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第493話手料理と地雷原

料理を食べると人の温かみを知ることが出来ます。

うん……うん、でもこういうんじゃないってことですよね。本編どうぞ。

何事にも貪欲に取り組め、と人は言う。

……それは間違いだと断言できる証拠が揃ったので説明しよう。


まず、神が頑張るとろくなことにならない。

何だよこれ、料理じゃねぇよこれ。食いたくないよこれ。


で、次に。

まあ、ただの頑張りなら俺も笑顔でゴミ箱行きを告げてやるのだが『貪欲に』とか意味不明だ。

誰だよ。貪欲って何だよ、貪欲って言葉なんだよ。一番最初に貪欲になったの誰だよ。


まあ、そいつを殴ってもしょうがない。

今は目の前の料理に注目……料理? 違うだろこれ。


……体中が拒絶しているな。


ケイヤという少年と一緒に暮らしているらしい俺の娘、名前はエル。

その少女に俺の紹介を終えると同時に長い話になりそうだったので、ケイヤ達がまだ昼食を取っていないらしかったので俺が提案したのだ。

せっかくだし、お前達に料理を作ってもらえよ、と。


ケイヤという少年、毎日のように料理を自分で作っているらしく。

同意を得て顔色の悪そうな三人に料理を任せ……さーて、どうしよっかなー、という状態なのである。


察するべきだった。いいや、わかってた。

でも二人分来るとは思わなかったんだ。


「狐さんのぶんもー!」

「うげっ、あたしは……ケイヤにやるからいいよ」

「いいや、食うべきだ」


逃がさんぞやーまん。

お前も狐だろう? ……狐?


「狐? 何だそりゃ」

「ふっふっふ、あたしの真の――」

「まあいいや、食え」

「……」


食うなら早く食べてしまった方がいいだろう?

俺は逃げるが。


「残念ながら、俺は腹がいっぱいでな。昼食も終えてしまったし。山ちゃん量少ないからやろう」

「え、ちょ、食べれるわけ――」

「やろう」

「嘘でしょ!?」

「生きろよ、やーまん」


沈黙の少女、やーまん。


っていうか、普通にもうやーまんでいいよね!

やーまんの皿に俺の分を――


「やぁらせませんー」

「おま……確信犯か」

「いぇーす」


……俺は、俺は……まだ死にたくないッ!

死にたくな――


待て、あーんはやめろ!

俺の口に運ぶんじゃ、な……い。


何だ、手足が痺れ始めて。

……う、うう?


もうダメだ。





記憶が曖昧なのだが……今は、夜空が綺麗だ。


何だろう。

こんなにも、清々しい気分になったのはいつ以来だろうか。


ふっ、まあいい。


上半身を起こし周囲を見回す。

右にケイヤ、左にやーまんが寝ていた。


……そうか、二人も被害に……。


ふ、ふふ。

ふははははは!!


神の料理で天国行きしなくてよかった……。


「あ、お父さん起きたみたいだね!」

「犬死ちゃんか? だな」


聞いておいてなんだが、そのくらいの判断はできる。


「いやー、砂糖と塩間違えちゃった」

「お前の世界は砂糖と塩だけで出来ているのか! それ以上の間違いは起きているんだぞ!?」

「……食材?」


料理が何かわからなかったから聞かなかったが、食材も元々変なものを使っていたのだろうか。

……生きてるって素晴らしい。


「そういえば、あの二人は?」

「まぁまぁ、気にしないでいいから! わたしと行くんでしょ? 裏の世界に」

「……むぅ、何だか納得できないが、そうなんだ。けど、エルとやらとも少し話してみたいなぁ、なんて思ったり」

「友と家族を比べたら、ってヤツは素敵だけど、そろそろセリーちゃんもヤバいから!」

「うん? セリーがヤバいとは初耳だな」

「限界ギリギリの状態を保ってたら誰だって(まい)っちゃうよね。セリーちゃんも……」


……気づかなかった。

いいや、自分から生み出した状況とはいえ想定外。


セリーに敵意がないことはわかっているし、早めに行かなきゃいけないのもわかる。

うーむ。


でも、エルと……うーん。


よし、こうしよう。


「ケイヤ起きろー!」


横腹に蹴りの三コンボ。


「ぐえ、ぐお、ぐあ!?」


ごろごろごろ、と(すみ)まで転がっていくケイヤ。

起きたか。


「……な、なん……いつつ」


状況が把握できていない様子のケイヤ。

だが言うぞ。


「ケイヤ! いつか王都に来い、俺がもてなしてやろう」

「へ、は?」

「遊びに来るのもいいぞ! 俺の名前を出せば城の中で遊び放題だ!」

「は、はあ……?」

「ま、俺の娘を預けているわけだから。報酬とでも思ってくれ、王都に行けばたぶん、俺もいるだろうし」


状況は把握できていないのだろうが、何となく感じ取ったのだろう。

表情が切り替わる。


「……もう、行く――」

「お前には喋らせん、ケイヤ」


お別れ? 違うな。

次は違う挨拶をお前から聞けることを願っているぞ。


神のことが好き、だなんて物好きは初めて見るからな。

というか一目見ただけでわかるからさ、そういうの隠そうとしろよ。


ま、わかりやすい奴は好きだからいいけど。


「では、セリーを呼んで来い」

「外にいるよ! エルも!」

「そうか、んじゃあ外行くか。ケイヤは家の中にいろよ?」





……ああ、夜風が気持ちいい。


色のない世界で思う。


「犬死ちゃん、嘘吐きは泥棒のなんとやらだぜ?」

「だ、だってー」

「準備に時間が掛かる、って言うからエルと話し込んでたんだ。なのに途中で準備完了、強制的に裏の世界へ、なんてふざけんなよ級だ」

「ふざけんなよ級?」

「殴られても文句は言えない、って意味だ」


表情が固まる犬死ちゃん。


「セリー、裏世界、というかこの世界に色を付けてたのが、お前なんだよな? お前がこの世界を離れたから、元の白黒へ戻ってしまったと」

「うん、色のちぃしきはあったからねー。今、戻すよー」


ぬぬぬーん、と鼻歌にもならない短い歌とともに世界に色が……人工の光、それにビルばかりの汚らしい風景。

色が戻ってもあんまり意味ねー。


「犬死ちゃん、セリー。何処に影流や青空がいるかわからないが。まずは虎子の家に行くぞ」

「この世界しか特定できなかったし、ここからの案内は任せた!」


ビシィ、とセリーの肩を叩く犬死ちゃん。

残念ながらセリーも虎子の家は知らない。


「痛いよー」

「ごめんごめん」


……和むような、和まないような。

アレだよ。普通の服買ってやらなきゃダメだな、やっぱり。


かくいう俺も騎士様姿。


ま、関係ないよね!


説明だけで終わらせるつもりはないんだぜ☆


いや、説明っていう説明をしていない気もしますがね。

後々絡ませていく予定ですし、今は軽めでも問題ないような気がします。


まあ、これが軽めだったら重めって何なのかって話なのですが。

で、もう一方も更新していかなきゃダメなわけですよ。


何故か!

最近更新してなかったから!


はい、理由は単純ですね。この小説の一話と同じ長さぐらいなのに誤字見つけたり練り直したりで二日掛かります。


ちなみに493話は約2500文字。いつもは3000文字以上書いていますけどね!

たまに手抜きなんですよね! HAHAHA!

……逃げます。

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