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500ユニーク突破記念特別話『ファンの修行日々』

コメディー…。コメディーはどこへ行ったんだ!!

と、言うのはこれがまじめな話だからです。


実は、後々重要になってきます。

私は目の前に見える光景に絶句している。

両親は殺されてしまった。

憎い、憎い、憎い。

相手も憎いがそれ以上に何もできない自分が憎い。

私は魔法が使えるのに…。

それなのに何もできない。

ただじっと見つめているだけ。


目の前には燃えている村。ここはどの国にも属さない村。だから助けなど来ない。そう思っていた。


一瞬時がとまって見えた。全てが凍っている。私はこのとき5才だった。何もできないのは当然。でもそれは自分へのエゴにしかならない。


『下がっていて』


不意にそんな声がかかる。私は声のする方向を見る。

そこには、白色の剣をもった女の人と、杖を持った女の人、それに弓を持った男の人が後ろで矢を撃っている。


ここで何を言ったか私は忘れてしまっている。

でも1つ分かること、いや今現在のことだ。

私は、この人達に育てられている。



「わぁ~、ファンちゃんすごいね~。もうこんな魔法使えるようになるなんて」


褒めているのは師匠であり、今まで、そしてこれからも育ててもらう親のネイル・コミィ・テイミという。

私は、下のテイミをもらって、ファン・ジェルン・テイミという名前をつけてもらった。


「師匠」

「な~に?」

「ここは危険な場所ですよ。そんな場所で気を抜かないでください」


それは本当の話で、ここはドラゴンが多数すむ森だ知能のあるドラゴンは滅多に襲ってこないが、たまに単独行動をこのむ者が襲ってくることがある。


「ファンちゃんに守ってもらうからいいよ~だ」

「師匠、私はそんなに強くありません」

「さすが、『無気力の魔法使い』の二つ名を与えよう」


師匠はすぐこうやってふざける。由来は、最初に会ったとき、すごく無気力だったからだそうだ。


「帰りましょう」

「そうだね、もうそろそろお昼だよね~」


そのまま、2人で現在宿泊中の宿屋まで帰っていく。

傍から見れば、姉妹に見えなくもないがこの2人は勇者のパーティメンバーなのである。

この2人が帰るところは勇者のいる場所。





「おかえりなさい、ファンちゃんにネイルちゃん」

「あっ、おかえり」


迎えてくれるのは、外で素振りをさせられている弓使いのジャディ・ホーン・キオルさんと勇者であるミーネ・レイド・ウェラさんだ。

ジャディさんがこのパーティにいるのは名前とのギャップが面白いからで、ネイルさんはその能天気さがいい!!という理由で入っている。

もちろん、2人とも腕は確かなので心強い面々だ。


「なんで剣なんて振ってるんですか?」

「よく聞いてくれた!!」


何故か顔が明るくなるミーネ。


「これは、私が使っていた練習用の剣。そしてこれが今現在私が使っている剣」


ミーネ達がドラゴンが住む森に来た理由は簡単で、白の剣と黒の剣を封印するためだ。

ドラゴンは、人よりも何百倍も強い魔力を持っている種族であり、そのドラゴンに封印してもらえば誰も解いたりしないからである。もちろん、それなりに強いドラゴンを探さないといけないのだが、時間はたっぷりあるので問題ない。


「さて、ここから先ジャディ君は剣を握ると思う?」

「あるなら握るでしょう」

「それ」

「はい?」

「ないなら作れいいいの!!」


正直にファンは勇者のことをかわった人だと思う。黒目黒髪はこの世界じゃ珍しいし、知識だってある。こんな人がひょっこりと現れたのだ。3年前に。

それから3年経って、魔王を倒したという。すごい物語だが、本人達がそれを忘れているのであんまりファンはしらない。長すぎるとまではいかないものの、時間が経つと人は自然に忘れていく物である。


「それでは、おやすみなさい」

「まだお昼よ」

「じゃあご飯食べましょう」

「ネイルちゃんナイス!!」


食堂らしきところに入って、運ばれてきた料理に私以外の3人ががっつく。これは私が旅を始めてからいつものことなので気にしないが、いつになってもすごいと思う光景である。


ファンたちが昼ごはんを食べ終えて、4人は少し休憩を挟み、ドラゴン探しを始める。


「いないね~」

「そう簡単に見つかりません」

「長い道、そうそれは人生と同じ」

「ミーネさん、まだ人生語るほど生きてませんよ」

「あ~うん、そうだね」

「辛いね~」

「まだ歩きはじ……」

「いたね」


そこには、巨大なドラゴン。とまではいかないが白いろのドラゴンがいる。


「よし、このドラゴンに白の剣を封印してもらおう」

「そうですね」


魔力は体の大きさで決まる物ではないのだ。それは人間もドラゴンも魔物だって同じである。


「ドラゴンさ~ん」

「いきなりですね」

「たぶん気づいてるよ」


数秒たち…


『なんだお前達は…』

「勇者さまご一行です!!」

「いきなりですね」

「いいからいいから」


突っ込む私に、それをなだめるネイルさん。これがこのパーティだ。


「この剣封印できる?」

『白い剣……それはお前の物か?』

「そうだよ、だけど必要ないから」

『……そうか。いいだろう』


それから、白の剣をドラゴンに託して一行は次のドラゴンを探す。どんな物でも1箇所に集めるよりもたくさんの場所においておいた方がいいのだ。手間がかかる分、それだけ探す方も手間がかかる。


数時間後、ファンたちはドラゴンを見つけた。

もうそのころには日は沈んでおり、辺りは真っ暗だ。だがそこで、黒色のドラゴンを見つけた。

漆黒のその姿は、どことなく強そうであり、何かを感じさせる。


「やっほ~」

「雰囲気が…」


昼からなのでもう突っ込むことをやめることにしたファンはそのまま口を閉じる。


そのまま、ドラゴンに了承を得て、封印してもらう。


その次の日には、村をでた。


「私、ドラゴンなんて始めて見ました」

「そうだね~」

「次に向かうのはここかな」

「そうですね」


私と、ネイルさんが話している最中に、ミーネとジャディが目的地を決める。

基本的に、移動は歩きだ。転移用魔方陣が発明されたのは、それから後なのでこのころにはない。これは、魔王を倒したことで、手に入りにくかった魔法石が手に入ることによって魔法研究が盛んになったからだろう。

それで、目的地は神殿のような場所だった。


「ここですか?」

「うん。ここが始まりの場所だよ」


意味深げな事をを言っているが、聞かないでほしいみたいなので聞かないでおく。


そこに着くのは、3日後だった。馬車があれば1日でつくが、なんと勇者は乗り物酔いが激しいらしい。


「すごい神秘を感じます」

「魔力をこの建物自体が帯びてるのかな?」

「違うって、ここに魔力を持った人がいるからさ、だから魔力が伝わってるの」

「勇者さま、少し伝わりにくいのでわ?」

「じゃあ、この建物は魔力をもった人が入るとその魔力が伝わるんだよ」

「なんとなくわかりました」


すごい場所なのは分かるのでいいとして、注目するのは誰かがいるというところだ。

ミーネはここで待ち合わせをしていたらしい。


ずかずか入って行くミーネ。それを追うように歩いていく3人。


「やあ」

「久しぶり」


1人の男の人が扉の前に立っている。

ここが目的の場所のようだ。


男が、扉をあけて4人を案内する。


「おお、勇者よ待っていたぞ」


口々にそんな事を言っていくおじさんたち、と昔のファンではそうとらえただろう。だが今ではそれらが王であることがわかる。


「して、何か提案があると言ったな、言ってみよ」


1人の男が言う。


「異界の人間を召喚してそれを影の苦労者にすればいいと思います」


敬語など一切なしで言った。


「それでは我々は……」

「待った」

「なんだ」

「それが、責任者となり各国に勇者を助けるようにとの命令を出していた。ということにすればいいでしょ」

「では、なぜ異界人などを呼ぶのじゃ」


異界があることはすでに知っているが、異界から召喚しなくてもいいじゃないかということである。


「異界人ならではの技術、並びに知識がある。その方が異質さを引き立たせます」


自分達とは違う存在というところを目立たせればいい。それが勇者の案だった。


その後、それは実行されることになった。ネイルがファンを推薦して召喚するための魔法使いになって12年後ようやく召喚の準備が整うことになる。


勇者の案をまとめるとこうだ。

勇者を影でサポートしている人物を作り、それを発言力が高い人物として祭り上げる。

それをすることによって、各国のメンツは守られる。

それを異界からの召喚。ということにしたのは2つの理由がある。

1つは技術と知識。

2つ目はそれにたいする興味だ。


だが、1つこの案には間違えがあった。


それは、召喚されたのが3人だったということだ。


異界人3人を召喚するに当たって、誰を責任者にするかもめるであろうが、海弟、影流、青空では3人は間違えなく影流に決まる。


いろいろあったが、ほとんど運任せな案である。とだけいえるであろう。


まぁ、その後ファンは1目惚れで初恋をするのだが……。


再登場させて欲しい人がいたら言ってください。

無茶でも出します。

勇者は……でるかもですね。

でない可能性も…。

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