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第513話妖精の剣と実体

何か意味が行方不明になっています。略して意味不明です。


王道っぽくやってくと内容が薄くなってくのがヒシヒシ感じられて涙が出てきそうです。

誰か助けてー。

宝箱って知ってるかい?

あれって触れれないんだぜ? 俺が実体がないせいかも知れないけど。


「妖精の剣がこの中にあるかも知れないってのにッ! クソッ」

「アタシが開けるよ」

「ダメだ! 俺が開けなきゃダメなんだよ!!」

「じゃあどうやって……」


それを考えているんだ。

そうだな……うーん。


「そうだ。俺はお前の体に触れられる、よな?」


ぺたぺたとウミの体を触る。

体をくねらせるウミの腹を一発殴ってから宝箱に向き直る。


「そうなると、俺がウミの手を握って。その手でウミが宝箱を開ければいいんだ」

「めんどうじゃない?」

「関係ないさ」


ウミの両手を握り宝箱の前まで強引に持っていく。

さあ、開けようじゃないか。


生唾を呑み込むと宝箱に触れた――瞬間。


『記憶の破損多々あり、情報をリセットします』


……な、何だ?


とりあえず宝箱を開く。

その中には禍々(まがまが)しさとは対極に位置するであろう両手剣が収まっていた。


これが妖精の剣なら触れられるはず、なのだが……おかしいな。


『情報のリセットが完了しました。新たな持ち主を決めるため、自律モードへ――』

「ええいっ。この剣は俺のものだッ!!」


剣へ手を伸ばす……が、青白い光に妨害されて俺の手は阻まれる。

びりびりと痺れる右手に確かな感触を覚え、光のほうを向く。


「触れられた……んだよな?」


ははっ、いいな。

この剣……扱えるぞッ!


「自律、っていうと自分で自分を動かす……って意味だけど、前後から考えるに……持ち主を決めるためにアタシたちと戦おうとしてるってこと?」

「たぶんな。ウミは下がってろ、俺がやる!」

「な、丸腰で勝てるわけ――」

「俺には魔法があるッ! 炎よッ!」


ジュバンッ


と、消滅する炎。一瞬の発火とともに消えゆく炎を俺は決して忘れない。


「クッ、ここで使える魔法は水と氷だけ……っぽいな」


白の剣と黒の剣がないから光と闇は使えないし。

水だけで勝つのも困難だろう。


「一度広い場所に出るぞッ! 話はそれからだ!」


青白い光と妖精の剣を残して難破船から脱出する。

その直後、難破船は粉砕され、青白い人型の光が水中に舞った砂が落ち着いたころに現れる。


その片手には妖精の剣が握られていた。


「アレを倒さなきゃいけない、ってわけか」

「一応、アタシは海流を多少動かせるよ。あと、水系の魔法も少々」

「じゃあ俺は水の魔法だけだ。勝てる見込みはないッ!」


だからといって、逃走も出来ない。

この世界に一つかどうかは知らないが、この機会を逃したら……俺はこの世界で絶対に相棒となる武器は現れないだろう。


ならば、死ぬ覚悟で奪いぬくのが王道だろうッ!?


「だから俺は安全策でいく。あの青白い光、人型をしているぐらいだから視界がきっとあるんだ」

「は、はぁ?」

「砂が舞って、落ちるのを待っていただろ? 俺たちが何処にいるのかわからなかったからなんだ、きっと」

「確証はないんでしょう?」

「これから掴めばいい。一度やるぞ、砂を散らせろッ!」


足元にある砂を蹴り上げたりしながら海水を汚していく。

視界が十分に悪くなったところで、緩やかな海流をここに流すようにウミに指示する。

これで少しは長く砂が浮かぶか。


しかし、その間にも青白い光は移動していたようで、だいぶ近くまで来てしまっていた。

砂に紛れて周囲に逃げつつ青白い光へ水の魔法を撃っていく。


同時に砂を巻き上げて……つねに視界を悪くするのを忘れない。

こちらも不利になるが、戦力的に見て、相手の攻撃回数を減らせるということはいいことだ。


俺の魔法が直撃し、こちらを睨みつけるように見る青白い光だが、結局は近くにいたウミを標的(ターゲット)にする。


「そのまま囮頼むッ! 水よ、連弾ッ!」


弾ける勢いで発射されていく水の塊たち。

魔力が尽きても構わない。やるっきゃないんだ。


俺に対し後姿を晒していたせいか、背後に全弾命中(ぜんだんめいちゅう)する。


「よしっ!」


今度こそ、と後ろを向く青白い光……だが、ゆっくりと視線を前にいるウミに戻していく。


「ど、どうなってるの!!」

「……たぶん、俺のことが見えていないんじゃないか? 最初、青白い光は障壁だった。で、今は人型だ」


共通点といえば青白く発光している、というところだけだが、人型になったことにより『視界で物を確認する』しかなくなたんじゃないだろうか。

つまり、普通の人間に見ることのできない俺のことを確認できない。


「……そういうことなら……勝てるぞ!」


ヤツの近距離まで近づき、ほぼゼロ距離での水攻撃。

螺旋状(らせんじょう)に圧縮し、攻撃力十倍だッ!! たぶん。


青白い光の腹に風穴が空き、そこからウミの体が見えた。顔は見えない。

ゆっくり、前に倒れる青白い光。


結局、その手にある妖精の剣が何処まですごいのかわからなかったな。


「……けど、そうだな」


完全に青白い光は消え、海底にあるのは妖精の剣のみ。


「妖精の剣、ゲットだ――ごふぅ!?」


妖精の剣に触ったとたん、息が出来なくなる。

なん、何が起こって――孔明の罠かッ!?


急いで妖精の剣を放すと息が出来るようになる。


「ど、どうなってるんだ?」

「い、今ッ! 実体があったよ! 濃くなってた!」


何だと?


じゃあ、つまり……息継ぎが必要ない今の状態から息継ぎが必要な姿がある状態へ変わったということか。

……面倒なり。


「ウミ、俺の代わりに陸地まで持っていてくれ」

「えー、お腹殴られたしなぁ」

「お願いします、ウミ様」

「……ここまで案内してあげたの誰だっけー?」

「ありがとうございます、ウニ様」

「ウニ!?」


結局、ウニ様、もといウミが剣を運んでくれることになり、一時間かけ陸地へ戻ってくることが出来た。





「こ、これは!?」

「海草が思いっきり体に引っ付いてる!」

「お前だけな」


何か変な怪獣みたいになってるように見えなくもない。

まあ、アレだよ。


ゴ○ラだよ。


「行きはこんなことなかったのにな」

「まさか……」


妖精の剣を見るウミ。

はっはっは、そんなはずがあるか。


「よし、ウミ。妖精の剣をこっちに渡すんだ」

「何するの?」

「お前ごと真っ二つにしようかな、と。手っ取り早く」

「イヤだよ!!」


感覚的に無理らしい。

そこら辺何とかしてほしいものである。


「にしても、ゲームでいうバグを使ってレアアイテム取った気分だなぁ」


いやー、気分がいい。

他人に自慢する気はないが、この剣を肌身離さず持っていれば実体はあるらしいからな。

これからは放さないぞ!


まあ、この世界にいる間での話なんですけどね。


「そういや村の住人がいなくなってるな。一度村に行くか」

「じゃあここでお別れ、ってことで。また会いに来てね!」

「おう」


大冒険したなー。

それに姿まで手に入れた!


これで鏡に映るはず、だから転移も可能になったはずだ!





ってあるぇー?

実体はあるのに鏡に映らないよ? 何で?


「椅子に座れるようになってよかったねー」

「そこで喜ぶか普通? 元の世界に帰れないんだ、落胆のほうが大きいぞ」

「じゃあ、こんなのどう? 今日行った博物館にあるんだけど、どんなもの、例えば幽霊とかさ。どんなのでも映してしまう鏡があるらしいの」

「何!? 何で今日言わなかったんだ!」

「鏡のことについては今日、今聞いた」


……そうでした。


「というかジーナ。仕事はいいのか? 今が稼ぎ時だろ?」

「その稼ぎ時は明日もあるんだから問題ない」


そういうもんか。俺は知らん。


「ま、明日博物館にもう一度行きましょ。今度は二人分の料金を用意して」

「俺は金持ってないぞ」

「傭兵ギルドにでも行ったら? ほら、もうすぐ依頼受付の時間過ぎちゃう!」


……コイツは……。


まあ、いいか。


まさかあそこでゴ○ラを入れるなんて思いもしませんでした。

怪獣です。


ああ、後書きに書くことがない。前書きもだけど。

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