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第86話勇者と海弟

ちょっと、不祥事を起こしてしまったので、更新が遅くなりました。

すいませんでした。

理由は後書きで……

勇者の国に進軍し続け、二日目で国境を跨いだ覇王軍は四日目の朝、城門前にて槍のような陣形を組んでいた。

すぐに崩れてしまうのだが、このほうがスムーズに城の中へ入れる。


「罠が無かった……しかも、ここまで踏むこませるとは……いやはや、なめられたものですね、ホホホ」


これから戦をするというのに、白い服のままの男は紅茶を飲みながら城門を破壊するための道具が完成するのを待つ。

全く、敵の気配が無く、ここまで静かに進む戦は無いだろう。


「この国は、ベルグ様が貰い受けることになり、私、イグネア・クレイスの領地となるでしょう」


国一つ落とすのだ、それくらいの報酬があって当然だろう。

そして、二つの国から一気にネリーの国を奪う。

奪うというのは、投降させる気なのだ。

しなかったら、攻め込む。

連戦になってしまうが、それくらいなら大丈夫だ。

このイグネアという男の特技は治癒魔法。

それに特化した魔力遺伝子を取り込んだので、得意分野になったのだ。

しかし、それだけではない。

彼は、才能ではなく努力で勝負した。

結果、彼は勝者となった。

治癒の力はこの世界では稀少。

一般兵を飛ばして一気に隊長クラスになり、今では大将軍だ。

大きな戦いなどにしか出ない最高クラスの将軍。

それを彼は手にした。

そして、今度は領地を持ち、城を持ち、民を従える立場になることができるのだ。


「失礼します」

「何ですか?」


覇王軍の鎧を着た男が入ってくる。



「準備が整いました。後は魔力だけです」

「そうですか……ホホホ、これで攻略したも同然ですね、ホホホホホ」


そう言って、イグネアは立ち上がり、道具がある場所まで歩く。


ピーーーー


笛の音が鳴る。

この音は、敵が来た合図だ。


「どうなっているんですか?」

「いえ……自分にも―――」


さっきの男に聞いてもわからないといった表情になる。

だが、続きがあった。


「わかりませんが……、ただ一つだけ俺には、目的があります。……それは、あんたの拉致だ!!」


その時、兵士の姿が変わっていった……。





ふぅ、今日も暇だ……。

っていうか、軍事会議してる最中なのにこれでいいのか?

まぁ、朝飯食ってた俺が言える事でもないけど……。


「ですが、勇者軍に援軍を出さないとなると、他の民からの苦情が―――」

「姫様……私どもも心苦しいのです。ですが、今は守りを固める時ですぞ」


バカの集まりだな。

錬度の低い集団が今更守り固めたって無駄だ。

俺としては―――


「海弟様、どう思われますか?」

「決まってる、勇者と手を組み覇王とやらを倒す。それが唯一の勝機だ。それ以外に勝つ術があるとすれば―――」


手を組むといった時、一瞬空気が張り詰めたが、勝つ方法があると知ると、張り詰めた空気が元に戻る。


「お前らが一週間ぐらいで一気に俺より強くなることだ。それしかない」


当然そんな事無理だ。

この将軍と武官達の中には傭兵を元々やっている奴もいるが、今では威張り散らすだけで、何もやっていない。

だから、腕がなまっている。

俺としては、一気にここいにいる全員(俺とネリーを除く)を交代させたいぐらいだ。

勿論、指揮は影流、各隊長は人間で。

俺は、後方で補給部隊っと。

うん、これがいい。


「な、無理だ……、ですが、必ず―――」

「悪あがきってのは必ず成功するものじゃないんだよ。今のお前らじゃ弱すぎる」


カチンと来たのか、座っていた一人が立ち上がる。

あ、隣にグーダ発見。将軍だったのか。


「俺と戦ってみないか?この最鉄のガハドと」


周りがどよめく。

何で、戦わなくちゃいけないの?



そして、俺の意思を無視(ネリーめ……)


「一つ言っておくとすると、ガハドは魔族の中でもっとも防御力があります。あらゆる攻撃を弾いてしまうんですよ」


いや、笑顔で言われても……。

……ちょっと待てよ。これに勝ったら俺の意見採用?


「よし、本気で行くぞ」


ポケットに鏡が全十六種類(そのうち二つが白の剣と黒の剣)。

ちなみに、錬金術で大きな鏡を小さな鏡十六個に分けて色々な武器を入れておいたのだ。

いや、あまりにも暇だったから……。


すごい数の兵士が集まってる。

一つ言うと……いや、悲しいことなんだけど、これだけの魔族がいても、あの偵察の奴等に敵ってない……。

いや~、面白いね。

あ、そういえばグーダの部隊は強かったな。あれだけ段違いだったね。


「ふ、後悔するぞ」

「そうですか~」


適当でいいや。

俺の攻撃硬さとか関係ないし(魔力を吸い取るには『流亜』の時に触れていればOK)……。


「始め!!」


審判の人が言う。

突っ込んでくるガハドさん?


「第二『林脱』『流亜』第三『林影』」


はい、終了。

さて、この魔力どうしよう……。

あ、気絶してるし戻してあげよう。


「はい、勝ったよ?」

「しょ、勝者海弟!!」


何?

なにコレ?

何この雰囲気!!

静まりすぎだよ!!


「な、何をしたんだ!!」

「一瞬爆発的に魔力が増えたような……」

「俺は、ガハドの魔力がなくなったように感じたぞ」

「でも、一瞬のうちに戻ってたよな?」


俺の案可決。

でも、代わりがいねぇ……。


「海弟さん、勇者様と同盟を結びましょ」

「それがいいぞ」


『その必要はな~~い!!』


声が響く。

誰の声だ?

イタズラか?


「そう、私こそ勇者である、ミーネ・レイド・ウェラである。援軍の要請に参った!!」


聞いてませんぜ、姉御。

あ、白の剣返したほうが……戻してなかった……ま、まぁ、またいつかでいいよね。


「ゆ、勇者様ですか?」

「言っただろ。私が勇者だ。援軍をよこしてくれないか?今とってもピンチなんだ」

「……同盟を前提に……でよろしければ」

「うん、よろしいよ。私達から何度もお願いしてたのに……何で今更なの?」

「そ、そうなんですか?」


あ、知らなかったみたいだ。

外交官さんに天罰を。


「それより、援軍だ。援軍をよこせ!!」


な、何だこの人。

なんというか……師匠に似てる……。

あぁ、そうか。

女の人の最終地点はこれか……。(絶対違う)


「グーダの部隊を連れて行ってください」

「はいよ。……この子もいい?」

「え?俺?」


そりゃぁ、黒髪が目立つのはわかる。

この場の黒髪は、勇者と俺しかいないし。

だけど、それだけでいいの?

ダメでしょうよ。


「なんていうかな……、懐かしい雰囲気というか……うん、この子もいい?」


あれ?ちょっと待てよ。


俺=退屈


付いていくと……、うん、いいね。


「よし、護衛にはネリアを付けよう。俺は行ってくるぜ」

「転移するよ」


部隊が集まると同時に(迅速だ……)光が充満し、一瞬のうちに俺達の姿を消した。





「援軍を連れ帰ったぞ」

「すごいですね。あんなに同盟を断られていたのに……」

「ふ、ジャディ君。君は常識に捕らわれすぎさ」

「でも、苦戦したんじゃないですか~?」

「ふふふ、この子は物分りがよくかつ天才よ。そして、今から作戦を立てるわ……って言うか説明するわ」


うわ、繋がりが見つからない。


「まず、魔法使える人は城門じゃなくて、城の中に配置。弓部隊は城門上に、他は全部門を守るようにして。それでだけど―――」


何だか、嫌な予感がする……。


「誰か、敵の将軍拉致してきて」

「ブッ!!」


あ、アホだ……。

アホだこの人。

本当に勇者なのか?

いや、でも慕われてるし……。


「変装が得意な人~~」


……俺?


「はい、君ね。名前わからないけど、君ね。決定だよ。お願いだよ」

「は、はぁ……」


まぁ、誰もやらなかったらやるつもりだったしいいか……。


「じゃあ細かい作戦を言うね。まず、この子を―――」


ここから、俺達の戦いが始まった。





何だか、気持ち悪い声が響いている……。


「失礼します」


とりあえず挨拶する。


「何ですか?」


メチャクチャ声高いな……。


「準備が整いました。後は魔力だけです」


とりあえず、外で聞いたことをそのまま話す。


「そうですか……ホホホ、これで攻略したも同然ですね、ホホホホホ」


気持ち悪い……。

だが、俺の考えていることなど知らずに立ち上がり歩いていく。


ピーーーー


「どうなっているんですか?」

「いえ……自分にも―――」


とりあえず、表情を作る。

勿論、笛は本物だ。

弓矢部隊が弓矢を打ち始めたからだ。


「わかりませんが……、ただ一つだけ俺には、目的があります。……それは、あんたの拉致だ!!」


元々近い距離なのですぐに触れることができる。


「第二『流亜』第三『林影』」


吸い取った。

って言うか、魔力の量多いな……。

……いけるか?


ある程度、こいつの体の中に戻して(本体は鏡の中へ封印)使えるだけ俺の体に残す。


「『林我』…………第二『林脱』」


魔力を込めすぎて気絶しそうになったので、急いで『林脱』を付ける。

よし、出て来い。


「『鏡』」


白の剣を出す。

双剣状態の白の剣は、俺の魔力を吸ってどんどんと刃が大きくなっている。


「いくぞっ!!」


一気に、ダッシュし、一体目の腹を刺す。

その感触に吐き気がするが、我慢して、次に、また次に向かう。


「光よ……」


光の魔法を使って、遺体になった魔族ごと消す。

この、キモ笑いさんはしっかりと拉致してある。


任務完了……。

危なくなった時、急いで転移するために、魔法部隊の人は城の中だったけど、意味がなかったな。


その時、海弟はこの後の騒ぎのことを知らなかった。





「―――以上で報告は終了です」

「やはり手を組んでいたか。厄介だな。あの少年も力を付けつつある……」


戦に負けたことを知ったベルグは、特に驚いた様子もなく言う。

完全に興味は、海弟に向かっている。


「魔王の手下……確か精鋭に三人いたな……召集をかけてみるか」


ここから、海弟達を巻き込んだ大きな戦いが始まる……。


はい。

理由ですが、のぼせました。

はい、風呂に入りすぎです。


では、何時間入っていたのかというと……約10分です。


……あ、待って。

くだらないとか言わないで!!

続きがありますから。



その時、メチャクチャ視界がグルグルしてたんですよね。

吐きましたよ?

そして、思ったことがあります。


『初めて人を殺した兵士もこんな感覚なのかな……』


しみじみ言ってますが、やってる行動は風呂に入るだけです。

まぁ、貴重な体験ということでよしとしましょうかね。



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