第71話死を指す魂と神の名を語る妖精
何か、内容がアレなのに題名がカッコいい……。
「イツツ」
俺が目を覚ますと、そこは白い空間だった。
ただただ、白が続いている。
それ以外の色があるのは俺だけだ。
「あらま、奥さん。ここはどこかしらね?」
……誰も突っ込んでくれない……。
「まぁ、いい。ここは何処なんだ?」
なんだろう。視界がぼやけて……。
「こんにちわー!!」
「……幻聴が聞こえるー」
「って、無視しないでよ!!」
誰、この子?
俺の妄想が産んだ子とか言わないでよ?
ちょっと、ありそうで恐いから。
あ、だからって、俺がいつも妄想とかしてるって思わないでね?
俺は寝てるとき意外は、ほとんどお菓子を食べることしか考えてないから。
あ、考えてたら、兄さんのクッキーが食べたくなってきた。
ということは、もしやお菓子の精霊?
「私は、お菓子の精霊なんかじゃないもん!!」
「……セクシャルハラスメント行為で訴えます!」
「ここに、裁判なんてものはないよ?」
「クッ、抜かった……」
「合っても、無理だと思うけど……」
そりゃ~、こいつが勝手に心を読んできますなんて言っても信じてもらえないだろうよ?
でもさ、ちょっとくらいいいじゃ―――
「言い訳はダメですよ?それと、私は神様なのです」
「イェーイ、パフパフ」
「……信じてませんね?」
ふ、こいつの格好を見ればわかるだろ?
黒色のワンピース。
下着……見えない……。
黒髪、黒目。
ほら、こいつは……忍者?
「黒いところしか合ってません……」
「え~っと、あぁ、悪魔だ。悪魔」
「違います!!私は……えっとー……、何でしたっけ?」
「悪魔だ」
「そうです!!あく―――って、違います!!神様です!!」
「騙そうたってそうはいかないぞ!!」
「こんなわかりやすい嘘を付く悪魔なんていると思うんですか!!」
「……い……い……いな……いる!!」
「すごく、頷けるのに、意地だけで言わないでください!!」
パリリ……パキッ
僕が、嘘を付いているとでも?
え、一人称が変わってる?
そんな昔のことは忘れたよ。
「最低です……」
「で、ここどこ?」
「私を神様だと認めたら教えてあ―――」
「神様、教えてー」
「……貴方に、プライドというものは無いんですか?」
「さっき、砕けた」
「あの音は、砕けた時の音だったんですか!?」
「正確には、砕けて散ったね」
「修復不能ということですか……」
「残念ながら、再生も不能だ。一から作るしかない」
「いえ、貴方にプライドがあっても意味が無いのでそのままでいいです」
「……いいや、いいや、俺は強いんだ。負けないんだ……」
「いじけちゃいました……、それでは、話を始めます」
「はいっ」
「プラ―――」
「そんなもの、無いさ!!そう、必要ないのさ」
「まだ、言ってません。ここは……そうですね……。お仕置き部屋?」
「そうか、失礼した。そこまで脳が腐っていたとは。こんな話をしている場合じゃないな」
「違います!!わかってませんねー。貴方が、世界のバランスを崩したからここにいるんですよ?」
「んなこと言ったら、ここには魔王と勇者でいっぱいじゃねぇか!!」
「まぁ、どっちも世界のバランスを崩しますが……今、重要なのはあなたです!!」
「あぁあ!!俺のプライドを踏みつけるとは……」
「通りで、さっきから足の下が……って、違います!!処刑です!!」
おっと、でかいお兄さんが二人出てきちゃったよ?
魔法は……魔力が無いから無理だね。
武装は……あれ、うちの高校の制服?
って、これじゃ戦えない!!
「神をなめないことですね」
「ふ、甘いな」
抜かったな!!
ここに、手鏡が……って、割れてる!!
さっきの音の本当の正体はこっち!?
あれ、俺のプライドは?
「貴方は、あの世界に居てはいけない存在まで成長してしまいました」
「おいおい、一回目は厳重注意だろ?何を言ってるんだい少女よ」
「ふざけないでください!!」
「無理です」
いや~、こんな展開のときに一回だけ言ってみたかった。
神様はわかってるねぇ~。
「……こっちに来てください」
「お兄さん達……睨まないで」
殺気ってさ、武器になると思わない?
恐すぎて動けない。
こんな場合は……。
「こないつもりですか……」
え、ちょっと、待って!!
動けないんじゃなくて!!
恐すぎてって!!お兄さん満面の笑み。
逆に気持ち悪い。
あ、動けるようになった。
「うぐ、ゲロ……」
「何をやってるんですか!!」
アレが、神様の切り札か……。
強すぎる!!
アレは神様だ!!
「あのですね。って、アレって何ですか!?何があったんですか?」
「ゴメン、俺はもう無理だ……」
「ちょ、どうしたんですか!!」
ダメだ、体が持たない。
ふ、有意義な人生だったぜ……。
………
………
……
…
あれ?
死なない……。
「何をやってるんですか?」
「……あははは」
「えっと、二人は下がっていていいです。話は二人でします」
「で―――」
「口答えは許しません」
「「はいっ!!」」
おぉ、お兄さん達の顔が筋肉で……、ダメだ。
もう一回逝きそう……。
「海弟さん……海弟さん!!」
「おぉ、天使が見える」
「天使ではなく、神です。神様です」
「おっと、ここはどこだ?」
「ふざけてますね?」
「はい」
「では、少しお話をしましょう」
「先生質問です」
「何ですか?」
「俺は、どうなったんですか?」
「そうですね……貴方が妖精王と対峙した時のことは覚えていますか?」
戦った時のことか?
あ~っと……覚えてない……。
「ダメな、人ですね……、何でこんな人が……」
「それは、神より告げられし真実」
「私は、こんな人に真実を告げた覚えはありません」
「んじゃあ、二億年前から決まっていた運命」
「それなら、私は貴方を見つけた瞬間に文字通り消しています」
「……嘘……でしょ?」
「神様は嘘を付きません」
「おぅ、殺される!!」
「もういいです。殺しはしません。それに、貴方はもう”死んでいますから”」
え……。
死んでいる?
嘘……じゃないの?
「だから、生き返らせます。理由を話すのにどれだけ時間が掛かってるんですか……」
「生き返れるの!?」
いいことをすると生き返れるんだな……。
「世界の為に動くなら……ですけどね」
「何を言ってるんだい。俺は自由なのさ」
「……取り消―――」
「HAHAHA、忠誠を誓おう」
「そんなに辛い仕事はありませんよ。そうですね……一番軽い仕事でビックバンを起こすとかでしょうか……」
「無理です」
「はぁ……わかってませんね」
「はい、わかってません」
「今から説明します。よく覚えてくださいね」
「何度聞くかわからないけど、覚えます」
「……できれば一度で覚えてくれるとありがたいです」
無理だってことくらいわかるくせに~。
そこで、俺にとっては衝撃の事実を知ることになる。
シリアスなのにコメディー成分多め。
アンケートは尊重するのですよ~。
まぁ、この話のせいでシリアスが一気に崩壊しましたが……。
さぁ~て、最終決戦?も近いぞ。
って言うか、敵とかいるの?
……平和が一番ですよね。