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第5話 第一回勇者対策会議

第19周回目1月9日 魔王城総司令部


「第一回勇者対策会議を始めたいと思います。」

まばらに起こる拍手。まぁ、参加者が総勢5名だからな。

・側近筆頭 ハキム(40)

・メイド タリアト(24)

・諜報部隊長 エルデネト(38)

・護衛隊長 ボルガン(35)

・魔王軍総司令官 アドラブル(90)

以上5名だ。

「閣下。勇者を倒しても時を巻き戻して蘇ってくる謎を解き明かし、閣下の憂いを根本から解決したいとは思っておりますが、現状何の手掛かりもないため、とりあえずは喫緊の課題である最終決戦での勝利を確実なものとする方策を考えたいと思います。」

司会進行はハキムか。


「繰り返す周回のうちで何か手がかりを見つけていくしかないな。」


「まず聞きたいんだが、レベルってのは大体の強さを表すって事でいいのか?」

熊人族で大きな身体を揺するように話す護衛隊長ボルガン。


そう。まずレベルの話。レベルとは基礎能力的なものと考えておけばいいだろう。体力があったり腕力があるからといって戦闘に強いとは限らないが、あればあるほど強いとは言えるだろう。

そして普通の者にはレベルはわからない。私が分かるのは鑑定というスキルを持っているからだ。


そして現状の把握のために、ここの参加者のレベルを挙げていく。参加者5名の名前を先程挙げたが( )内がレベルの値だな。

ん、年齢だと思った?そんな君はタリアトに殺されないように気を付けた方がいいぞ。


そして最後に前回の勇者一行のレベルがそれぞれ55であったこと、私アドラブルのレベルが90である事を告げる。


しかし、タリアトのレベルが思ったよりかなり高いな。メイドって何?って感じである。そして流石のハキム。諜報部隊長や護衛隊長よりも上だ。私の側近筆頭を名乗るだけある。


だがしかし、この場を支配するのは溜め息の嵐である。

レベルという分かり易い形で私以外の皆と勇者一行との差を改めて認識させられたからだ。


先程いったようにレベルは強さの目安で、イコール強さではない。強さとはレベルの他に剣術等の戦闘技術や装備の優劣も影響してくる。

基本的には人類側と魔王軍間における力関係は、力やスピードという基礎身体能力(≒レベル)に優れる魔物に対して技術力で対抗してくる人族という図式が成立しており、レベルが同じなら魔物より人族の方が強いのが一般的な感覚だ。(なお、一般的な魔族は魔物よりは技術があるが、人族ほど技術よりではない)

ましてや勇者一行ともなれば人族の最精鋭だ。装備も凄まじいまでの物が揃っている。勇者一行と魔王軍に属する者では、同レベルでさえ劣勢を強いられるであろう事は確実なのにレベルですら劣っているという現実を彼らは突き付けられた格好だ。


「うむむ…。」


「なお、初めて戦場に現れた勇者一行のレベルは…いくつくらいだったかな。30は無かった気がするが、当時はまだそこまで勇者一行の存在を気にかけていた訳ではないからうろ覚えだな。装備の質もそこまで圧倒的では無かった。少なくとも勇者の武器は魔族への特効となるあの忌まわしき聖剣では無かった。」


「…初参戦時の勇者一行は装備や技術込みでおよそレベル30換算程度といったところでしょうか。そこから十数回の周回でレベルを30余り、装備込みで考えると40レベル相当の強化をしてきたという事ですか。むしろ、魔族特効の聖剣を持つ勇者一行と1対4で閣下はよく勝てましたな。」


「こちらにも意地があるからな。それと戦場自体はまだまだ魔王軍が有利だ。人類側というか勇者一行は私に短期決戦を挑んで倒さねばならぬという窮屈な事情も味方したな。」


「なるほど…。方針の一つとして閣下の強化…」


「は無理だな。このレベルにまでなると色々な事を犠牲にして、レベルが1つ上がればいい方だろう。装備も流石に魔王軍では一等良いものを身に付けている。」


「となると、魔王軍側の強みである魔王軍自体の強化を図り、戦場自体をより有利にする事。それと、アドラブル様の周囲にもう少し勇者一行に抗し得る部隊を置く事。になりますかな。」


・戦場を有利にするべく魔王軍全体の強化

・勇者一行とアドラブルの直接対決でアドラブルが4対1の状況にならないようにアドラブルとともに勇者一行と戦える部隊を準備


ハキムがタリアトに命じてホワイトボードに以上の2つを書いていく。

この1年間に取り組む大きな2つの命題が決まった。


「そうすると元々決まってはいたが、ますます我らのやる事は決まったな。」

と護衛隊長ボルガン。

元々アドラブル護衛隊としてアドラブルの一番傍で共に戦っていたのだから護衛隊の強化がすなわち2つ目の命題に対する最も簡単な回答の1つになる事は確かだ。


「ですが、…その前に閣下?」


と護衛隊長ボルガン。


「何だ?」


「先の戦いでの我が護衛隊の戦いぶりはいかなるものであったでしょうか。」

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