることなら、その心に寄り添ってあげたいけど、禁書に書かれていることだし、そのことは師匠から聞かされてもいないから、きっと触れてはいけないんだろうな。
今、また帝国が攻めてきている。
僕に出来ることはなんだろう。
この国と、師匠のために。
いよいよ秘密を知ってしまったアドニス君。
自分たって相当なショックを受けたろうに、この子ときたらルーヴェリアや国を思いやって……
なんて、なんて真っ直ぐでいい子なんだっ!
この子がせめて、老衰で死ぬ未来がどこかにあったら良かったですね。




