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第386話『妥協案も許されないとは……』by海弟

うーん、迷った。妖精にしようか、それともアレにしようか。

けど妖精は一度か二度やったのでアレのほうにしました。


アレに言葉を入れるとネタバレになるのでアレってことでいきましょう。

真っ白だ。真っ白なお城。その中にいる。

ここは廊下だろうか。両端が壁で、前と後ろに長くなっている。うん、廊下だ。


しばらく歩いていると、自然と視線が下へ下がっていく。

ここにある色といえば壁の白と廊下に敷かれているカーペットの赤ぐらいだ。

白より赤い方に注目してしまうのは当然と言っちゃ当然だろう。


「……はぁ、鏡が一つでも置かれていたらなぁ」


俺の持っている鏡を置いても良いのだが、ここに誰か住んでいて片付けられたら転移も出来ないし。


「……くくっ、だが確かに面白そうだ」


突然、聞こえてきた声の内容を聞き呟く。

言い争っているようにも見えるが……俺の知ったところではない。


周りを見渡すが扉は無く――曲がり角が一つ見える。


「あそこを曲がったところに出入り口があるんだろうな、やっぱり」


長く続きそうな予感がしたので歩いて角まで向かう。


『もう良い。お父様の言うことは外は危ない、というだけではないか! アレンを連れて行けば私も合わせ魔物の一匹にだって敵うだろう。何故それがわからないッ!』

『無事に帰れるという保証はないだろうッ! わかったか?』

『……でもッ! 私はお母様を殺されて黙っていられるほど――。くっ、もう良いッ! お父様はここで待っていれば良い、私は行くッ!』


妙に白熱した口論だなぁ、と傍観というか傍聴していると急に扉が開く。


「うわっ」

「何者だッ!!」


剣が向けられる……。

相手は……女か。これは頭に血が上ってるなぁ。口論していたうちの一人だろう。


「……キサマ、この城のものではないな? 名を名乗れ」


まあ、名乗れと言うからには名乗らないわけにもいかないが……それは礼儀としてなっていないだろう。


「聞きたくばお前から名乗ることだ」

「っ、それが王族に対する礼儀かッ!」


お、王族!? いきなり妙な奴に会ったと思ったら……。

しょうがない、ここは俺から名乗ってやろう。


「その右から左へ常に聞き流してそうな耳を使って脳内に刻み込むが良い」


天井を指差し叫ぶ。


「天に輝く無限の(ひかり)を――この手で掴んで握り潰すッ!! 世界を闇へと突き落とし、真ッ暗闇へと導き正すッ! 俺の名は海弟だ。覚えとけ王族とやらッ!」

「お、おおう……」


いや、そんなに驚かなくても。


「それほど長い前置きを持ちながら、城内に不法侵入か?」

「前置きは関係無いと思うがな。たぶん、不法ではあるが侵入ではないだろう」


ある意味突入だ。


「……アレン、捕まえろ」


王族の女が呟くと、俺の周囲に光の紐のようなものが現れ俺の周囲を何回転かすると動きを封じようと紐の余裕がゼロになる。


「何をぉ!?」


ふざけんなコラッ!

いきなり不審人物呼ばわりされるのは許そう。お前の城みたいだしな。

だがッ、この仕打ちは無いんじゃないか!? ありですか、そうですか。

俺も本気を出すぞコラァ!!


「『林我』ァ!!」


光の紐を引きちぎり王族の女目掛けて突っ込む。


「な、何と!」


両目を瞑るのが見えた――この一撃もらったぁ!!


ガキィン、という音。剣と剣が擦りあったような音のするほうを見れば俺の真上から両手に持った剣を交差させ落ちてくる白い布で出来た服を纏った変な奴がいた。


このまま突っ込んだら……うん、間違えなく死ぬね。夢の中だからどうかはわからないけど。

とりあえず回避ィ!!


突っ込むのをやめるのは無理そうだったので勢いを横へと動かし攻撃を壁へとぶつける。


ゴチンッ、という石に当たったとき独特の音とともにたんこぶを押さえつつさっきの奴を睨む。


「何だテメェは!!」

「あ、アレンか。助かった!」

「アレン? ……ほお、お前がか」


さっきの話題で出来たアレンというのはコイツらしい。

見た感じでも強いのはわかるが、無口だなコイツ。頭の中で何を考えてるか……うん、俺も同じようなものか。


ならば仕方がない。今回限りだが、許そう。


「アレンの存在を知っているだと!? まさか、キサマ……エシヴァンの間諜かッ!!」

「ん、エシヴァンって?」

「……とぼけるな」


いつの間にか俺の後ろに回っていたアレン君。

たぶんだが、俺は名前の最初にアの付く奴を君付けで呼ぶ癖が……たぶん、あるんだろう。

確証は無い。ただ、信頼の実績がある。


剣が俺の首の前で交差されていて、動いたら斬り殺されそうだ。


「あ、あのー。アレン君? とぼけるな、と言われても俺には何を言われているのはさっぱりでしてね」

「……本当に言っているのか?」


王族の女が言う。アレンを説得するよりもこっちの説得のほうが先だな。


「ああ、本当だ。俺は今さっき、この世界に来たばかりだからな」


目を瞑り、何やら集中し始める女。考え事をしているらしい。

俺が死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされているのにのんきな奴だ。あとで覚えておけ。


「……どうやら、本当らしいな」


目蓋をゆっくりと開き、呟く女。


「お、おう」


……本当らしいな、って何だよ。


「つまり、異世界から来たと言うのか?」

「何だよ。さっきは本当らしいな、って言ったくせに。そうだけどさ」

「……面白い、アレン下がれ。私はコイツに異世界の話を聞く! それまで生かしておくぞ」


コクリと頷くアレン。さっきから見ている限りでは主従関係で結ばれているらしいなコイツ等。

うん、この王族の女に取り入りアレンとやらの警戒も解いてしまおう。


「ふん、とりあえず私の部屋に来い」

「いきなりぃ!?」

「安心しろ、常にお前は狙われている」

「それなら安心だ」

「……いや、そこはだな……。もう良いっ!」


何だコイツ。


お、そういえば名前を聞いていなかったな。


「お前、名前は?」

「……王族に名乗る名は無いよ。役職名はあるがな、そっちで良いか?」

「良くない。俺が名づけてやろう」

「……な、何を言うかキサマは!!」

「恥ずかしがるなよ。単純明快、さらに覚えやすく品のある名前を付けてやろう」


あれこれ頭の中で考えていると、急に上の方から声が聞こえてくる。


「……王族の名は――結婚相手にしか決めることが出来ない」

「ほお、そうなのか。なら俺が名付けるとし――役職名を聞こうか」

「……む、なんだ本気ではなかったのか、リティニアと言う」


こっちの世界に来たばかりだと言ったろうに。

この世界で、世界の壁は厚いと何度俺は感じるのだろう。


さっきのところから近くにあったコイツの部屋に入り、夢の中ということを思い出し伝えておく。


「と、俺が話をするのが良いが俺には時間が無い。そうだな……あの鏡。俺にくれ」


化粧棚に取り付けられた鏡を指差して言う。


「何だ海弟とやら。男なのに化粧をするのか?」

「違う。良いから、くれないか?」

「……うむ、良いが。何処まで運ばせれば良い?」

「何処にも運ばせないでおいてくれ。お前も触れちゃダメだぞ」


念入りに言っておく。ついでに上を見て三度回って言っておく。


「んで、リティ――長いな」

「いや、王族の役職名の中では短いほうなんだが……」

「知るかッ。リニア、うん。これはダメだな」


何だ、浮いて走るのかコイツは。

もう少し……うーん、一文字でいくか?


「じゃあ今からリと呼ぼう」

「待て、名前じゃないぞそれ」

「何が良いんだよじゃあ」

「リティ、それかニアが良いな」

「じゃあティーで行こうか。お茶」

「オイ、聞いていたか!?」


……むぅ、しょうがない。リティと呼ぼう。


「それでリティー、俺が来た――」

「待て、伸びてなかったか?」

「伸びてません」

「なら良い。話を続けろ」


危なかった。


「そんじゃ。世間知らずのリティさんに俺が来た世界の話しをしますかね」


二つあるな。魔法が発達した世界と、科学が発達した世界。

……現実の俺が目覚めるまで、話は続くんだろうから。うん、時間とか考えずにおしゃべりしようか。


……うーむ、謎が深まるのぉ。

作者の中では一割ぐらい構想が出来ています。


あとは、構想が全部出来上がるまでほのぼのいきましょうや。


それと、今回は前の話にいれれなかったのを入れました。


『無限の星を』か『全ての星を』かで悩みましたが無限の星に決めました。

何故? ふっ、答えは作者の心の中に(オイ


それとですねぇ、読者様の中にいるかどうかはわかりませんが(というかここで話して良い内容かわかりませんが)、とあるFPSゲームをしていた時のことです。


作『……あるぇ。何か見覚えのある名前があるぞ。おかしいな、海弟に脳を侵食されて来たか?』


目を擦る。ズキューンッ!!


作『……おおう、やられた。いや、待て。だが待ってほしい。コレは、うんシュクリさんですか。見間違えじゃないんですか』


という事がありました。

嬉しいような、何か微妙な感じです。


もしも、シュクリさんがいたら感想お願いしますね☆

はい、これが言いたかっただけなのに長く使ってしまいましたね、後書き。


限界の二万文字目指しますか? NO!


はい、ではまた次回ー。

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