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第516話村長とハニワマン

問、何だよハニワマンって!


回答、作者が一秒掛からずに思いつきで生まれた生まれながらの戦闘民族です。シリーズ化されています。

「精霊様と天使様は云々……」


お説教ではない。でも長い。

校長に村長に……やはり話が長いから『長』という字が付いているのだろうか。

最年長とかそういう意味でも偉いからとかそういう意味でもなく、話が長いから。


昔の人は素直なんだな、うん。


隣を見れば、欠伸などして正座も崩してしまっているウミがいるのだが、俺は五時間耐久の末生み出した正楽座(せいらくざ)があるので疲れはしない。

ふっ、正座じゃないぞ? 正楽座だ。土下座を複数やっているうちに習得していた謎奥義だ。


回りからはキツいだろうな~、などと思われている状況でも俺は全然疲れていない。

いや、疲労回復効果もあるんじゃないだろうかこの姿勢。


と、まあこんな感じである。傍から見たら俺はすごくお行儀の良い子である。


……はっ、もしやそれに気をよくして村長は話を長くしているのか?

計ったなッ!!


……ああ、こんなこと考えてしまうぐらい暇だ。


正座をやめ、あぐらを掻いて座りなおすと村長の瞳をジッと見つめる。

これはかなりのプレッシャーになるに違いない。


「そういうわけでして、精霊様と天使様にはこんなふかーい関係があるのです。それはそうと、この村はもうすぐ祭りを行う季節なのです」


……長い。

無理だ。俺にはコイツを止められないッ!!


背後の青年達を見るが……残念ながら足が痺れて顔が引きつっている。正座なんて我慢しなけりゃいいのに。


「今年は精霊様も帰ってきてくださいましたし、天使様もこの村へ来てくださることでしょう!」

「あ、一つ質問」


手を挙げる。


「何でしょう?」

「精霊と天使の関係云々についてはわかった。よく聞いてなかったが。けど、天使が祭りに来ると何かいいことでもあるのか?」

「はい、それはもちろん」


神の使いということもあり、豊穣などを一年の間約束され海の精霊様の力も向上し、漁業も大漁どころではない騒ぎになる、とか何とか。

何かすごいな、天使。俺も一度見ておきたい。


今後、元の世界に戻るヒントをくれるかも知れないしな。


まあ兎に角、この爺さんの話で一番優良だった情報は『この世界に神がいるかも知れない』というところだな。

俺の子供となる神がいるのなら、それはそれで話が早い。


考え事をしているうちに、この集まりも解散になったのか、村長が出口へ向かっていくところだった。

と、もう一つ聞いておきたいことがあるんだ。


「海にションベンしたのは誰だ?」


どっ、と汗が噴き出す村長。

目を泳がせつつ「さ、さあ、誰でしょう?」などといって去っていった。


「ションベン野郎は漁師だけじゃあないんだな。そりゃあストライキしたくなる」

「何であそこで聞いたのかわかんないけど、まあアタシは一度海に帰るね。やることがあるし」

「おう、祭りの日はわかるな? さっき言ってた気がするんだが」

「一週間後、忘れずに来るからね」


一週間後、か。

こりゃあ滞在中にこの村の依頼を全部こなしてやれるな。


「じゃあねー」

「うん、また海に行くからその時はよろしくな」


海が去っていくと青年達もぞろぞろと付いていく。

俺への関心はゼロらしい。


背後から斬りかかってやろうか。


何とか心の中のイメージだけに留めて外へ出る。

すると、ジーナがいた。


「あ、あれ? 何で海弟がここから出てくるわけ?」

「そりゃあ、(なが)ったらしい村長の話を聞いていたわけだからな」

「えーと、つまり。精霊様と知り合い、ってこと? やっぱり、あの時の水の人が……」

「どうした二十代。そんなに驚くことはないだろう」

「二十代って……そうだけど、そうだけどさ。精霊様と知り合いってあんた、タダモノじゃないわね?」


安物でもございやせんぜ、へっへっへ。


まあそんなことはどうでもいい。俺は一流二流で収まる男ではないのだ。

ならば何処に収まるのかって?


はっはっは、俺流さッ!!


……うーん、何か違ったな。

使いどころか……? それとも、いいや何でもない。


「そういやお前、祭りが一週間後だというのにここにいていいのか?」

「今も準備の途中だけどー? けど、村長がこの建物から出てくるのが見えてね、何かあるのかな? って覗いてみたわけですよ」

「うわー、覗き魔ヘンターイ」

「今年の祭りは豪華になりそうねー。精霊様が天使様を呼んでくれないとそれだけで盛り下がっちゃうもの」


スルーか!?


軽いショックを受けつつ、ジーナを追い払い木陰に座る。


……ああ、そういえばギルドから報酬もらってないな。

受け取りにいかなくちゃな……。


めんどくせー。


「みてくれよ!」

「うるさい」


何か背後から出てきたので顔面を殴っておく。


「おかーさーん!!」

「何だ、お前か」


叫び声で誰かわかる、ってのも珍しいな。

絶叫マシンに乗せたらどうなるのか楽しみだ。


「これを見ろッ! ふっさふさだ!」


ロン毛祭りじゃー。


一瞬思考が飛んだな。


あのひじき少年の髪に注目してみよう。

実際、他の部位など気にしていても普通すぎてつまらない、問題は髪の毛だ。


「伸びてる!? いや、増えてる!!」


どう表現すればいいのだろうか。

兎に角ロン毛である。気持ち悪い。


「あの魚すごいな!」

「あ、ああ。うん、自分の道を突き進めばいいと思うよ。うん」

「兄ちゃん何を言ってるんだ?」

「すまない、俺にその顔を見せないでくれ」


さっきから笑いをこらえているんだ。


「……じゃあぼくは他の人にも見せてくるから!」

「おう、頑張ってこい」


いつか誰かが髪のことを突っ込むだろう。

しかし、その突っ込みに耐えてくれ。心を折らないでくれ。


少年よ、大志を捨てろ。恥も捨てろ。


お前の器はそんなもんじゃないはずだ。

大きな志などで収まるはずはない。その思いは無限大なのだから。


……うん。


「さて、何だかやる気が出てきたな。何だかわからないが」


ギルドで報酬を受け取って……で、新しい依頼を受けようか。

同時に一つの依頼までしか受けれないってのが不便だよなぁ。


実績を重ねると二つ三つと同時に受けられるようになるらしいが、俺がそこまで実績を重ねられるのはとうぶん先の話だ。


「よし、討伐系の依頼からやってくぞッ! 祭りの日に動物が村へこないようにな!」


でも、まずは報酬からだ!





「おねえさーん、報酬もらいにきましたよ」

「海弟様ですね? はい、どうぞ。こちらが報酬になります」


そういって袋を差し出される。

うむ、開けるぞ。


「……何これ」

「オハヨウハニワのフィギュアです」


……お前、ふざけんなよ。


「子供たちの間で人気のハニワマンシリーズの中でも最高傑作と――」

「説明はいらんッ! 俺には不要なものだからお前にやろう」


というかハニワマンシリーズって何だよ。

そっちの説明のほうがしてほしいぞ。


オハヨウハニワも一応気になるっちゃ気になるが。


「ホントですか? ありがとうございます! ここに飾って……はい、できました!」

「おめでとう。うん、おめでとう」


さて、依頼受けにいくか。先に報酬確認してからな。


フィギュアってすごいですね! はっはっは。


何かオチが思いつかなかったせいで変なことになりましたね。

まあハニワマンがいてくれるので大丈夫だと思います。オハヨウハニワがあるのだからコンニチワハニワとコンバンワハニワもあると思います。


三体が揃う時、伝説はきっと生まれることでしょう。


さあ海弟! 三体のハニワを集める旅へいざゆかんッ!!



冗談ですよ。はい、一週間後まで飛ぶのもいいですが、次回はコメディー単色で書きたいと思います。作者の息抜きタイムってヤツです。


ファンタジー書きたいけど書きすぎると執筆速度が遅くなったりなど色々な影響が云々。


云々って便利な言葉です。サブタイトルにもいれたかった!


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