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第499話嫉妬と土下座

次で500話ですねぇ。

やはやは、時が経つのはキツいものがありますね。毎日更新は鬼畜です。

う、腕が千切(ちぎ)れるかと思った……。


虎子の着替えに教科書類。更に何だろうコレは。

……いや、うん。何となくはわかる、触れちゃいけない気はするが、一応言おう。


「お前、旅行に行くってことになってもこの荷物はないぞ。竜子の家に行くのにパスポートは必要なのか?」

「……このまま消えてしまいたいから」


からパスポート!?

いきなり海外逃亡って何だよおい。


「……だ、大丈夫。怖いのはお爺ちゃんだから」


何処が大丈夫なのかわからない。

俺の心配の斜め上をいくことを言わないでくれ。


とりあえず、竜子家執事に荷物を渡すと虎子のほうを向く。


「用事は終わりだな。うん」

「ありがとね。あたしも手伝えることがあったら手伝うよ」


……ほう、手伝えることとな……?


……ぐへへへ――はっ、殺気!?


背後を向けば長い黒髪が似合う俺の幼馴染さんが立っていました。


まあ、虎子相手に男の本音を口走るほど俺はチャラい男じゃない。

っていうか女の子から受けた告白にドギマギしてしまう純情男の子だ。


「さ、さーて。虎子、外行くぞ! 外! 手伝ってくれるんだよな!」

「外で用事があるなら先に言ってくれればよかったのに」


グッバイ、青空ァァァァ!? 迫ってきた! 青空さん近づいてきたよ!


「海弟! 私も手伝う!」

「……お、おう」


……た、たくさんの援助ありがとうございます。

はい。





で、外に出てきたはいいが何をしようか……。

青空から逃げるために来たわけだし、付いて来ちゃったのなら何か言い訳を――


「海弟、何をするの?」


……しないと不味いな。

この怪しいものを見るような視線、一歩間違ったら俺はモチになる。

(ふく)れる。いや、()れる。


兎に角、何か俺は外に出てきた目的とやらを考えなければいけない。

今頃自室のベッドで『おやすみニワトリさん』と意味なく呟きニワトリさんとともに早朝目覚めて……というのが俺の生活なのだが。


「とりあえず、ニワトリを買いに行くか」

「ニワトリ!?」

「え、何でニワトリを買いにいくんです――」

「ふっ、その疑問ももっともだ……。そうだよな、うん。実は違うんだ」


クソ、何か良い言い訳はないのかッ!!


脳内をくまなく探す。

探して探して……む、これは良い。


「いやー、影流にこの町の調査頼まれてさ! ほら、一応この世界にでっかい敵がいるわけだし」


いけるか?

……死ぬか?


「か、海弟がマジメに働いてる……」


今は怒らんぞ。命あっての人生だ。

人生あっての娯楽である。


まあ、とりあえず適当に散歩をして帰るとしよう。


「青空ッ! 目を光らせておけよ……虎子もだ」

「あたしも!?」

「手伝うと言ったのは誰かなガール?」


仕方なく、といったふうに町内のご探索を行う二人。

俺は普通に散歩する。


いやー、一応コレも両手に花というヤツなのだろうか?

雰囲気が和らぐねぇ。


「……敵が右のほうにいる気が」

「……私は左のほうにいる気が」


……俺かッ!?


今まで歩いてきた道と逆にダッシュし逃走を計る。

しかしそこは虎子さん。

腐っても虎である。


いいや、獰猛(どうもう)な虎である。


俺には命を狙われているようにしか思えない!!

あらまぁ、何ででしょうね!


はっはっはっは……クッ、何で信号が赤なんだよ!

俺抹殺の命令でも出ているのか!?


「というか可愛いと思っただけで俺は殺されてしまうのかァァァァ!!」


ん? 逆に不細工(ブサイク)だ、と思えば狙われずに済むんでは?

口に出せば効果は倍増するかも知れない。


真っ直ぐ逃げて……何故か路地裏を走っている俺。

後ろからは虎子、送れて青空が付いてきている。


クッ、逃走は無理かッ!

ならば『作戦B』を開始するッ!!


立ち止まり、体の向きを反転させ虎子を睨みつけるように見る。

たぶん、その眼差しは真剣そのものだっただろう。


「う、え……。ご、ごめん」


反射的なのだろうが謝っている虎子。

意味がわからないので一応フォローしておこう。


「ふっ、謝る気持ちがあるのなら許してやらんこともない――」


さあ、続けて放てッ!!


「――このブサイク」


空気が凍る。

いや、ホントに。殺気とかそういうレベルじゃない。


アレだよ。嫉妬と書いてジェラシーと読むレベルだよ。


また別の恐怖が俺の体を蝕む中、後ろから青空さんが追いついてくる。


「海弟っ! 逃げないでよ!」


再び『作戦B』発……虎子?


「お、おい、どうした?」


ぴくり、と感情を取り戻した人形かと思わせる動きで自分の目を擦る虎子。


言いすぎたか。


「虎子ちゃん?」


青空が虎子の顔を覗き込む。

俺にも大体、その表情が理解できた。


「……い、いやぁ、はっはっは。作戦Bは不発爆弾を残して去っていったようだ」

「海弟? ちょっとそこに土下座」


ちょっと、で済まないだろハニー?


ちょ、顔が(こす)れる!! 鼻血じゃなくて鼻の皮膚から血が出てる!

やめっ、あ、あーーーー!!





……何を隠そう俺です。

顔を隠しています。


青空さん容赦ねー。


「虎子、ゴメンな。アレも作戦のうちだったんだ」

「その作戦の全貌を明かしてほしいです」

「拒否します」


情熱の張り手か青空から飛んでくる、きっと。

最後に青空にも使おうとしてたし……。


「と、言うわけで復活ッ!!」

「はやいっ!」


包帯をすべて取りベッドから降りる。


「あ、海弟……! もう大丈夫なの?」


さすがに青空も心配なのか声をかけてくる。


「世紀の天才魔法使いこと海弟さんに任せりゃ傷なんて一発だぜ!」


世紀の天才――治癒――魔法使い。


その治癒魔法の使用量は魔法使いなのに前線に(おもむ)くことが多々あり途轍もないものとなっている。

同じ魔法剣士とはまったく質量の違う戦いを何度も俺はしている。


「さて、と。こんなこと考えてたら……戦いたくなってきたなぁ」

「わたしとか?」


あらまあ、何であなたはベッドの下から現れるんでしょうね?


怖いよ。


「違う。もっと強い奴とだ」

「……わたしに勝てないのに勝てるはずがあるまい」

「勝てるさ。負けはない、勝つんだから」

「……勝てる要素が一つもないぞ」


勝てる要素など必要ない。

そんないつでも加えられる香料(スパイス)とは別のものを俺は持っている。


……と、思う。


「まあ、どうせ勝てぬ勝てないじゃあ終わらない戦いだ。竜子は殺し合いなんてしたことないだろ? つまりそういうことだ」


青空、虎子、竜子。

三人とも別々の強さがある。しかし、この中で誰一人として体験していない、実践という名の命の賭け。


「普通が一番だなぁ。やっぱり」


ぐだぐだだ。

思考が整理できない。


こりゃ保留が一番かな。


さて、感想を見てください。件数98件。


おねげぇします兄貴ッ!!

いいえ、姉御でもいいですッ!


500話を更新する前にッ! 前にッ!


……感想の催促にこんなに必死になるのは小説を書き始めた頃以来です。

この小説は設定すら曖昧で、虎子が消えたりするけれど、でも自分自身で楽しめる小説です。


っていうか、自分の読みたいッ! って内容を一つに詰めちゃってますね。

こういう小説が読みたい。よし、自分で書こう。


……チャレンジャー兎桜と呼んでください。

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