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第358話『仮病なんだろう? わかってる』by海弟

状況説明的な文章を多く入れてみた――途中で断念してるけどね。うん、仕方ないよ。

海弟の思考に作者の技術が追いついて無い。というか追いつけるかこんなもん!

すべて反射したはず……だが、消えている。

確かに感触はあった、反射したはずだ。


「考え込む暇なんてあるのかな?」


背後から聞こえてくる声に振り返る――当たり前のように涼しげな顔のネイルがいる。

いるだけじゃない、すでに複数個の炎の塊が俺の目の前に展開されている。回避も反射も間に合わない。


俺の不注意……だがっ!!


「水よっ!!」


一々魔力をコントロールするのも面倒だ。

魔力をつぎ込めるだけつぎ込み水の壁を展開する。


「技名を後で付けてやるぞっ! 水流よ押しつぶせっ!!」

「あひぃ、やばいかもっ! 大地よ」


後半部分の短い詠唱により大地が割れていく……その様子を俺は見ているばかりではない。

相手の炎を水流で完全に消すことができたことを確認すると地割れを横っ飛びで避ける。肉体強化なしでよくやれたものだ、と感心しつつも相手に視線を向ける。


「生粋の魔法使いに魔法剣士が勝てるのかしらねぇー」

「対戦吹っかけてきた奴が何を言うか。まあ魔法使いやら魔法剣士やらという枠組み以前に俺が戦うのなら絶対に勝つがな」

「言ってくれるね、でもさ。詠唱なしの魔法に気づけないのはどうかなと思うよ」

「……は?」


背後に激痛――振り返る暇もなく前方に吹っ飛ぶ。


「なん……がっ!!」


追撃が俺を襲い考える暇も無く地を這う俺。

カッコ悪いなおい。


腰の剣を抜きそれを使い立ち上がる。


「無詠唱って何だよ……初めて聞いたぞ」

「あれ、知らないの? あっれー……」


……あっれー、じゃないだろおい。

一時戦闘は中断だ。


「その無詠唱の魔法とやら、何なんだよ」

「……じゃあ秘密ってことでよくない?」

「そうだな、教えろ」

「話の脈絡繋がってないしっ! ええ、何か違うよね?」


やれやれ、といった様子で近づいてくるネイル。

常識? はっは、興味という名の欲望の前ではそれも無力よ。


「はぁ、一応説明ね。無詠唱魔法、じゃなくて二次詠唱魔法。魔法使いの次の段階ってヤツかな」

「……説明不足。やり直し」


俺の理解力の低さをわかった上での説明かそれはっ!


「まあ魔力で魔法をゴリ押し発動ってやつ?」

「理解できた。なるほど、俺もやれる?」

「無理」

「おし、戦闘の続きだっ! 燃やせ燃やせー!!」


はっはっは、俺の目から流れるこの液体は何だろう。

涙? そう正解。


「炎、雷よ!」


同時に放たれる炎と雷。

魔力の密度からして俺が押し負ける……が、俺の魔法は少し特殊なのを忘れてはいけない。

魔力で通る道筋を決めてから発動する俺の魔法、対するネイルは魔法を発動したらその後のコントロールは効かない。


「つまりっ! 魔力の道筋は魔法を発動中も残ってるわけさ」


俺だって成長が全く無いわけじゃない。

いつ作ったかは忘れたが新技がもう出来ているのさ!


「炎から属性を光へっ! フルパワァァァアアア!!」


俺の魔法は魔力を掻き消されない限り何度でも連続発動可能だ。

それも俺の魔力、想像力のどちらかが消耗され尽きない限り永続的にだ。


さすがは光属性の魔法、二つの属性の魔法を飲み込みネイルに向かい直線的に突き進む光。


「あ、ちょ、ずるっ!」

「持てる力をすべて出す。だってこれは戦いだろうっ!」

「今ここで、その台詞を言うっ!? ったく、特殊魔法――」


直撃か、俺の目の前が真っ白になり戦いはそこで終結する。





気づいた時には背後に回られていた。

うむ、何をしたんだろうか。


「転移、じゃないか」

「余裕あるね。それじゃあ持てる力をすべて――」

「ごめんなさい」

「許すまじ」


ナイフ一つでもその迫力で何倍にも恐怖が倍増されることを実感しつつナイフに気をつけながら逃げる。


「明日には出発なんだ! 怪我なんてしてられるか!」

「あー、うん。言いたいことあったんだけど、まあ良いか。死なないように頑張ってね」


……死なないように?

はっはっは、今の魔界はそこまで危険じゃないよ。





さて翌日。


無理やり学校に連れて行かれないためにこっちで寝泊りしたんだが朝から何か殺気を感じる。

どうしてだろう、今日が俺の命日か?


自室でしょんぼりとしていると急に扉が開き大きな声が響いてくる。


「シュクリ気づいたのですが、実家が遠くて一日じゃあ挨拶してくることが出来ません!」


……まあ、言い返して気でも晴らそうか。相手も誰かわかったことだし。


「知るかっ。手紙でも何でも書いて送れば良いじゃないか」

「……頭良いね隊長様は」

「おう、悪知恵だけは働くから任せとけ」

「不安です。いえ、安心できる要素がありません」


再び声が聞こえてくる。

見ればレラがいた。


「……何で俺の部屋に?」

「これは時計です」


そう言って時計を取り出すレラ。

おいおい俺はそこまで頭が悪くないぞ。


懐中時計を受け取ると時刻を見る。


「うん、遅刻か」

「正解」



その笑み怖いからやめてください。


思わず口に出しそうになったが背後の窓ガラスが割れそちらを振り向く。


「……さーて、縄は用意出来ているか?」

「待て待ておかしいだろ! あたしが何をしたと――したな。かなりのことを」


窓ガラスを見て思わず呟くシャン。

まあ影流に直せと言えば直してくれるだろうし言わなくとも直すのが王だろう。

だってここも城の一部なのだから!


「にしても、残り二人は何処行った」

「一人は風邪、一人は看病と聞いています」

「トドメを刺しにいくぞ!」


ひゃっはー!


おっと、反射的に口走ってしまった。


とりあえずベッドに座り込み話を始める。


「その残り二人の命を奪うのは後にして……」

「それ実行するんですか。気が引けます」


かと言って否定しないお前の方が俺は怖いよ。


「集団行動できない者には死を、知ってますか? ワタシはある将軍の副官をしているのですよ」


……あー、集団行動集団行動! とか言ってた将軍もどこかに居た気がする。

俺苦手。


「さて、話を始める。床に座れ」

「……反論しようにも他に椅子がありませんね」


だろう。だから床だ。


「ベッド。シュクリはベッドにすわりまーふっ!」


顔面からベッドに飛び込むシュクリ。

とりあえずその上から座っておく。


「あぐっ!」

「んじゃ話を始める」

「腹減った、何か無いか?」

「さて、話を――」

「痛いっ、痛いよー」

「さて、話――」

「早く始めてくれませんか?」


……ああ、良いよ。

もうこの話は良い。魔法を使える人員を確認したかったんだがもう良い。


「テメェ等全員表へ出ろっ! 襲撃の準備だっ!」

『お、おー』


ネイルさんもフリーダムだな……。勇者と海弟を足してから三で割った感じ。

二じゃなくて三ってところがポイントさ。


にしても眠い。

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