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何度倒してもタイムリープして強くなって舞い戻ってくる勇者怖い  作者: 崖淵
第6部 終章

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第97話 魔王軍総司令官と勇者の飲み会

あれから、勇者――いや、元勇者か――の傷もだいぶ癒えたとの報告があった。そして勇者から一度話がしたいとの申し出があり、どうせなら飯でも食いながら話そうということになった。


目の前には、元勇者と元聖女が並んで立っている。別に聖女まで呼んだわけじゃないんだけど、こいつら本当に仲いいな。


「チンッ」

さっそくグラスに注いだワインで乾杯する。


「どうだ?だいぶよくなったと聞いているが」


「ああ、おかげさまでだいぶよくなったよ。今までロクに礼も言えてなかったからな。改めて感謝する。一騎打ちに負けたときに殺さずにいてくれて。帝国軍と停戦してくれて。そして俺たちを受け入れてくれて。」


「ハハハ、あんまり気にするな。そこの聖女から聞いただろう?我々にも利が無い訳じゃないからな。気になるなら働いて返してくれればいい。体調が戻ったら、お前と模擬戦したいやつらがわんさかいるからな。一つ二つ揉んでやってくれよ。」


「うへぇ…勇者の力が失われたときに、レベルもだいぶ下がっちゃったんだよな。まぁ、鍛え直すという意味でも一石二鳥と考えりゃいいか。」


『うむ』とうなずくと、ワインを飲みつつ目の前の肉をつつく。うむ、うまいな。


「そういえば聞きたかったんだが、毎回レベル1まで戻っていたのか?」


「ああ、そうだ。毎回召喚直後の時刻まで戻っていたって設定だったからな。で、おっさん…」


「フミヒロ、命の恩人におっさんはないでしょ。」


スパーンと元聖女マミアに頭をひっぱたかれた。


「ハハハ、別におっさんでもいいけどな。」


「閣下?んー、やっぱおっさんでいいか。おっさんだけか?巻き戻りを認識してたのは。」


「基本的にはそうだな。でも…ジンベ!『くぴくぴー♪』よしよし。

勇者に対抗するために精霊の力を借りることにしたんだ。でも普通の精霊は巻き戻りでみんな消えてしまったが、ジンベは大精霊だからなのか、巻き戻りにもついてきてくれたんだ。」


「何それ、ずっりー。」


「ハハハ、しかもそれだけじゃないぞ。ジンベは文書を持ち越せることがわかって、研究費にがっつり注ぎ込んで次回に研究成果を持ち越す事にしたからな。」


「…何それ。あまりにもチート過ぎない?」


「まぁまぁ、フミヒロ。このジンベちゃんがいなかったら、あなたの命は助かってなかったのよ?最後に魔力が尽きた私を助けてくれたんだから。」


「ぐぬぬ…はぁ。じゃあお前にもお礼を言わないとな。ジンベ、ありがとな。」


「くぴくぴー♪」


ジンベが喜びながらくるくるまわっている。

『くっ、でもかわいい』とか元勇者がつぶやいている。お前もじんべのかわいさにやられてしまうといい。

元聖女マミアにも撫でられてジンベがさらに喜んでいる。よかったな、ジンベ。


「そうだ、お前らも精霊を仲間にしにいってみるといい。もう戦いがあるわけじゃないが、いると結構楽しいぞ。」


「えっ、いいんですか?魔王軍の機密じゃないんですか!?」


ジンベを気に入っているのか、聖女がめっちゃ食いついてる。


「別に機密ではないさ。それに精霊が増えるとジンベの友達が増えるからな。そういう意味ではこちらとしても嬉しい。」


やったーと聖女が喜んでいる。

それを横目に勇者が聞いてきた。


「そういや勇者戦記を書けって言われたと思うんだが、なにを書けばいいんだ?」


「今回の勇者対魔王…ではなくて、魔王軍総司令官の戦いをお前の視点から資料として書いてほしい。魔王国にはこういう本が少ないからな。またいつの日か、勇者召喚が行われないとも限らない。後世のその時のためにせめて書物として残しておいてやりたいのさ。これは聖女にも頼んでいる。別々の視点で…まぁ、聖女も勇者の記憶視点にはなるが、またちがったものが書けるだろう。」


「んー。おっさんのことをあんまり良くは書けないかもしれないぞ?」


「あはははは、そんな忖度はいらんよ。むしろ思った通りに書いてくれ。でないと後世の参考資料にならん。」


「なら、いいけどよ。」


その後も話は続き、酒が回った勇者が聖女に絡み始め、その度にひっぱたかれていたんで、そろそろ潮時かとお開きにした。

まあ時間はいくらでもある。また何度も飲めるだろう。立場を気にせずに飲める相手はそういないからな。貴重な飲み仲間が出来てしまったな。

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― 新着の感想 ―
一気に読ませていただきました! 面白かったです! 最後に勇者をもとの世界に還すストーリーも 読んでみたいです! お疲れさまでした!
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