第46話過去の世界 過去の約束編
寝坊したっ!!
ごめんなさい!!
それでは、どうぞ?
何故か、俺は2人に連れられて町を歩いています。
そして、何故か2人と腕を組んでいます。
「次はこっち~」
「違います。海弟様はこっちです」
「俺は、こっちがいい」
「そっちは、さっきの公園の方向ですよ」
「ちょっと、やらなきゃいけないことがあるからな」
「それでは「いい」え?」
「じゃあ私「ついて来なくて良いから」はぇ?」
「1人じゃないといけないんだよ」
そう言って、海弟は元いた場所に戻っていく。
いつもなら、戦闘時の時しか全速力で走っていなかったが、今回は別だ。
数分するとさっきの公園に出る。
だが、さっきと違うところがいくつもある。
「見つけたぞ」
「ん?」
1人の女の子。
「お兄ちゃん誰?」
「転生ってやつか……」
海弟は、さっき、では無いが猛火の気配をこの町に来た時に感じ取っていた。それは、気配に敏感な海弟だから出来たのだろう。
「転生?」
「っと、俺は風詠海弟だ」
「うん。えっと~、私は双葉炎夏っていうんだよ」
少女が名乗る。だが、海弟はわかっている。いや、感じている。
この少女から、猛火の気配を…。
「海弟お兄ちゃんは何でここにいるの?」
「あ、ああ。ちょっと用事があってね」
そっくりだった。
猛火と炎夏。2人とも、同じ気配を纏っている。
「……偶然かな?」
「どうしたの?」
「ちょっとな…」
「そう…」
目の前から女の子が消える。
溶け込むように消えているのではない。そう、海弟が異世界に行った時の様に…。
「え……」
「待ってるよ…」
なんということだ…。
「行くしかないか…」
会えるかはわからないが、行く。
それだけは決まった。
「1人じゃ、つまらないな」
だったら、一緒に行く奴は決まっている。
まずは、この公園の入り口にいる2人。
「付いて来るなって言っただろ?」
「う~ん、ゴメンなさい」
「すいません」
「あ~、いいって。それより、戻るぞ」
「は?」
「どこにですか?」
「コホン。異世界に行くぞ!!」
「あ、うん!!」
「えっと、そうですか…」
「死有も行くんだぞ」
「ですが…」
「他の2人も誘ってきてくれ」
「あ、はい!!」
目が輝いている。どことなく嬉しそう。
「よし、人員確保に行くぞ」
「そうだね!!」
行くところは勿論1つ。
数分歩けば着く距離だ。
「影流~行くぞ!!」
「え?は?あ、おう!!」
「いきなりでゴメンね~」
影流の家の前で、3人が集まる。
「最後だな…」
「そうだね」
「お前の家だな」
5分も掛からない距離に海弟の家はあるので、早く着くことができた。
「お、死有達も着いてたか」
「はい」
影流達と死有達が自己紹介をしている間に、もう1人を見てくる。
「お~い、フェーいるか?」
「あっ、かいでぇ~~」
悲しそうだった顔が、一気に明るくなる。
影流よりも小規模だが、ハーレムが出来ている海弟。
人徳のなせる技だろう。
「よし、鏡はどこだったかな~」
「お、海弟。何探してんだ?」
海兄がやってくる。海弟の心配はどうしたんだ…。
「あ、でっかい鏡は学校だ」
「は?ああ、あの鏡か。多分、体育館倉庫にあるんじゃないか?」
「ありがと」
そう言って、走り出す。
「え?お、おい。どこ行くか言ってけよ!!」
騒がしい、一行を連れて学校へ侵入する海弟。
教師達には、夢を見てもらっている。
「さすがだな」
「簡単ですね」
「すっごいね~」
「まほう、なんでつかえるんですか~?」
「あ、言ってなかったな」
そう言って、海弟は魔法が使えない説明をしながら倉庫まで行く。
周りは、夕日で赤く染まっている。
「よし、開けるの手伝ってくれ」
「私に任せてください」
「あ、変態モード入ってますね」
「変態モード?」
「大鋸さんは、静かな無口と静かな変態と二重人格なんです」
おおう、後者最低だな。
開いた、扉を見て思う。
「お、鏡あった」
でかいので、すぐ見つかる。
「よし、離れてくれ」
海弟は、魔力を練って鏡に伸ばしていく。
そして、魔力を連想魔法で異世界との扉に変える。
「出来た」
「人間なのにすごいですね~」
「海弟って、ホントにすごいね~」
「これで、戻れるのか…」
海弟は、さすがに魔力を使ったのか喋らない。
だが、1言だけ。
「戻るぞ」
「「「「「はい」」」」」
今日、異世界に海弟が戻る…。
この話なくてもよかったんですが、とりあえず、死有と青空はライバルってことで。
次の話で帰れるかな?
まぁ、いけるでしょ~。
それでは~。




