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第533話湖の神殿とデジャビュ

海弟、デジャビュじゃないと作者から一言言わせてもらおう。

ゴンッ♪


……。


ゴンッ♪


……つぅ。痛い。


やはりというか、湖の中の神殿はしまっている。


さあ、中へ――


で、頭突きで通れるほど甘くはないんだな。

っていうか何で俺は二度試したんだ。死ぬぞ、俺の頭が割れるぞ。


「ぼぼぼ(ええい)! ぼおぼぼぶぼ(こうなったらコレしかない)!」


鍵穴が剣で、鍵が剣なら……。

可能性にかけるしかないだろう? ないだろう?


鏡の中から今まで手に入れた剣をすべて取り出す。

まずは白の剣(仮)ィ!


弾かれて湖の底に落ちる。と、いっても一、二メートルしかないわけだが。

その他の剣も湖の底に落ちていく。


クッ、そろそろ息継ぎをしないと溺れるな……。


海面へあがろうとした時、脳裏に声が聞こえてくる。


『我が力とともに古の扉は開かれる』


誰だ? ここは水中だから肉声でないことはわかる。

けれども、それでないとするとやはり考えられるのは……魔法とか、そういう関係のものだ。


……一体、誰が。


ここを離れるとそれが途切れてしまいそうで、我慢して神殿の扉のほうを見る。

古の扉とはこのことだろう。かなり昔に作られたものだろうし。まあ、崩壊するのを前提に簡単に何から何まで創られているのだろうけども。


歴史一つとっても、それは偽りではあるが本物。

誰かの意思が裏にあるとやはり、イヤなものだ。それを内側からぶっ壊すのには相当手間がかかると見た。


いいや、手間なんてかかってちゃいけないんだ。

もう時間は――


『その手に取られよ。勇ましさのなき勇者よ』


……勇ましさなきゃ勇者じゃ……はい、わかった。

いいだろう、どんな力が手に入るのか知らないが、この手で掴んでみせようじゃないか。


手のひらを扉の方へ向けて突き出す。

……これは、見たことのある形状だぞ。確か……。


瞬間、閃光が走る。


視界からもやが消えるのを待ち、再び手に握った剣を見る。


この形、やはり海王の剣。

捨ててきてしまったのだが……ふっ、やはり選ばれし者とはやるときゃやるんだな。


って、あれ。


俺の手をすり抜けて湖の底に落ちていく海王の剣。

待て待て。何ですり抜けたんだよ。



半ば呆れた突っ込みを自分でしつつ、その正体が先ほどの行動にあることに気づく。

まあ、そりゃあ当然だ。

すべての剣が神殿の入り口に弾かれ湖の底に落ちてしまったのだから、妖精の剣がなくちゃあ俺は実体を保てない。


つまりいくら海王の剣だろうと落ちていってしまうわけで。

ったく、拾いに行かなきゃならないのは面倒だ。


妖精の剣を放したり放さなかったりを連続してやれば息継ぎについては問題ないのかも知れないな。


などと思いつつ湖の底にある剣たちを拾っていく。

もちろん妖精の剣は最後。


妖精の剣を最後に鞘に戻し、仕舞った海王の剣を握りなおす。

水の力を操る剣、なるほど……この場にこれ以上適したものはないな。


俺のすべての力を持ってこの神殿に挑む。


この状況を打開できる何かがこの奥にあると信じて。


海王の剣に反応してか、ゆっくりとその姿を消す扉。


……あれ、鍵穴は?

いらないなら付けるなよ……。まあいい。


文字通り、水に溶けていくようで……やっと神殿の中に入ることができる。


と、思い泳ぎ始めたところで――


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


な、何だこの音は!?

まるで水が流れる音。何故だろう、嫌な予感がする。


俺が向かう先、神殿の入り口を見る。


そこから急な水流が湖のほうへ流れ込んでくる。

つまりはこのままでいると俺は流されてしまう。


……一旦(いったん)地上へ戻ろう。


緊急回避を若干失敗させ靴を片方失った俺は湖から這うように地上へと戻る。


「……本格的にまいったな」

「な、な……見たぞ! 何故神殿の扉が開くッ!!」

「この神殿を創ったのは実は俺だったのだー」

「何だってー!?」

「嘘だ」


さて、どうしようか。

水流は海王の剣を使えば操れるとして、神殿の中に入ればもっと危険な罠や魔物なども潜んでいるかもしれない。

そうすると泳ぎながらじゃあ戦いにくい。

基本的に人は地上を好む。


「まあ、その時その時で考えればいいか。命なんて落としてナンボだ」

「馬鹿を言うな。これ以上は危険だ、勇者のお供の末裔としていかせるわけには――」


……残念だが、俺は勇者の末裔だ!


「深呼吸終了。じゃあなッ!」

「馬鹿! 本当に死ぬぞ!!」

「やらずに死ぬよりやって死んだほうがマシってものだ」


この先に何とかするための物があるかなんてわからない。

けれど、感じる。


何かガリオンが叫んでいたが気にせず、俺は海王の剣を片手に水中を突き進む。

ようやく水流の手前までくると集中して剣を構える。


……水流よ、止まれ!


その意思に反応してか、神殿の中から放出されていた水流が止まる。

しかし、それと同時に湖の水が抜けていく。


見れば湖の底に大きな穴が出来ていた。

ちょうど、落とした靴が吸い込まれるのが見える。見事に入り口付近でバラバラにされていた。

とんでもない勢いだ。


何だ……これも罠だって言うのか!?


神殿の入り口、水が抜ければ崖のようになってしまっているが、その端を片手で掴み落ちないように何とか耐える。


……まずい、鼻や目に水が入って物凄く痛い。


時折くるジンジンとした痛みに手を離しそうになるが、耐えに耐えて湖の水が完全に抜けたところで神殿の入り口へと這い上がる。


「耐えたのか!? あの罠を!!」

「ガリオン、俺に任せろ! 何が来たって不死身男の俺が何とかしてやるぜ」


そう言って神殿の深い場所へと走っていく。


海王の剣がこれで必要なくなった。

あの罠は不意打ちだったが……しかしこれで安心して神殿内を探索できる。


炎の魔法で暗い通路を照らしながら、妖精の剣片手に走る。

さあ、何でもこいッ! 何が来ても妖精の剣を放してスルーしてやるぜ!!


しかし何も起こらなかった。


たぶん、一番奥なのだろう。

そこはかなり広い空間となっていた。


「む、強敵(ボス)の気配……」


周囲を警戒し見回すが、それらしきものの姿はない。

中央に宝箱があるだけだ。


「……」


入り口の天井を確認。

よし、後戻りできなくなるような仕掛けはないな。


「それじゃあ、宝箱いってみよう!」


この瞬間のドキドキワクワクって大事だよね。

これが忘れられないから冒険者はやめられない。


普通、強い武器、防具などは洞窟(ダンジョン)の一番奥にある。

何故か?


そんなもの知るか。

そこにはきっと深い理由があることだろう。


俺だったらそんな強い武器をダンジョンに隠すことはしない。

高値で売る。


宝箱に手を触れ、ゆっくりと開く。


中身は――





天井が崩れ、入り口は潰れた。

何の仕掛けもないはずがなかったんだよな、うん。


まさか入り口が壊れるなんて予想もできなかった。


それに天井も……落下してきた岩などに当たったら即死は間違えないだろう。

俺は宝箱の中に……いや、これは……宝箱ごとでいいか。


宝箱を一度閉じて鏡の中に仕舞う。


すると、宝箱を閉じたところで崩壊し始めていた神殿の揺れが収まる。


「……ん?」


おかしい。


周囲を見渡せば、落ちてきたはずの天井が消え……幻影でも見せられているのか、なんと神殿の内部が元通りの形になる。

つまり、これは宝箱を開けた瞬間から罠が発動するわけだ。


たぶん、中身だけ取って……ってのは無理なんだろうな。

中身なんてなかったけど。


あったのは七つのくぼみ。

ちょうど剣のようなものが差し込めるような……そんな形をしていた。


「……すべての剣を、集める」


そうしなきゃあ、無理そうだしな。


……いや、そんなことはないのです。

ほら、思い出そうぜ俺。


第一ヒントだ。


『勇者の剣』


まだわからないのか、俺?


第二ヒントだ。


『暗黒龍』


お、何か思い出してきたな。


第三ヒントだ。


『増殖』


……ああ、やりたくはない。

けれどもやるしかない時だってあるだろう?


妖精の剣を鏡の中に放り込むとコピーを開始。

七本ちょうど出てきたところで、本体も取り出して増殖作業は終了した。


「……アレだな。昔のRPGとかでバグ技使ってズルしてる気分だ。心地良い」


さて、やるとしますかッ!!


さて、読者様の中に小説を書いている人もいるでしょう。

だからこそ話します。今回、予想以上に更新が遅くなった理由を。


簡潔に言うならば、消えました。


詳しく説明させてもらうと、保存しようとしたところで操作ミスって本文消えちゃった、テヘッ♪ という感じです。


説明ではこんな感じですが、予想以上にハートをブレイクされます。

最近はなかったから完全に油断していたんだぜ。


最後まで書いたのにまた一からって作業のめんどくささはもうアレですよ。

夏休みの宿題ですよ。


まあ、愚痴を言ってても仕方ないです。このショックのせいで小説書くのやめようかな、なんて思ったのも秘密です。

次回に期待しててください、はい。

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