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第82話魔界にようこそ海弟君

海弟の『鏡』で、自分の分身が作れるか?という質問がありました。

ということで、この話の中に答えがあります。


俺は、あの雰囲気から抜け出して、逃げる。

勿論、あの紫の魔族(混ぜた!?)のところへ逃げる。


「……置いていかれて散々でした……」

「HAHAHA悪かった。非礼は詫びよう。では、魔界へ行くぞ!!」


すると、目を見開いてこっちに迫ってくる。

意外に美形?

いや、今考えることじゃないな……。


「本当ですか?本当に本当の本当ですか?」

「ま、まぁ、そうだけど……」


もう、何言ってるかわからないよ。

笑えない状態ってことことか!?


「待ってください、あそこにいないとお兄ちゃんに怒られちゃうよ?」

「ダメですね。だって、あそこには魔族がいますし……」


おぅ、聞きなれた声だ。

って言うか、あの二人か。

いや、その前に死有達見つかったのか。

あぁ、魔族の性別聞くの忘れてた。


「そういえば、魔族って何だ?」


って言うか、明確な答えを持っている奴はいるのか?


「魔族というのは、魔力遺伝子を持った魔物のことです。魔力遺伝子とは、人間が行う試練である魔法使いたちの試練(マジシャンズオーディール)無しで魔法を使えることができる物です。ですが、それは人間には毒となる物で、取り込んだ瞬間に死ぬでしょう。魔族の耐性があるからこそ耐えられる物なのです。神という種族も存在は仮説がいくつも存在しますが、魔法については魔族と同じで、魔力遺伝子を取り込んでいるというのが一致されています。話を戻しますが、魔族は人間が本来使うであろう感情を封印された生物です。ですが、これは一段階。感情を持ち始めるところから魔族というのは始まるのです。魔族は一種の気高き戦士と言っても過言ではありません。ですが、戦士であって騎士ではありません。不意を衝いたり、多勢に無勢で戦ったりとこのような手段を考え、実行し始めるのです。それが―――」



よくわかる解説


神とは違って、負の感情を重点的に思考回路の中に詰め込まれた化け物。

魔法が使えるのは、魔力遺伝子という何だかわからない物体を取り込むかららしい。


「っていうか、神って仮説なの!?お前、仮説の生き物か!!」


自分で言ってる意味がわからない。


「いえ、私は神ですよ?嘘は付きません。ましてや、頼みごとをしている相手にするなんて失礼です」

「……そうだな……」


魔族の皆やったぜ。

今ここに仮説を実証する神様が現れたぞ。


「では、行きましょうか」

「ちょっと待て、吉はこの世界……いや、元居た世界に帰ってろ」

「な、何でですか?」


記憶喪失という点からも、幼いという点からも、魔界なんてところに行ったら真っ先に狙われるに決まっている。

だったら、安全なところにいたほうがいい。


「で、でも……、他に知っている人なんて何処にもいません。だから、付いて行きたいんです!!」


な、何て大人びた子なんだ。

一瞬頷きかけてしまった……。


「じゃぁ、影流のところに行って来い。『鏡』」

「え?」


吉は事態がわからないまま影流のところへ。

アディオス。


「それじゃ、三人となります」

「いや、お前も帰れ」

「な、そうか、そんなにこの人と二人きりがいいのか!!」

「いや、魔族の前で神とか言いそうだから」


危険物は持ち込んじゃダメってどっかで聞いたことがあるよ。

銀行だったかな?いや飛行機の中かな?

どっちにしても、いけないんだけどね。


「という訳で、アディオス」


自称神様の地味は事態が(略。


「いいのか?」

「あれを連れて行っていいと思うのか?」

「いや、思わないな。向こうじゃ妖精というだけで狙われるからな」

「そうなのか?」

「ああ、そういえば、前に妖精王とやらが次期魔王候補のアギッシュだったかに亡命していたな……、もしや契約などされていたら厄介だ……」


えっと、凡人魔力の俺は、ふぇーとの契約&妖精の魔力でかなりレベルアップしている。

まぁ、そういうドーピングもしているのだが、隣にいるこいつには勝てなかった。

というか、俺の完敗だ。

腕を一本斬っただけじゃ、とある大魔王のように緑色の液体を流しながら再生するだろう。


「ここで、聞いておくが、名前は?」

「そういえば、言ってなかったな。私はネリアという。よろしく頼む」

「俺は……わかるか?」

「あぁ、人間と呼ぶのも他人行儀だしな。海弟……で合っているか?」


人間とか、他人行儀以前に、人類全体だからね。

まぁ、そのなかの一人ではあるんだけどさ、違うでしょ?


「ん、じゃあ行くかネリア……で、どうやって行くんだ?」

「簡単だ、いや、人間には出来ないか。魔法を使うんだ。次元を移動できる魔法というのが魔族のなかで使われていてな。このような大規模な戦争の前には妖精を捕まえたりするのに世界を移動する必要があるから、一般的な魔法になっているんだ」

「……俺の長年の苦労が……」


いや、実質的には一ヶ月ぐらいだけどね……。


「行きましょうか」


なにやら、詠唱しはじめる。

そういえば、俺達が召喚された時の詠唱時間は丸々一日だって聞いたな。

ということは、そのくらい掛かるのか?


「出来たぞ」


あぁ、魔族を人間の尺度で測っちゃいけないのか。

うん、よくわかった。


目の前には、黒色の穴があり、ギリギリ一人入れるぐらいの大きさだった。

そこから、出ている濃密な魔力に俺は倒れそうになるが、何とか踏ん張り中を覗いてみる。


「黒いな」

「あくまで、移動方法だからな。お前たちの世界でいう……自動車というところか」


海弟ノート ファイル1


『魔族は博学』


「そんじゃ、入ろうか」

「ああ」


俺達は、穴の中に入る。


ビュッ


え?


上を見上げれば紫色の空。

下を見れば、大きな大陸。


つまり、ここは空。


「く、なんということだ。これじゃあ、死んでしまう」


気圧とか、色々あるのよ。

まぁ、今回は、特に今回は、吐き気って言うのが一番の理由だけど。


「あぁ、僕、ここで死ぬんだ……」

「バカなことを言ってないで、手を掴んでください」


俺に差し出される救いの手。

それは、俺を地面に向かって突き落とした。

いや、ネリア自信も落ちている。


……考えろ。

反射でいけるか?

いや、重力反射したら空飛んじゃうし……。

おぉ、ナイスアイディア。

って、違う。


「まぁ……落ちよう」


諦めも肝心だよね?


「☆▽○※――ドラゴン」


何語なんでしょうか?

でも、ドラゴンって聞こえたよ?


『グギャィイイ』

「グッバイ……」


その日、俺は心から涙した……。





……目が霞んで……。


「う、ゲロリ」


……ど、どどどどおどおお、ドラゴン!!


「くそがぁああ!!ドラゴン風情があぁああ!!」


俺は、ドラゴンなんかにまけねぇえ!!


「笑止……」


ネリアの拳が俺の鳩尾に……。


「く……」


そして、そのまま俺は意識を失った。(part2)





気がつけば、そこは牢獄で……。


「え!!ちょ、ここどこ?」

「気がついたか……」


え?え?ちょ、落ち着け。

落ち着け俺。


状況確認だ。


四方八方全部真っ暗。

はい、結界にでも閉じ込められましたね。


「……ここどこ?」

「闇使いの覇王が作り出した結界……というところだ」

「闇使い?」

「あぁ、言っただろ?戦争だ。ここでは、三つの軍勢に別れて戦っているんだ。一つは、今言った、闇の覇王ベルグ・ロンズの軍。二つ目は、この世界の魔族の民が立ち上がった軍勢。指揮官の名をネリー・コストンという。私はそれに族している。もう一つはこの世界にいる人間の軍。指揮官の名をミーネ・レイド・ウェラと言ったか……、お前達の世界では勇者といわれている人物だ。これが三つの勢力だ」

「……こっちにいるのか?」

「何がだ?」

「その、勇者様だよ」

「あぁ、確かにいるぞ。何でも神よりの使いで、不老不死だとか……異様な雰囲気を纏っていて、私は好かないな……」

「俺は人間だぞ?」

「お前も、近い匂いをしているが、心地よいものだ。まぁ、お前には、ネリー様の為に戦ってもらうんだ。他の大将のことなど覚えなくともよい。お前も起きたことだし、出るぞ」

「……待ってくれ」

「何だ?」

「どうせだ、人形でも置いていかないか?」

「……何か策があるのか?」

「あぁ」


海弟は、魔力を溜め、一気に放出する。

それは、鏡の形になっていった……。




「クフフ、まさか、あのネリアがこんなにも簡単に捕まるとは……」

「何か、裏があるのかもしれん。結界の内部に異常はないか?」

「はい、ですが、魔力の残留を感知したとのことです」


闇は、侵食するのみで、感知の能力など持ち合わせていない。

結界を張るのであれば、こういった能力は必須となるが、闇使いの特性は侵食。感知の能力は持ち合わせていなかった。

これが、海弟達を逃がす要因となったのだが……。


「ふ、魔法で打ち破ろうとでもしたか……無駄なことだ。ネリアでないとすると、あの少年か」

「全く、無知ですな……。ホホホ、それでは、処刑とでも行きましょうか」

「俺は、ここで見ている。行ってこい」

「たまには、外に出たほうがよろしいのでは?」

「五月蠅い、行け」

「ホホホ、お気を悪くしたのなら謝ります。それでは、行って参りましょうか」


白い服装の男が、走っていく。

手には、柄の悪いナイフを持っている。


「これで、あの民ばかりの軍は潰したも同然か……」


この覇王は、あの裏切り者のことを考える。


「ふ、忘れよう。ネリア……これで最後だ」


かつての戦友に向けての最後の言葉を送った。

だが、それは一瞬のもので、勘違いでしかなかった。


ダンダン


「何だ?」

「そ、それが!!」


兵士の一人が入ってくる。


「捕らえられているはずの二人に逃げられてしまいました!!」

「な、見張っていた者からはそんな報告はないぞ!!」


となると、魔力を使っての転移になるが、闇の能力の侵食で、次元の穴など一瞬にして侵食されてしまう。

だったら、なんだ……。

考えを巡らす覇王。


「……あの少年か……」


やっとのことで、海弟の存在に気づく。


「まさか、あんな小さい少年にやられるとは……、ふ、興味が沸いた。我が家臣にしたいものだ」


焦りなど、一切感じさせずに、そういう。


「そこの、国中に二人を指名手配しろ!!」

「は、はい!!」


だが、それも無駄になる。

何故なら、海弟は変装の名人だから……。




「成功だな」

「ですが、早く逃げないと捕まりますよ?」

「だからだ」


俺がやったのは二つ。

鏡を出して、姿形をコピーする。

同じ姿でだそうとしたが、鏡が能力を吸収しただけだったので不安だったが、何とか成功したようだ。

結界が解かれると同時に、消えるように設定してあるので、これで、一瞬にして転移したと思うだろう。

だが、実際にはこんなに近くにいるのだ。


そして、二つ目は、『鏡』を使って、姿の変化。

これで、二人はこの城の一般兵の服装になっているので、見つかる心配もない。

このまま、あのネリーって奴のところに遠征軍を出すだろうから、そこに混じって付いて行けばいい。安全も保障されて、食料が尽きる心配もない。

これならば、旅行気分で一気に自分の仲間のところへいける。

一つ問題があるとすれば、バレた時のことだ。

だから、俺達は外へ出たら、他の人間の服装などを見て、一般人に化け、遠征軍の後ろから付いていくことになる。

食料は持参になるが、安全ならそれでいい。

それに、手鏡を持って、色々な店を回ればそれだけで食べ物が手に入れられる。

だって、コピーすればいいのだから。


「よし、外に出るぞ」


ばれないように、裏門から出る。

兵士がいたが、何とかかわすことが出来た。

いや、実際にはネリアが気絶させたのだけど……。


「え~っと、こんな感じか?」


海弟は、しっかりした鉄製の鎧姿から、布で出来た安っぽい服装になる。

ネリアも、そんな感じになって、二人は店を回ることにした。


「お前はすごいな」

「俺じゃなくて、この魔法だな。もし違う奴が持ってたら同じように使ってたさ」

「悪用する場合だってあるんだぞ?」

「……それは否定できないな」


絶対とは言い切れないが、そういうこともあるということだ。


「と、このくらいでいいか……」

「どうした?疲れているように見えるが?」

「あぁ、ここの魔力は濃いからな……」


向こうの世界では、全く密度の無いスッカスカな空気だったのに、こっちに来てから一気に魔力のこもった空気になってしまった。

これじゃぁ、『風星』が使えない。だが、これで海弟の魔力がなくなる事がなくなったが……。


「今日は休もう。知人の家……いや、空き家とでも言っておこうか。そこで休もう」

「ほぅ、間諜の拠点にでもしてるってことか」

「まぁ、そういうことだな。今は誰もいなかったはずだ」

「よし、今、一つ聞いていいか?」

「何だ?」


前から、疑問だったんだが……。


「お前って性別なに?」

「……それは、私が男に見えるということか?」


わかったこと。


その1


ネリアの性別は女


その2


ツルペッタン



「可愛そうだな」

「……殺す」

「まぁ、待て。明日は朝早く出発だろ?」

「……仕方がない。次の機会に殺らせてもらうとする」


字が違う……。


その夜、海弟は悪夢を見たという……。

それが夢ということは……ふふふ。


A.分身は作れないけど、鏡に自分の魔力と同じだけの魔力を持たせることが出来る。



一つ注意なのですが、この時鏡に付けられた魔力で魔法は発動できません。

する場合は、鏡を出してから魔力を鏡に付けるという形でないとダメです。


……簡単に説明すると、魔力のみコピー可能で、他は無理。この鏡では魔法発動不可、ということです。


何だか、わかりにくいですね……。

もうちょっと、模写がうまくなれば……。


はい、それが今年の目標ということで。

皆さん、新年おめでとうございます。(無理矢理!?)

今年も、よろしくお願いしますね~。



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