プロローグ 平凡な少年の、不運の始まり。
色々試行錯誤して頑張ります(*'▽')
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『お前って、本当によく分からない奴だよな』
『可哀想だよ~! ほら、藤原くん泣いちゃうからさ~! あはは!』
学校の帰り道、クラスメイトから言われたことを思い返す。
彼らの言い方は決して、こちらを馬鹿にする意図はなかった。だけど問題は言われた内容であって、ボクは大きなため息をついてしまう。
何を考えているのか、よく分からない。
想像力が豊かといえば聞こえは良いけれど、要するはそういう意味だった。
「なにを考えているか、か……」
赤信号になったので立ち止まり、無意識のうちにそう呟く。
取り柄のないボクのような人間はそれこそ、掃いて捨てるほど世の中に転がっていた。それでもみんな、懸命に生きている。自分だってそのつもりだし、頑張っているつもりだ。
それでも、少しくらい良いじゃないか。
仮に自分の中に、他の誰も持たない力が眠っていたとして。
何かのキッカケでそれが目覚めて、大活躍するような物語を考えたとしても。どうせ何もできないのだから、そんな『妄想』くらい許してほしかった。
「ん……?」
でも、所詮は頭の中の絵空事で。
「え、あ……」
現実になんて、なりようのない夢物語で。
「ひっ……!」
ボクはなにもできないまま、ここで死んでしまうのだ。
物思いに耽っていたことによって、突っ込んでくる車から逃げられずに。
身体が宙に浮いたのが分かった。
世界が何度も回転して、全身がコンクリートに強く打ち付けられる。悲鳴が聞こえて、周囲がにわかに騒がしくなっていった。
そんな中でボクは、指先一つ動かすことができない。
結局、何の取柄もないままに息絶える。
それがボク――藤原亮也の、馬鹿らしい最期だった。
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