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第536話『時間がないって酷いことなの』by海弟

30秒で世界を救うゲームもあることですしね……。


っていうか、自分の技量不足で更新が遅くなりました。それとまとめ方が半端なく雑です。

後書きで色々言おう、そうしよう。

「やぁ、クォン!」

「……体透けてますよ?」


……気にするな。というか、何でお前は見えているんだよ。

メイドとか、執事とか……他の奴等は見えていないみたいだったんだが。


「ちょっとした冗談も言い合っている時間はないぞ。一つ世界を救いたいんだが……」

「私にはその話が冗談に思えて仕方がないのですが……」

「いいことを教えてやろう。この話は真実だ」


手短に、なおかつ要点だけを話すのは苦労するのだが、何とか最短で説明は出来た。

クォンも疑問に思うところはあるだろうが、俺の(いそ)(よう)を見て質問を最低限にして三つほどの工程を簡単に説明してくれる。

その内容はメチャクチャだが……五分で世界を救おう、などというのが最初から間違っているのだ。


ただ、俺のやるべきことは世界を救う。そのために……クォンの話ではその世界に神器(しんき)と呼ばれる神が使うに相応しい武器を造ればいいらしい。

いくらその世界を作った本人といえど、常識的(ここ重要)に考え神が世界を管理するのは当然なのだ。


つまり、世界があるから神が生まれる……というのを神器が存在するからその世界を神が管理する。

こう置き換えるのだ。まあ、それほど神器というのは重要なものらしいな。


では、それを可能にする三つの工程を順番に整理していこう。


一つ目。

何でもいいから魔力の吸収が良さげなものを見つける。


二つ目。

兎に角、それに魔力を注ぎ続ける。


三つ目。

クォンが何やら難しいことをして神器の完成!


「最後の工程でかなり時間が掛かります。といっても、周囲をぶっ壊してもいいのならその時間内には出来ると思いますよ」

「元々ぶっ壊されているようなものだからな、構わんだろう。俺が決めることでもないが」


まあ、(せん)ずはクォンを連れてその世界にいかねば。

あそこにはあれだけ鏡が散らばっているし、どれから出ようか迷うな……。


「早くッ!」

「そ、そうだな」


適当でいいんだ、適当で。





っていうか結局鏡の形って全部一緒じゃない? という真相に俺が辿りつく頃、壊れかけの民家の中からクォンが何かを持ってきた。

その手に持つものは……砂時計?


この世界の住人はルーズなように見えて時間厳守のサラリーマンのような生活をしているのだろうか?

いや、その砂時計が何分、または何秒持つかさえも怪しい。


「ううむ……」

「変なところで悩んでないで、さあ!」

「よし、わかった」


クォンの持っていた砂時計を手に取ると俺の中にある全ての魔力を突っ込む。

要領良く流し込むんじゃ時間が足りない。


普通、時間を掛けて自然の中で生成、もとい聖成(せいせい)されるのが神器らしい。

何処か、忘れ去られた場所にある何かは年月を経て神器へと変わる。


そこに神が住み着いて……その先は想像できないな。


まあ、普通は自然の中で神器ってのは造られるものらしい。

しかし、そう考えると妙だ。

自然の中に魔力は普通あるものなのか? いや、人間が手を加えなければ、魔力を付加させなければ勝手に物に魔力が宿るなんてことはない。


……まあ、それこそ奇跡というヤツか。

奇跡の積み重ね。それで神器は生まれる。


長々と思考しつつも、既に世界崩壊のタイムリミットは迫っている。

もう一分もないことは確かだ。


「ッ、終わったぞ」


くらくらする……ちょっと死にそう。

いや、埋まりそう。


「ご苦労様。世界を人ではなく神が管理し始めたら成功。しなかったら一緒にボカンですからね。あなたのその様子では緊急回避なんて望めませんし私も全力で……ん?」


ふと、気配を感じたのか砂時計を持つ俺のいる方向とは別の、あらぬ方向を見るクォン。

その様子から俺も何となく察する。


「海弟、この人は誰?」

「さも知り合いで当然のように言うなよ。俺もコイツは変態ってことしか知らないんだから」

「何処で変態と判断したか気になるところだね。けど、僕が話にきたのはそんなことじゃない」


……男と会話する気力は残っていないので無視する。

クォン、後は任せた。


「時間がないんだ、後にして」


おおっと、ここでクォンも無視か。

仕方がない、この神の使いの天使さんは無視しようじゃないか。


クォンは俺から砂時計を奪うと地面に置いて魔法陣を書き始める。


「名を付けて、力を増幅……それで――」


やることを一から順に話して整理しているらしいクォン。


俺の近くまで魔法陣が広がるとクォンに蹴られ転がる……を繰り返し、半端な数じゃない生傷が出来てしまった俺。


っていうか、クォンの魔法陣を書くスピードはおかしい。

走る速さで魔法陣を書いていくとかマジクォンさん人外(じんがい)


「グフゥ!?」


天罰……か。悔いしか残らぬ人生だった……。


「完成。さあ残りは……」

「おお、完成かッ!」


魔法陣の中に足を踏み入れるのは気が引けるので外から声を掛ける。

怪我はどうしたのかって?


掠り傷数箇所で立ち上がれない俺じゃない。

魔力なくたってちょっと無気力になるだけだしな。


魔力ってのは先天的なものだから全部使うと頭がボーッとするんだ。

鍛錬して身に付くような魔力だったらこんなことにはならないのかも知れないけどな。


「お前達……いい加減、話を聞け」

「お前はテンポが悪いんだよッ! 何でここで話しかけるんだ! 天使だからか? 神の使いなら何でも許されると思っているのか? アァ?」

「一つ聞きたい――」

「無視された!! クォン、無視されたッ!!」

「いや、自業自得」


それもそうか。


「クォンはまた一つ工程が残っているらしいからな、俺が話を聞くぞ」

「では、お前は……いいや、何故お前達はこの世界を救おうと――」

「それは俺が……英雄だからかなッ!」

「死ね」


天使に死ねって言われた!

初めてだよ! 死ねって言う天使に出会ったのは!!


「……はぁ、質問が間違っていたようだな。この世界を見捨て逃げた方がお前達にとって苦労はないんじゃないか?」


待ってましたッ!


「それは――」

「お前は話すな」


何で!?


クォンはチラリと俺のほうを見る。

アイコンタクトを試みようとして――


「そうだな、私は面白そうだからやっているだけなんだけど」


――いなかった。

見ただけだった。


「面白そう、で救われる身としては複雑だな」

「ただし天使ッ! お前だけは滅びろ、と俺が言っておく」

「本当にお前は相手をするだけ無駄な奴だな」


何をッ!?

俺の何処が無駄だというのだ。


俺がいなけりゃこの世界は崩壊してしまっていたんだぞ!

いや、崩壊するのが前提だったのだとしても……俺はそんなの嫌だったしだな……。


ええい、何を言っているのかわからなくなってきたぞ。


俺が頭を抱えていると、突然地面が揺れだす。

きっと、クォンが最後の工程に取り掛かっているのだろう。


そちらを見ると、見事に地面を回転して海の方向へ向かっていた。


「うん……?」

「世界の終わりか。どうやら間に合わなかったようだな」

「はい?」

「見たところ、後は力を神聖なものにするだけのようだったみたいだが」


砂時計の中にある力のことだろうか。

それを神聖なものに……。


「っていうか、待て。クォンはどうなってるんだよ!」


何であんな回転しながら移動してたの!?

横じゃないよ? 縦だよ! 頭、腹、足、背、って回転してるんだよ!? ごろごろ転がった、とかいうレベルじゃないぞ!?


「仕方がない。後は僕がやるッ! 間に合うかどうかは――」

「勝手に話を進めるなァッ!!」


天使の頬を殴る。

くそう、いきなりの展開で俺も付いていけないぜ。

最初の落ち着きよう、というか山も谷もない展開はどうなった!? 何でクォンは転がり天使は……あれ、気絶してる……な展開になってるんだ!?


「え、気絶しているだと!?」


おお、おおお……世界の終わりだ。

空は真っ赤に染まり……地は砕け闇へと落ちていく。

もうダメだ。世界の終わりだ。


「うわぁっ、どうなってるんだ!?」


いきなり聞こえてきた声、そちらを向くとあらまぁ勇者の末裔だというセルティさんじゃあないですか。

何でここにいるッ!!


「お前は海弟かッ! いやはや、ここは何処だ?」


俺の傍まで駆けつけるセルティ。

おいおい待ってくれよ。何でこのセルティは(つち)(まみ)れなんだ。


「あの地震は……そうか、私はあの地震で転び回転してここまで来たのかッ!」


何で納得出来るんだよッ! っていうかお前もかッ!!

クソッ、俺がここまで突っ込みするなんてそれこそ世界の終わりだぞ。今がそうか。


「何でお前の顔を見て人生の最後を飾らなくちゃダメなんだ。勇者関連で死ぬのは嫌だぞ!」


母親が母親だからなッ!! っていうか、勇者?

おお、そうだ勇者だよ勇者。


「勇者なら聖なる光の一つや二つ、何とかなるだろう」

「いや、わたしにはそんな事は――」

「よし、あの魔法陣の中心にある砂時計を触りながら『光よー』って言ってみろ」

「……まあ、いいけど」


これはもう賭けだ。

セルティは俺を変なものを見るような目つきで見ているが関係ない。俺の精神に千のダメージとか関係ない。


「これか?」


魔法陣の中心へセルティが向かうとこちらを振り向き言う。

頷いてやると砂時計に触れながらセルティが呟く。


「光よー」


弱いッ! すごい弱弱しいッ!!

しかしセルティから放たれた光が魔法陣を通し砂時計へと向かっていく。


「すごいぞセルティッ! やれば出来るんだなセルティ!!」

「馬鹿にされている気しかしな……あっ」


あっ? あっ、って何だ?

セルティの視線を辿り俺の足元を見ると見事に地面がなくなっていた。

どうやら時間も経ち……ここまで地面は崩れていたらしい。


「……ッ、今助け――」

「ふっ、お前はそれを続けろ。俺は……綿毛(わたげ)だ」

「意味わかんないぞ!?」


重力に従い落ちていく俺の体。

数秒間落ちていく感覚のあった後、俺の意識が(とお)のいていった。


クォンに頼るも絶体絶命ッ! ってのをやりたかったんです。

そしたらいつの間にか地震とともにクォンが転がっていて天使を殴って気絶させていた、それだけなんだ。


いつの間にか世界の終焉が来てて、やべーってなってたら勇者の末裔が来た理由が転がってここに来たってのは……本当に謝るしかないと思うんだ。ゴメンなさい。


最近体が『コメディー書かせろッ!! オルァ!』って言っているので次から書けるようにしておきたかったんです。


さて、弁解も終わったことだしコメディー書くかな。

それと、読者様にこの際だから伝えておきたいことがあります。

白黒はもう一人称管理出来てないのでその場で適当にそこは書いてます。なので一人称が違ってもその人物のイメチェンなので気にしないでください。

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