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第481話村の入り口と雑談

500話達成!

おめでとうッ!

でも489(しばく)話を達成、もとい教えられたときのが嬉しかった気がする!

エコな村だな、うん。

帰ろう。


「なぁんで背を向けて一人だけ逃げようとしてるのー?」

「そ、そりゃあ……人の住む環境じゃあないから、かな?」


ってなわけで俺は人格的にこの村を拒絶する! 拒否する! 否定する!


家の形は統一されており木造の大きな家ばかりが建てられている。

その数は十数軒。町と言っても過言ではないのだが、こんな過疎地(かそち)にあるのだから村でもいい気がする。

そんな村はある意味賑やかで、子供達の声が聞こえてきたり談笑が聞こえてきたりと平和を感じさせてくれる。


さて、逃げよう。


「ちょっとまぁちなさい」

「待つのはお前だ。俺はこの村を拒絶する! 拒否す――」

「はぁい二度目ー」


読心術でも使えるんだろうか。


あ、そういえば神だったなコイツ。

って待て。まだコイツは力を取り戻していないはずだ。この世界の中で使える僅かな力も使い果たしているはずである。

その力の回復速度も元の世界にいるときよりも遅いはず。読心術など使えるはずがない。


……何者なんだッ!


「思いっきぃり顔に出てます」


両手で顔を隠す。

ははは、これでわかるまい。


で、だ。


逃げよう。


「だから待ちなさぁーい」

「従わんッ! 奴隷の、下僕の、言うことなど絶対聞くかッ!」


はっはっは、俺の俊足に追いつけるかァァァァッ!?


ズッテン


目の前が真っ暗なせいか、何もないところで転んでしまい逃走は失敗する。

もう顔を隠すのはやめよう。危ない。


立ち上がり砂を払うと村の方を向く。

幸い、こちらを気づいて出てくる村人の姿はない。


「この村危ないぞ絶対ッ! 何で入り口にでっかいギロチンが置かれてるんだよ! 入ろうとしたら半分になるぞオイ!」


さすがに死にたくない。

まあ最悪、ギロチンは破壊して入ることを考えているが。


兎に角、近寄りたくないオーラをまずギロチンさんが放っているので入りたくないわけである。


「じゃあのぉじゅく?」

「野宿か。うん、一票」

「村へぇ行くー、一票」

「二票目」


馬鹿野郎従者の人ッ!





結局、村の中へ入ることは出来た。

ギロチンは落ちてこなかったのでひとまず安心。


そして村の中へ入ると真っ先に子供達に出会った。

男の子と女の子、入り混じった集団に囲まれて「誰?」を連呼される。


よし、良いだろう。


「知らぬのならば教えてやろうッ! 俺の名は海弟だ。神を下僕に世界中を旅しているッ!」

「経歴詐称もいいかげぇんにー」


それもそうか。


「神を下僕にしている」

「いや、そこじゃ……うぅーん、いいか」


気にしたら負けだぞ。


「神を下僕ぅー? 何それー」

「説明するのは面倒なので効果音で表現してやろう。ピシャァァァッ、って感じ」

「わかんなーい」


俺も。


そうこうしていると、この子達の親なのか雑談をしていたおばさま達が近寄ってくる。


「あんた達旅人かい?」

「イエスというと経歴詐称になる」

「はい?」

「いや、騎士だ」


そろそろ俺も面倒になってきたぞ。

従者の人、話すの代わりにやってくれ。


俺は従者の人の後ろへ隠れるように移動すると従者の人の背中を押す。

会話は任せた。


「えっ、あ、そのー、アレがアレでコレがコレになっちゃいましてー、そのー」

「あらー、可愛そうに……」


気合いがあれば何とかなるものだ。


暇なので近くにある家を眺めていると、子供達の中でも一番活発そうな男の子が俺の服を引っ張ってくる。


「ねぇねぇ! お兄ちゃん何処から来たの!」

「異世界から」

「えっ?」

「はっはっは、冗談(マジ)だ」

「じ、冗談なんだね。マジって聞こえた気がするけど……」


気のせいだ。


従者の人はおばさまに同情されつつもそこから話の輪が広がり雑談に巻き込まれてしまっているのでしばらくは俺達も待っていなきゃいけないだろうから……。

そうだ、子供の相手をしていよう。


(さいわ)いにも友好的だし。


「な、この村って何でこんなでっかいんだ?」

「さー、わかんないけど、王都ってとこはもっとでっかいんだよね!」

「そうだな。でもでかけりゃ良いというものでもないぞ」


セリーの、特に女性的な部分を見つつ言う。

大丈夫、成長するのが人間だ。


いや、コイツは神か。一生このままだったら笑ってやるから安心しておいてほしい。


視線を男の子に戻すと同時に後ろから殺気が放たれ始めた気がするが、それこそ気のせいであってほしい。


「ねーねー、お兄ちゃんって魔物に会ったことあるの?」


男の子と成長期について話していると横から女の子が話しかけてくる。

魔物について興味あるとは、珍しい女の子もいたものだ。


「ああ、会ったことあるぞ」

「へー、強かった?」


うーん、この子が魔物のことをどう思っているのかは知らないが。

俺にとっては弱い、というのが正直な感想だ。けど、それでこの子が魔物に近づいて怪我でもしたら……魔王をぶん殴ればいいな。うん。


「弱かったぞ。俺も魔法を使えるしな」

「へー」

「お兄ちゃん魔法使えるんだ!」


他の子供達も「魔法」という単語に反応したのか俺へ密着するように詰め寄ってくる。

うむ、しょうがない。特別に一つ見せてやろう。


手のひらを前へ突き出し子供達に見やすい位置で止めると目に見えて危険じゃあない魔法を想像する。


……うーん、水、かな?


「水よ」


ぷくり、と戦闘の最中にいきなり現れるのとは違う……演出的な出現の仕方をする水。

当然、俺が想像し動かしているわけだから全ては俺の演出なのだ。


「うわー、すげー」

「触ってもいい!」

「おう、良いぞ」


ビターン、と俺の手に勢いよく手をパーの状態で叩きつける少年。おかげで水が周囲に飛び散った。


「……いや、な。そうやったらこうなるわけだよ」


周囲の子供達が濡れ、状況がよくわかってないのか呆然としていた。


「す、すっげー!!」


水を飛び散らせた本人の声に触発されてかキャッキャウフフの心地良い雰囲気が展開されていく。

しかし、その雰囲気をぶち壊しにする者がいた。


「あっ、ずぶ濡れじゃないか! 今すぐ着替えてきなさい!」


従者の人と話していたおばさんの一人が子供達に言う。

随分と厳しいことだ。


俺だって下半身(大事なところを除く)が濡れているというのに。

……関係ないか。


というかセリーは全部濡れてるしな。


子供達の「はーい」という言葉を最後に俺の目の前から木造の家の一つに入っていく子供達。

全員が同じ家に入っていった……ということは、何て大家族!?


「セリー、一緒に着替えてくるか?」

「着替えがなぁいから」


それもそうか。


というか、コイツ着替え持ってきてないのか?


(ジパング)に居るときに俺に言ってくれれば用意ぐらいはしたぞ」

「嘘だ」


何でそこだけマジメに言う……。


「じゃ、騎士様たちもこんな辺鄙(へんぴ)な村まで来てくださって疲れているだろうことだし、お風呂に入ってくださいな」

「おお、素晴らしいな、OHURO!」


いやぁ、ギロチンの無礼は許す。

お風呂へ直行だー、ゴー。って、何処だよ。


海弟と馬鹿をプラスしてイコールすると海鹿(かいか)


さて、今のなしで。


500話です。でもまだ本編481話です。

閑話とか入れるとぐっちゃりなりますね。これからは気をつけて入れよう。


さて、この村を脱出できるのはいつになることやら。

あと三話ぐらい続きそうで怖い。

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