第65話『この洞窟何も無いな…』by海弟
海弟に不幸属性を追加させようかな……。
でも、そうすると、アレが……。
迷いますね……。
歩き始めて、一時間。
俺が見たものといえば、魔物と岩だけ。
唯一の癒しのふぇーはここでは必需品だ。
「なぁ、どんどん寒くなっている気がするんだけど……」
「えっとねー、このさきはゆきやまだよ?」
魔物さん。
住処を作るときは計画的に……。
「おし、帰るか」
『ギャァアア!!』
いや~、なにコレ?
叫び声?
なにそれ、食べれるの?
……助けに行くor逃げる。
「いくね(炎の鎧着て)」
「ほのおのぱふごご」
「やめてくれぇええ!!俺は……俺は、まだ死にたくない!!」
ふ、ふははは、落ち着いたぜ。
さっさと終わらせて帰ろう。
「第三『炎鎧』」
カイロだ……。
って、こんなことをしている場合じゃない!!
やるしかないだろ。
「いくぞ!!」
「ちょっとまってー!!」
おっと、転んでしまったよ。
なんて事をするんだい、ふぇー君。
「う、うわぁああ!!」
「た、たすけてぇ!!」
うん、愛の追いかけっこ(ご自分で想像してください)ではないね。
まぁ、命がけで走っているようには見えるけど。
「あ、あ、あんた、旅人か、なんかか?」
「助けてちょうだい!!」
「報酬は払うからさ!!」
見事なコンビネーションだ。
後ろに雪女らしき人がいなけりゃもっといいけど。
「さがって……って、もう行ってる!!」
み、見捨てられた……。
まぁ、いいや。
俺の目の前にいるのは、白色の衣を纏った魔物。
俺が一目見るに、雪女が近いと思う。
だが、顔が真っ黒だ。
まるで、影のように黒い。
「第三『閃電』」
レーザー攻撃。
だが、それは吸い取られる。
「……ははは、幻覚かな(ゴシゴシ)」
「けはいがないよ……」
幽霊か。
貴重な体け……、幽霊。
「幽霊さ~ん、こんにちわ」
『ゴーーー』
はっはっは、愉快だね。
逃げるよ。
「かいで、たおさないの?」
「俺は、高いところと幽霊が苦手だ」
勿論、お化け屋敷を壊滅……もとい、驚きすぎて少し壊してしまったことがある。
そうしたら、そこの係りの人に『お化けがいたら君はきっとその世界を破壊してるね』って言われたよ。
おっと、何故か洞窟が崩れだしたぞ。
「さっきからまほうつかいすぎっ!!」
「はい、俺のせいです」
出口が……出口が……って、落とし穴……。
ああ、そういえば、暇だからって作ったね。
何であの二人は落ちなかったんだろう……。
「いつつ」
「かいでー!」
「もう無理……」
ああ、こんなところで死ぬのか……。
『ゴーー』
父さん、俺は次生まれてくるとき、絶対に父さんに会いに行くよ。
まぁ、無理だろうけど……。
『ジューー』
「かいでー!とけてる!」
「なにっ!!服が溶けてる!?マントは大丈夫か!?」
「ちがうっ!!あれ!!」
おお、雪だるまじゃないか。
どうして、君は作られるんだい?
それは、雪が降るからさ。
「なにそれ?」
「ねぇ、きえちゃったよ」
ダメだ。
最近、ふぇーのスルースキルが上達してきている。
これは、俺のボケスキルをあげる必要があるな……。
どこかに修行場でもないものか……。
「帰らないの?」
「まて、脅かしてくれたお礼に、殺す」
抹殺って言葉知ってますか?
まぁ、文字通りの意味ですよ。
実行したら、さぞ恐いでしょうね。
「抹殺を開始する……」
「こわいよ……」
俺は、白い衣が黒くなって、消えるまで燃やしつくした。
「帰るぞ」
「……うん」
あぁ、売れば高かっただろうに。
推定価格は金貨10枚です。
高いんですよ?
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