第83話敵の布石と世界の知識
コメディーがちょっと入りました……。
「ふぁああ~」
嫌な夢を見た。
ネリアが三人居て追い掛け回された夢だ。
しかも、攻撃しても無効化された。
「では、出発だ」
「そういえば、お前んとこの大将ってどんな奴なんだ?」
「えぇ~っと……」
「何だ、露骨に目を逸らすな」
まるで、才能が無い無能な指揮官だけど、何故か支持率は高いバカな奴みたいじゃないか。
「色々考えていると思うが、もっとも最悪なパターンだ」
「というと?」
「責任者という立場を一人の少女が押し付けられている」
「簡潔に言ったね。よし、今から覇王軍に亡命しよう」
「ま、待て!!」
「何だ?」
「いや……その……、ネリー様は平和を望んでる。だから、その……うまくは伝えられんが……手伝ってほしい」
「う~ん、だったら、人間の軍と手を組めば?」
「それは……」
「どうした?」
関係ないが、この廃墟……臭い……。
「武官、文官共にそれは反対しているんだ。意地やプライドの為……と」
「なら、何で俺は?」
「……」
今、俺の中を最悪の予想が過ぎった。
……俺……いつ人やめたのかな?
いや、まだ戻れるよね?
きっと、勇者より弱い。そうさ、勇者が人間なら俺も人間さ。
「そういえば、お前の地位は何だ?将軍には見えないが……」
「私か?私はただの一般兵だ」
「……HAHAHA嘘を付いたって無駄だぜ」
一般兵がこんなことするわけないだろ?
それに、前線でて拳で戦う兵士なんて聞いたこと無いぜ。
ということで、嘘だ。
「嘘ではない。これを見ろ」
地図を広げるネリア。
塵も積もれば山となる。
それを吹き飛ばしたら、目に入る……。
「痛い……」
「大丈夫か?」
大丈夫さ、俺には第三の心の目があるのさ。
使用方法がわからないがな!!
「大丈夫そうだな。説明を始めるぞ」
「あ、あぁ」
こんな罠が仕掛けられているとは……さすがの俺も気づかなかったぜ……。
「この右端。ここが今私達が居る国だ」
「名前は……読めないな」
「字が違うからな。今度教えよう。次だ。そこから南に下ったところにあるのが我々の本拠地であるネリー様が収めている国だ」
「中々の広さだな。だが、この中で一番でかいのは―――」
「人間の国だな。魔族に対しての魔法が使えるからな。まぁ、とある剣がないと扱えないらしいが、勇者の存在は大きい。その剣なしである程度まで使いこなせているからな」
「そういうことか。で、最終的な目標は?」
「……天下統一……というところだな……」
「ん、なら、目標の変更。新たな目標は世界平和で」
「何を言ってるんだ。無理に決まってるだろう」
「天下なんぞ統一しなくても平和な時代は来る。絶対的な平和とは言わないが、できるものはできるんだ」
「……あくまで、心がけているだけにしろ。お偉いさんの前で言ってみろ。死ぬぞ?」
「俺には逃げる手段が100個用意されている」
そのうち使用可能は1つだけだ。
「……それならいい。では、向こうも出発したようだからな、行くぞ」
「距離から計るに、三日ぐらいか?」
「そうだな」
「はぁ……冬に野宿はさけたいんだけどな……」
「ドラゴンに乗っていくか?」
「……遠慮しておきます」
だってドラゴンだよ?
空を飛ぶんだよ?
吐くよ?
「……面倒だな」
「どうしたんだ?」
「いや、今回……遠征だけが目的じゃないかもしれん」
「どういう意味だ?」
「いや、思い過ごしかも知れない。確信が無いことを話して錯乱されても困るからな」
「……まぁ、いいや。んじゃ行こうか」
俺達は、廃墟のような屋敷から出て、騎士達が並びながら歩いている場所の少し後ろから付いて行った。
☆
その日の午後。
周辺の町にて……。
「これで完了か?」
「はい、ですが隊長。これは何に使うんですか?」
「聞かされてないな……、まぁ必要なことなのだろう」
兵士の一人が、何かの種のような物を持って、聞くが隊長の男はわからないという表情をしながら答える。
「そういえば、この前自分妖精を見ましたよ」
「妖精?」
「はい。あの噂は本当なんですかね?」
「妖精王の亡命か?」
「はい」
「俺は、亡命じゃなく、ベルグ様と契約していると予想しているんだが……」
「ありえませんよ。魔族と契約する妖精なんて居るはずありません。だって―――」
「それが、本当とは限らないだろ?」
妖精と魔族の関係を口にしようとした兵士を隊長が止める。
だが、兵士は興奮しているようで、目に力がみなぎっている。
「でも、妖精王がこちら側についてくれれば絶対に勝てますよ」
「そうだな。ということは、この種は何かの布石か?」
「そうかも知れませんね」
このことは、海弟達に知られることが無く、事態は進んでいく……。
伏線、伏線~~♪
ネタバレ厳禁!!
大量の伏線を用意いたしております。
まぁ、全部使われるかは不明ですが……。
それにしても、暇ですね……。
アイディアあるのに書きたくないという……。
まぁ、書いてますけどね。
最近、長くしてみました。
携帯から読んでいる人がもしいれば、すいません。
区切りのいいところまで書きたいんですよね。
まぁ、後書きを読んでいるか否かの問題もありますがね……。
次回は、戦闘シーン&海弟の主君に当たる人物が出てきます。
あ、戦闘シーンの方は軽めです。
それと、アンケート継続中~。
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