第6話魔法上達への道~その2~
魔法上達への道の後に番外編やればよかった…。
「うはっ」
「ちょ、ただの転移なのに魔力使いすぎです」
どうやら俺は、コップ1杯の魔力でいいのにをバケツ1杯分の魔力をいれていたらしい。
いや、疲れるねホント。
「これくらい魔法使いなら常識ですよ」
「俺は、なったばかりなんだ」
「えっ!?普通、魔法使いは小さいころから魔法が使えますよ」
ヘレンの話では、普通だったら生まれたころに試練を受けているので、小さいころから魔法が使えるという、極一般的らしい&普通な知識を教えてくれた。
俺は、アホでもバカでもないが1回言われて覚えれないという奴なのでもう1度説明してもらうことになるかもしれない。
「ちょい、ここどこ?」
「これみてください」
そこには、地図がある。だが、肝心の道のりが書いてない。
「線がないな」
「そうです。転移部分から、行きたいところまで線で書くんです。そうすれば転移できるんです」
嗚呼、そうかそうか、俺もおかしいと思ったんだよ。橋のない川を渡ったり、森の中を突っ切ったり、最後にはがけまで上れとか。
「魔法道具を持ってるのに使い方を知らないなんて」
「いや、魔法道具ってのは初耳だな、魔法剣しか知らないぞ」
「魔法剣も魔法道具の1つですよ」
魔法道具の説明を受けた俺は、1つ思った。
「何で、そんな効果がでるんだ?」
「そっからですか…」
そして、また小1時間講座。
「嗚呼~、想像力とか言ってたな」
「基本ですよ」
それが覚えれないのが俺なんです。
ちなみに、聞いたのは2種類の方法で、
1つ目が、消耗品だ。
使うとなくなる、それの代表が魔力石で持っている者の魔力を回復してくれるが、一定数使い切ると色を失って白色になる。
まぁ、消耗品は自然にできたものとか、未熟な魔法使いが魔法補助を掛けた物のことを言うらしい。
掛け方は、魔力をそのまま入れるやり方で単純だ。
2つ目は、耐久品で壊れにくいものだ。
絶対に壊れないものは無いそうで、耐久力があるものが2つ目だ。
これは、一流の魔法使いじゃないと無理で、術式を魔力をつけたいものに刻み自分の魔力を出来るだけ外に出す。
出し終わった後に、同じ術式を自分の体に刻む。刻むといっても、ナイフとかで刻むんじゃなくて書くだけでいい。
なぜ空っぽにするのかというと、1度対象と同じだけの魔力にならないといけないのだ。未熟なものがやると下手すると死んでしまう可能性だってある。
術式を刻むことで魔力を供給するのが2つ目だ。書くと消えてしまうことがあるので風呂に入らないものもいるが、専用に取り外しできる装備なども売っているのでそれを買うものもいる。
まぁここでは、魔法道具は貴重で高いとだけ言っておこう。
「なぁ」
「なに?」
「魔法使いってすごいな」
「今気づいたの」
「いや、改めて感じた」
「ああ、後ね……」
ここからまた講義再開。今回は歩きながらだ。
召喚魔法は、他の魔法と違って魔力そのものを出して想像する。
そして、そのものを呼ぶらしい。
大抵は1人に1匹しか呼べないらしい。
同時に2匹呼ぶと、イメージが片寄って魔力がいかないほうが出てしまう。
そうすると、多い魔力をもつ者、つまり自分自身に襲い掛かるらしい。
俺が考えるに、俺達は3人で召喚された。それは偶然で、想像したのは異界の人間という部分だけだ。
なので3人召喚することができ、なおかつ1人は(俺は)魔力を持つものがいるので負担が減っているということだろう。
ならば、召喚のさいに使った、魔力が尽きれば俺達は元の世界に帰ることができる。ということになる。
「1つ質問」
「なんでしょう」
「転移術って異世界を飛べるの?」
またまた講座開始。
転移術は基本、イメージで出来てしまうらしい。だが、魔力の量が少ないとその分はっきりとイメージしなくてはいけなくて、多いとその分もやが掛かっていてもできるという。
まぁ難しいので、転移用魔方陣を使うことがほとんどらしい。
転移用魔方陣は、魔術協会から無料で提供されているので魔法使いなら誰でも利用できる。
ただ、それ以外の人は魔力がないので利用できない。
本題に入るが、異世界からこちらの世界に来る場合 (異世界があることは発見済み)、ヘレンの持論ではこの世界に自然に存在する魔力があるのでそれをたどればくることが可能らしい。
実際にはできないのでわからないらしいが、海弟は魔力は自分自身が持っていると教えられたので安心した。たぶん向こうに戻っても戻ってこれるだろう。
その場合、魔法が上達すれば元の世界にもはやく帰れることになる。
魔力さえ供給されれば海弟たちは、こっちの世界に居続ける事になるので帰る目処が立ったのはうれしい。
だが、向こうに戻るにはそれだけの魔力がないといけないので、補助がある転移も満足にできない海弟はまだまだ修行が必要だろう。
話し込んでいるうちに着いたようだ。
「一軒家とは、魔法使いは変人ばかりなのか?」
ここは、森の外れにあるので、町からは1kmほどある。
「魔法の力は便利だからね。ましてや弟子とるほど魔力がある人なら頼られて当たり前だよ。まぁ弟子を取る分、それだけ魔法に対する思いがあるって事だけど」
「だからって、遠いだろ」
「魔法があれば狩りだってできるし火も魔法で、それに川も近くにあったよ」
そういわれてみればあったような気がする。
「サバイバルな魔法使いだな」
「肉体的には魔法使いは弱いんだよ」
悲しそうに言うが、誰だったかな魔法戦士になるとか言ってたのは。
まぁ、これで帰ることができるなら万々歳なのでドアをノックしてみる。
コンコン
……
シーン
「いない?」
「みたいだな」
「こっちだ」
「「うわっ」」
「そんなに驚くな」
そこには、20歳くらいの若い女性がいる。
強そうに見えないが、大きさで魔力は決まらないので本当は強いのかもしれない。
だが、それ以上に気になるのが耳だ。
いや、ちょっと人間にしては耳が長すぎる気がしやせんか?
横を見ると、ヘレンは同じように驚いているのか固まっている。
「ん?魔力を感じるな。マエティーに言われてきたのか?」
「え?嗚呼、そうなんですけど、え~と耳が~~」
「嗚呼、思っているとおり、私はエルフだ」
まぁ、ドワーフの友人がエルフなのは問題じゃないけどさ。
ファンタジーの世界に入れていない海弟であった。
「まぁ家に入ってくれ」
まだ固まっているヘレンを押しながらエルフのお姉さんが言う。
だが、今海弟はそれどころじゃなかった。白髪のおじいさんとか出てくると思っていたので、この美人2人の中に入る勇気をかき集めているのだ。
「よし!!」
かき集めた勇気で何とか耐えている海弟がそこにいる。
エルフ~。エルフ~~。
姉御なエルフ。こいつに出会ったらちょっと殴り……注意したい人物ですね。とりあえず、実年齢は明かせません。
かき集めた勇気~。それを打ち砕くのは誰~?