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強制子作り

エリートドラゴン、略してエリドラの集まりが三体の女性ドラゴンと共に心優しい最強ドラゴンを囲む。

それを盗み見する翼と碧にエリドラT(エリートドラゴンのトップの意)が芳忠さん的渋い声で喋り出した。

「マドリーニ・キュプニケル・デュゲルよ」


 わおっ、エリドラTが喋った! 

 まさか自分の作ったキャラの声が聞けるとは! それにしても声シブッ!


『翼~! Tが呪文唱えたわよ~!』

「呪文じゃないよ、金色ドラゴンの名前だよ」

『えっ、その長ったらしい呪文みたいな名前やばくない~っていうかアンタ考えたの~?』

「一週間かけて考えた、でもテキストが大変なことになったから泣く泣くマドリーと呼ばせることにした」

『ぷぷ~、中二らしいドジ~!』

「うるさいんだけど、っていうかここから大事なイベント始まるんだけど」

『イベント~? どんな~?』

「マドリーは人間でいうと十歳ちょいの少年」

『うん、細身のボクちゃんで金色のふんわりショートボブが堪らないわよね~、しかも俯いたままのペタン座りなんてツボ抑えすぎ~。うへへ~、じゅるっ』


 ヨダレ拭ってキモいんだけど、ってか碧って微妙におねショタ趣味あったよな。


「マドリーはあの見た目通り内向的で優しいお子さま。大好きなのは漫画を書くこと、大嫌いなのは争うこと」

『漫画描くのが大好きとかってカワイ~、ますますおねショタ心をくすぐりそ~』


 いや、言ちゃってんだけどこの人。


「そんなマドリーだけど、皮肉な事にメチャクチャ強い。そこにいるエリドラ全員と戦っても余裕で勝っちゃう」

『心優しいのに鬼つよっ! すっご~い、あたしのおねショタ心が場外ホームラ~ン!』


 いやそこドストライクでしょ、場外飛ばされてどうすんの? 


「そんなおねショタ大好き碧さんに悲報、マドリーはこれから大変な目に遭うのです」

『え! 何? どんな目に遭うの~! っていうか別におねショタ大好きでもいいでしょ~が! アンタのTSなんかよりずっとマシでしょ~が!』

「はいはい」

『で、どんな目に遭うの~?』


 あるところにマドリーという、それはそれは強いドラゴンがいました。


『やった~、何かお話始まった~』

 

 ところがマドリーは争うのが何より嫌いでした。


『うんうん、いいコいいコ~』


 ドラゴンは他の一族と常に縄張り争いをしています。


『ドラゴンってバカね~』


 マドリーが先頭に立って戦えば、相手の一族はあっという間にフルボッコ。

 でもマドリーはエリドラ達に怒られようが叩かれようが戦うのを拒み続けました。


『ふんぬ~! エリドラ達許すまじ~!』


 今回もエリドラ達はマドリーを呼び出しました。

 当然他の一族と戦うよう強制するつもりなのです、それを拒んだマドリーが怒鳴って叩かれるのは火を見るより明らかです。


『もう我慢できない! アンタの作ったゲームでしょ~! マドリーちゃんを何とかしてよ~!』


 そこへ一人の人間が颯爽と現れました。


『え~! 誰? 誰~?』

「それは俺です」

『は~? アンタ~?』

「当然でしょ、俺が主人公なんだから。という訳でエリドラ達がマドリーを怒鳴って叩こうとしたらすかさず俺が登場する」

『も~、面倒だから今すぐ出て行きなさいよ~!』

「あのね、物事には順番ってもんがあんの。カップ焼きそばもお湯注ぐ前にソースかけたりしないでしょ」

『で、でも~、でも~』

「マドリーニ・キュプニケル・デュゲル、よく聞け」

 

 って、エリドラT喋り始めたんだけど。


「今からこの女共と子を作るのだ」


 わお!?


『ちょ、ちょ、ちょっと翼~! 今Tがとんでもないコト言わなかった~!?』

「い、言ったね確かに、そにしても……」


 マドリーと子作りしろ? ってこんなテキスト作った憶えないんだけど!


「喜べ、もうお前は当てにしない、代わりにお前の子供に戦って貰う。わかったならさっさとそこの女共と子を作れ、嫌と言うなら女共は一族から追放する」


 桁違いに強いマドリーが戦わないなら、その強さを受け継いだ子供を戦う道具にしようって訳か。

 マジ信じらんない、すっげえ腹立つんだけど。

 それにマドリーが嫌と言ったら女の人達を追放とか、そんな事をしたら力の弱い女の人達は他の一族の連中に掴まって一生奴隷。

 エリドラの奴らめー、優しいマドリーが絶対嫌と言えないような事しちゃってぇ……。


『翼~! 穢れを知らないあたしのマドリーちゃんが~、こ、子作りしちゃう~! 早く何とかしなきゃ! ね~翼~!』

「うん何とかする、あいつら全員TS決定」 

『え? ちょっ、翼? 落ち着いて~! そんなコトしたらゲームおかしくなっちゃうんじゃない~?』


 わおっ、碧の大声でエリドラ全員こっち見た。


「ふん、何かと思えばゴミが来てたか。おいエリドラA、始末しておけ」

「おう」


 エリドラAか、よしこいつからTSしてやる……いや、待てよ。


「おい、エリドラA!」

「何だゴミ、今灰にしてやるから大人しく黙ってろ」

「俺はこの世界の創造主!」

「ゴミが! 笑えん冗談をほざくな」

「なら言ってやるよ! あんたは誰も来ない洞窟の湖に自分の肉体を映して欲情してるでしょ!」


 エリドラAは一族きっての武闘派、そして筋肉マニア、それが行き過ぎて自分の筋肉に興奮、という裏設定だ。


「な!?」


 わおっ、めっちゃ慌ててる。


「お、おい、それは本当か?」


 エリドラB、それ一番言っちゃいけないヤツ。

 え、お前そんなことやってんの? アホだわー、今度俺も交ぜろよ。とか言えばよかったのに、エリートはこういうのホント苦手だよね。


「エリドラBからエリドラJ! お前らの秘密もぜーんぶ知ってるよ!」


 これは嘘、他のエリドラ達の裏設定なんて面倒臭いからやるはずない。


「他のドラゴン族にこの秘密を流されたくなければマドリーにそんな事をさせるのを止めなさい! わかった?」


 わおっ、互いの顔を見ながらオロオロしてる。

 当然と言えば当然、この恥ずかしい情報を流されたらここぞとばかりに他のドラゴン族に嘲笑されるだろうから。


「ええい! みなの者、落ち着け! 相手の記憶を読めるという魔術が存在する、この人間はその使い手に違いない」

「そうなのかエリドラT!」

「う、うむ、それにあやつからは強力な魔力は見えぬ。何も恐れることはない」

「おのれ、そんな小細工で我らを欺こうとするとは何たるゴミだ! 灰にしてくれる!」

『ちょ、翼! T達ファイアブレスしようとしてるわよ!』


 わーおっ、大人しく俺の言う事聞けばよかったのに。


「TSガンマルチプル! ほら、碧」

『ご、GO~』 

碧がTSガンになってるのは、女性を男性器に見立ててウンヌラカンンウラ、とかな意味はまったくなにのです。

二人の共同作業的意味にしたくてそうなっただけ、といいますか撃っちゃいましたね。

次回「女体化ドラゴン」に続く。


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