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第87話戦乱じゃ、戦の準備じゃ

巻き込まれるのは……。

見事、撃退して、キモ笑いさんを拉致し俺達は翌日にはネリーの元へと帰っていた。


「そうですか。素晴らしい功績です。何かご褒美をあげなくては……」

「いやいや、俺は元々戦に出る立場の人間じゃないし、いいから」


心と体、どっちも疲れていた俺は、ネリーに融通を利かせてもらって、一日だけの休みをもらった。

何かを切る感触はとても気持ち悪くて……、野菜を切っているときとは大違いだ。


「はぁ……」

「やぁ!!」

「ちょ、勇者様」

「やっほ~、すごいね君~。でも、隠し事はいけないよ?」


あぁ、めんどくさいのが来た……。


No.1


ミーネ・レイド・ウェラ 女


マイペース。

思考回路が勇者様(意味不明)。

物凄くチート、だけど白の剣を持ってないから実力半減。


コメント


「俺としては、武器を持ってないときが本当の実力の時だと思うんだ。よくあるだろ? 強い武器ゲット=チート能力ゲット  これと同じだ。それに―――」



No.2


ジャディ・ホーン・キオル 男


なよなよ。

今時なる草食系ですね。

そういえば、弓で魔物の皮膚貫いてたな……。


コメント


「いや~、外見から思えないほどの強者だな。魔法は使えないらしい。勇者パーティの中で唯一魔法が使えないということは、すごい実力の持ち主!!って、思ったけど、やっぱり予想的ちゅ―――」


No.3


ネイル・コミィ・テイミ 女


おっとり。

優秀な魔法使いですね。

いいな~、俺もこんなに魔力欲しいな~。


コメント


「魔法使いならば、誰でも尊敬する人物だ。やっぱ、生で見ると、すごい魔力だね。俺とは大違いだぜ。俺がありんこだとすると、ネイルは太陽だな。俺の弱さをわかってくれたか?なぁ、みんな―――」




いや、なんと言うか、コメントが長いな……。


「今日は元気付けようと思ってね」

「ここに居る理由はそれです。僕としても元気を出して欲しいですね」

「治癒魔法が効かない、心の傷は早めの治療が必要だよ~」


はぁ……、正直今会いたくない人ばかりだ……。


「何でいるんですか?」

「ふふふ、それは……」

「それは?」

「正式な同盟契約書にサインしにきたのだよ……」


……溜めて言うことじゃないな。


「出て行ってください。そんじゃ」


なんという早業。


だが、追い出したところで、俺の考えていることは変わらない。

感触を思い出して、吐き気が襲う。

今までは、魔法で魔物に攻撃していたので、急にこんなことになって、すごく気分が悪い。


「はぁ……、でも、やりたくないって感情はないんだよな……」


別に人を殺したいという感情があるわけじゃない。

出来る限り戦いは避けたいし、その上で平和になることを望んでいる。


コンコン


ドアがノックされる。

起きる気がしなかったので、そのまま寝ていたが、ドアが開けられる。


「あ、海弟様……お客様がお見えになっています」

「客?」


あの勇者達ならさっき来たばかりだ。

だったら、他にこの世界にいる知り合いなどいない。


「まぁ、行ってみればいいか」


そんな気分で、付いていくことにした。


「……大丈夫ですか?」


廊下でさっきのメイドに聞かれた。

一応、とりあえず、大丈夫と答え、客を優先させた。


コンコン


「失礼します。海弟様をお連れしました」


メイドは、それだけ言うと、どこかへ行ってしまう。


「遅くなってすまなかった。この世界じゃ、俺の友人はいないはずな……んだがな……。何でお前らがここにいるんだ?」

「少し、長くなってしまいますよ?それでもいいんでしたら、お話します」

「……召集された」

「まぁ、簡単に言うと、そういうことだね。死有ねぇ難しいのは頼んだよ」

「……聞こうじゃないか」





魔王に使えている三人の精鋭。

つまり、死有(しう)(ゆめ)大鋸(おおが)の三人だ。

これらを呼び、仲間に付ければ最強の部隊が出来上がる。

そう確信している、ベルグは笑いながら祭壇のようなところを上がっていく。


「……漆黒の闇よ、我が力と共に望みを叶えよ……」


古代魔術(ロストマジック)のルーン。

使える者などいないが、少しの効果向上ぐらいには役に立つ。

もしも、これが使えるのなら、あの魔王以上の才能の持ち主だ。


「ふぁ!?」

「うわっ!!」

「……」


三人が現れる。

この場にいるのが四人になった。

それだけなのに、この場の空気に含まれる魔力の濃さが十倍近く跳ね上がる。


「……お前か……なんのようだ?」

「手を貸してくれないか?お前達がいれば、勇者やあの少年を倒すことが出来る。おっと、少年の方は捕まえるんだった」

「……少年?」


ありのままを伝えるベルグ。

死有達は、見ているだけの状態になったが、警戒は忘れていない。


「あぁ、たしか……海弟だったかな?さすが、魔王だよ……クハハハ」

「……そうか。ならば、俺達は手を貸すことができない」

「!?何故だ!!」

「魔王様、最後の命令があるからです」


死有が口を挟む。

一気に、注目がそっちにいく。

そして、死有は続ける。


「その命令の内容……ご存知ですか?」

「……」

「それでは、最後の命令があったこと事態知らないようですね」


それも、そのはずだ。

これは、現世と異世界だけの移動だけだったのだ。

魔界にその情報は届かないし、知ろうとも思わないだろう。


「……」

「最後の命令、それは、もしも海弟様の警護です。あのお方は魔王様のご友人です。貴方とは格が違います」

「ク……クハハハ、そうか。あの魔王の……そういうことか……」


大鋸は、背中に備え付けてある鋸刀に手をかける。

夢は、魔力を溜め、いつでも睡眠ガスを出せるようにしている。

死有は、冷静に相手を見極めているように見える。


「友人……か、面白いことだ。お前らはあちら側につくというのだな?」

「海弟様を警護するのが私達です。他の方は口出し無用です」

「ふ、今からお前たちは裏切り者だ。それでもいいのか?」

「裏切り者はどちらですか。魔王様がいなくなった途端にこの城に居座り、領地に住む者を苦しめて……それを、魔王様が望んでらっしゃるとでも?」


『魔王は、優しすぎる』


海弟が思ったことだ。

好戦家だが、しっかりとした考えを持っていて、不正をせず、堂々としている。

それが、魔王だった。


「ベルグ……ここで、討つのもいいでしょうが、海弟様は何かの死を望んでいるわけではありません。なので、今のところはこれで引き下がります。次に会うときは戦場か……いえ、もう会うことがないかもしれません。私は、この世界に争いを持ち込んだ貴方を許しません」


それだけ言うと、霧に包まれていく、死有。

数秒送れて、大鋸達も霧に包まれていく。


「許さないね……、クハハハ、絶対的な勝利がないのなら、力でねじ伏せるだけだ」


短い期間で勝敗をつけるために、この時から覇王軍は戦争の準備に取り掛かった。





「ほぅ、ということは、ベルグとお前たちは元同僚ってことか?」

「そういうことになりますね。ですが、私達が最初に出会ったときと、雰囲気というか……全体的に変わっていたような気がしました。悪寒がします」

「もう少し、様子を見るか。……」


考え込む……。


「お前らは、ネリーの警護に当たってくれ。今だけは、ネリーの身の安全を最優先にしてくれ」

「……いいのですか?」

「ああ、今の主君だしな。勝ったら元の世界に帰るしな……」

「それまでの間……ですか……」

「頼んだ」


そう言って、俺は立ち上がる。

俺は、俺でやらなくちゃいけないことがあるのだ。


あぁ、反省してますよ。

展開が早いとかそんなのです。

そのくせ短いし……。

まぁ、ここで二話更新してしまうとすぐに終わってしまうのでしませんよ。

さ~て、三人巻き込み終了です。

……あ、ネタバレになってませんよね?

まぁ、それを裏切るのが自分なのですが……。


海弟のスランプ?をうやむやにしてやりました。

はい、皆さんの頭から削除しておいてください。

あ、でも海弟は引きずってるので何処かで出るかも知れません。

それも、次の話かも知れません。


ということで、作者の自分にも不明でした。

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