2.覚醒と、出会い。
日本もヘディング、練習しようぜ(*'▽')←ラグビーに納得がいかない民。
そんなわけで更新です……。
――スキル『妄想』の覚醒を承認します。
「え……?」
その時だった。
頭の中に、聞き慣れない声が響いたのは。
ボクは思わず呆気に取られるが、しかし次のそれを聞いて確信した。
――スキル『妄想』はこれより、ユニークスキル『妄想具現』へと進化します。
これはきっと『始まり』なのだ、と。
ずっと受け身だった自分から卒業して、一人の人間としてようやく旅立つため。そして、ずっと探し続けていた問いへの『答え』に他ならないのだ、と。
「『妄想具現:魔法剣』……!」
力の使い方は、分かる。
ボクは足元に転がっていた剣を拾い上げ、立ち上がった。
そしてそれを構えると、全身から今までに感じたことのない力が湧き上がる。魔法の才なんて、欠片ほどもなかった。だけどボクの力は、それすら凌駕する。
ボクには、やはり何の取柄もない。
だからこそ『妄想』するんだ。――『誰にも負けない自分』を!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ボクは駆け出して、力の限りに剣を振り上げた。
次の瞬間、剣は灼熱の炎を纏う。
そして――。
「これが、ボクだああああああああああああああああああああああ!!」
それは、まさに刹那の出来事。
火炎の剣を振り下ろすと、ドラゴンは瞬く間に焼失した。
あの大きな身体から断末魔の叫びを上げて、魔素の結晶へと還っていく。ボクはその輝きを見送って、しばし立ち尽くした後に――。
「あ、あれ……?」
思わず、またその場に尻餅をついてしまうのだった。
◆
先ほどの声の主は、いったい誰だったのだろう。
そう考えつつ、ボクは寝床として利用している安宿へ向かった。到着するとすぐ、自分に宛がわれた部屋へと移動して中に入る。
すると、
「やあ! ようやく初めまして、だね」
「え……?」
くたびれたボクを出迎えたのは、浮世離れした美しさをした少女だった。
銀色の長い髪に、妖艶な朱色をした瞳。外見の年齢自体はボクと大差ないように思われるが、纏う雰囲気には異質さを感じざるを得なかった。
細身の身体にラフな出で立ち。
そんな少女は、どうやらボクを知っているようだった。
「キミは、誰だ……?」
「あぁ、そうか。リョウヤはアタシを知らないんだよね」
その違和感に眉をひそめて訊ねると、女の子はコロコロと笑う。
そして、どこか気品を感じさせる礼をしながら名乗った。
「初めまして、リョウヤ。アタシの名前は、イービル・ゼファー」
だが、口元には不敵な笑みを浮かべながら。
「貴方をこの世界に招いた女神の一柱、だよ」――と。
面白かった
続きが気になる
更新がんばれ!
もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。
創作の励みとなります!
応援よろしくお願いします!!