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第530話正義の光と余計な恨み

これはもう不定期更新と言っていいほどのバラつき。

今までの自分から考えて、ですけれども……。


でもバラついているのは事実……。

ううむ、でも無理せずやるのが一番か。

ここまできてホッポリだしたくはないですからね。

「……お前こそ何もわかっていない。その小さな手に世界は収まらんよ」

「私がしたいのは世界を征服することではない。ただの破壊、純粋で――」

「言っただろう。お前に拒否権はない、俺の言うことに頷けばいい」


そうすれば簡単に話はまとまり、世界はハッピーエンド。

俺もきっと元の世界に戻れる。


すべてが丸く収まるわけだよ。


「……気持ち悪いんだよ!」


俺の手を払いのけて後ろへ飛ぶ黒ローブ。すでに黒ローブは纏っていないがもうこれは名前みたいなものだ。

略称は黒ーブでいいだろう。もしくはクローブ。


いや、グローブか? 野球でもしてそうな活発な子ですね。


と、今はそんな場合ではないな。


俺のことを気持ち悪い呼ばわりして背を向けて逃走する黒ローブ。

奴は何を思っているのか、それがすべてわかるわけではない。


けれども、ただ破壊をしたいなんて……その果ては見えているじゃないか。


「さて、捕まえよう」


海王の剣を一振りし、簡単に魔力を練って水を生み出す。

特に意味もなく剣を何度か振り格好がついてから水をコントロールする。


俺が動く必要はない。

俺の手足が動けばいいのさ。


……これは名言だ。


放たれ普通の魔法では考えられないスピードで伸びていく水。

空を飛んでいた黒ローブだが簡単に腹回りに巻きつき地面へと撃ち落してから俺のほうへ地面と濃いキッスをさせながら引っ張ってくる。


すべては俺の意思。


「見たか? これが俺の触手だ」

「……」


俺も取り扱いに困るからスルーだけはやめてほしい。

触手はダメだよね、年齢的に。性癖的にはセーフかも知れないけれど。


「何故逃げる!? どの道、お前がここで逃げても最後には俺と戦わなくちゃならないんだぞ?」

「……」

「強さがほしい。それは破壊で手に入れられるのか? だったら簡単だな」


鼻で笑ってやる。

俺にコケにされてイラだっているに違いない。


「……何故、私が弱者として扱われなければならないのです。何故……」

「人には裏表がある。けどトマトは上から読んでも下から読んでもトマトだ」

「はい?」


そういう反応が欲しいんだよ俺は。


「裏表のない人間は単純、裏表がある人間は馬鹿だ。お前はどっち?」

「私は馬鹿でも……単純でも――」

「トマトか? それとも人か?」

「……」


黙ってそっぽを向いてしまう黒ローブ。

難しい話か。うん、自分は単純です、とか自分は馬鹿ですとか言いたくないもんね。


この野郎、自尊心なんてこの際捨てろよコンチクショウ。

俺がわかりやすくお前の心をぶち壊してやる。いや、さすがにそこまではしないが。


「考えているならヒントをやろう。考えていないなら考えろ。お前の破壊でいくつの責任が生まれる?」


ジッ、としたまま動かない黒ローブ。

時折座り方を変えたりなどしているが、逃げ出そうとする様子はない。


まあ、俺が水で縛っているからな、当然か。


数分が経って、コイツ考える気ねぇだろとか思い始めてきたので全部優しく(さと)してやんよ。


「俺はこの世界を破壊してほしくない。好きだからな」


相変わらずの黒ローブだが、俺の様子がさっきとは別ということに気づいてはいるだろう。

こっちはいつでも本気だというのに、最後の最後で子供染みた行動をしやがって。


「壊したくないのなら口をそのまま閉じていろ。壊したいのなら口を開け」


……よくよく考えれば、この黒ローブに勝ち目などないのだ。

アンちゃんという仲間を失った黒ローブは勇者の末裔がもう少し背伸びしたら届きそうなレベルの強さ、という風に位置づけておこう。


なので人類最強説は揺るがない。

果たして勇者が人類なのかはわからないがな。


変質者から変態にジョブチェンジすると『あの人』って呼びたくなくなるもんね!


「……何がしたい」

「お前はまだ変質者だ。よかったな」


再びそっぽを向く黒ローブ。

さて、俺の口に罰を与えようか。


そうだな。今から俳句で説得をするのはどうだろうか。

五・七・五で説得。


これなら十分な罰になりそうだ。


「お前はさ、どうしてそんなに、怒るんだ?」


……クソッ、字余りッ! 初っ端から字余り!! 真ん中八文字ッ!!


もう地面に転がりながら蒸したトウモロコシをカジカジしちゃいたい気分だがそれは心の中だけにしておく。

もっと心に余裕が欲しいものである。


「怒る? 憎悪を受け取っているのは私自身、誰かを憎み、妬み、自らを傷つけているのは人間のほうでしょう」


……再チャレンジだ。

何だコレ。最後の最後だってのに俺は何をしているんだろう。


こういうのって友達とかそういうの相手にやるよね。

俺とコイツは友達じゃないけど。


「間違ってる! 人は絆で、結ばれてる!」


『っ』


何てことしてくれたんだ! いや、これをカウントしなければ……最後ッ!!

何で六文字なんだ君は!!


「……さっきとは違い、綺麗ごとを言うんですね」

「俳句はやめるか。お前厄介だな、説得の仕方がわかんない」


何を言っているのかわからない様子の黒ローブ。

俺からもう一言言っておきたい。


「俺は今ここでお前を殺せるぞ。アンちゃん倒してハッピーエンドに出来るんだぞ?」

「出来るわけがない」


アンちゃんの強さを十分理解しているだろうから言える一言。

そしてその中に含まれているのはきっと……。


「アンちゃんは頷いてくれた。もしもの時、自分の死を受け入れること」

「嘘で説得できるほど私は――」

「ならば俺の目を見ろ」


ゆっくり、視線を動かし俺の目を捉える黒ローブの瞳。

随分と濁りのある視線だ。自己利益しか考えていないおっさんみたいな目をしている。


これがなかったら犬死ちゃんと見分けが――つくけどね。

普通に外見違うからね。


「もう一度言う。アンちゃんは死ぬぞ」

「……嘘を……言っても――」

「言っているように見えるか?」


この純粋な瞳を見て、そう言えるのか!?


追撃しようと思ったがやめておく。

絶対に奴は目を逸らす。


数分間、見詰め合っていると急に黒ローブの上から盛大に水がぶちまけられる。

誰だ!? と思い上を見るが何もない……というかさっきまでの祭りのせいか星空が見えない……。


花火も打ち上げる予定だったらしいし、この一夜は星のない夜になりそうだな。

まあ、それでも宇宙に星はあるのだろうけど。


「な、何が……」

「ほい、縄抜け」


……ん?


動揺している様子の黒ローブのほうを見ればウミが普通に立っていた。

ついでに黒ローブも普通に立っていた。


おい、さっきまでの水の縄は何処に言ったんだ。

縛っておいたんだぞ。


「一方的展開でオチる女は脳内にしか生息していないものだと聞くわ」

「ば、馬鹿な。俺のバイブルと話が……このノリでは行きたくないな。ウミ、裏切るのか!!」


いや、別に攻めないけどね。

裏切るのならそれまで、俺は死ぬよ……いつか。


「儀式の成功をお知らせする、ためだけに来た」

「それ以外のこともやっちゃってるからな! というか縄抜けは絶対狙ってやっただろ!!」


クソッ、この海王の剣に匹敵する力をウミは持っているのか?

ということは、この剣は人間に精霊と同等の力を付与するために用いられたのか……。

謎が深まるばかりだが、これが正しければ七人ぐらい強い精霊がいるんじゃないか?


勇者の精霊とか妖精の精霊とか、まるで意味がわからないが。


「……逃げて、いいの」


半ば疑問系で発せられた声に反応したのはウミ。


「勝手にすればいい。本当の破壊にやられるのがオチかも知れないけど」

「それは……」


上を仰ぐように見るウミ。

それに追随(ついずい)するように空を見上げる黒ローブ。

その表情が固まったのはその数秒後。


俺も見上げようか、としたところで眩い光が空を包み何も見れずに終わってしまう。


……途轍もなくスーパーウルトラハイパースペシャルデラックス気になる。


しかし、その光が突然俺たちの目の前に現れる。

それは人の姿をしているが目も口もない。


のっぺらぼうにしたいところだが服もない。

変態だ。


つまりこういう人のことを変態と呼ぶのだ。


「天使……」


天使だ。

誰だよ変態って言ったのは。

出て来い、俺がそいつの頭に変態と書いてやる。


「……ペンがないから……刻むか」


ちょうど手には海王の剣がある。

ちょいと深いところまで刺さりそうで怖いがいざ……。


『我が破壊の剣よ、この村から悪を取り除けッ!!』


衝撃で吹っ飛ぶ俺。

ついでなのか散らばるウミ。


何が起こって――


ザクッ


……ん?





うう、背中が痛い。


ああ、でもそれ以上に……おお、俺の髪ッ!!

華やかに散った俺の髪。


さあ風に乗れ、さあ舞い上がれ。


運命を俺は認めよう、許そう。


しかし海王の剣と破壊の剣とやらの持ち主、お前等だけは絶対に許さん。


「何だよこれ、モヒカンの逆Ver!?」

「君たち、大丈夫だったかい?」


目の前から消えたのはあの黒ローブ。

隣にはいつの間にかウミがいて、目の前には天使(ヘンタイ)がいる。


「はっはっは、お前の頭が大丈夫か!?」

「君の頭のほうが大丈夫なのかと不安になるけど……」

「破壊の剣? いいだろう、俺が相手になってやる、ウミ。援護を頼む!」

「え?」


海王の剣を捨てると鏡の中から白の剣(仮)を取り出す。

すると白の剣(仮)は輝きだし……俺のもう一方の手に黒の剣を出現させる。


……俺の気持ちに共鳴しているんだ。


「お前は絶対に倒さないといけない! 絶対に倒さない敵なのだと、俺と剣たちが判断したッ!」

「君は何を言っているんだ。倒さなければいけない敵は倒した、悪はすでに――」

「俺が悪だ!!」

「ええ!?」


……ああ、今夜の祭りは中断しちまったなぁ。

しょうがない、奴を血祭りだ。


ってなわけで行くぞッ!


ご都合主義とはこれいかに。


……あれ、黒ローブ死んだ? ってな状況だと思いますが破壊の剣の威力はこの話で説明していますが『妖精』レベルですので。うん、ご都合主義だけど筋は通すよ!


黒の剣については元々ラスボス寸前に『倒さなきゃいけない敵』を想像して現れる仕様だったのでしょうね。



さて中途半端なところで話は変わりますが。

……にしても、小説内の本文検索機能がほしい。


何故? そりゃあ答えは一つです。


……メモをしない自分にとって小説の中がメモなんだよ!!

な、なんだ――


まあ、そんな感じです。

長くだらだら続いていると欲しいなぁー、なんて思えてきてしまう機能の一つです。




ここから愚痴。さっきからだけど。

飛ばしてもいいと思うよ!





自分の夢の中での話なのですけどね、怖くて少し面白い話だったので書いておきます。

グロっぽいのかは自分で判断できません。


気がつくと電球の交換、ってぐらいな気軽な感じで何者かに奥歯から間隔をあけて歯が抜かれていきました。

夢だからか、痛みはありません。


ここで夢と気づいていれば好き放題やってましたけど……。


それで、それが終わると何だか知らない場所に立っていました。

高原というか荒野というか……うん、表現のしようがない場所。


そこでずっとボーッとしていたら目が覚めた、という話です。


いやー、夢の中でボーっとしているのは楽しいね。

起きた後にもう一度やりてー、って思ってもやれません。夢の中だけ限定です。


惜しい、惜しすぎる。

セールでもやっていないものか。


まあ、夢を見ること自体が低確率というか、そんな感じですけどね。

車に乗っていたと思ったらジェットコースターで猛スピードなのにジェットコースターの外の人と芸能人の人がするみたいなタッチをした夢も覚えています。


Q.何であの人たち骨折しないの?


A.夢だから。


いやー、起きてても寝てても夢はいいものです。

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