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第357話『勇者、旅立つ、いつの間に……』by海弟

さすが海弟、やってることが意味不明だぜ。

作者でさえ何故? どうして? と疑問符つきまくりだぜ。

「見つかったようで何よりです」

「では一つ目の質問だ」

「無視ですか? それより質問?」

「お前にじゃない。適当にそこ等へんでふてくされていろ」

「まさかそんな命令を受けるなんて――ってその二人が残りの二名ですか?」

「答える義務はないな」

「ありますよ」


まあ気になる事もあるだろう。これから仲間としてやっていくんだからな。

だが俺は隊長、お前は……副隊長ということで良いだろう。副隊長は隊長に逆らえないんだよ。これぞ権力。


「だからそこ等辺でふてくされていろ」

「意味がわかりません、第一ワタシ達にも知る権利があるでしょう、ほとんど初対面といっても良いのですから」

「うん、後でな」

「信用できま――」

「シュクリ、連れてけ」

「了解しましたー!」


シャンリー含め三人は遠くでふてくされにとぼとぼと歩いていく。

それを見送ってから二人に向き直る。


「さて、一つ目の質問だ」

「その前に一つこっちから質問良い? いきなりで戸惑っているんだけどさ、何であの人達を遠くにいかせたの?」

「ん? まあ秘密のお話だ」

「そのわりに他の人が回りにいますよ……見られてるし……」

「秘密はバラすためにあるんだよ」

「言ってることが違うっ! 秘密にしたいの!? したくないの? どっちっ!」

「見事な両立だろう」

「全然両立になってないじゃないっ!」


うん、鋭い突っ込みだ。

だがな、一つ良いことを教えてやろう。


「脅しは何のためにあるか知っているか?」

「お、お姉ちゃん……この人怖い……」

「大丈夫、守ってあげるからね」

「ふざけんなよ」


何でいきなり危険人物扱いなんだよ。

……俺が何をしたと――まあ妥当か。


「それじゃあ丸坊主になる前に九つの質問をしていく。拒否権は無いぞ」

「何で丸坊主が前提なのよ……」


ちょうど良いバリカンが手に入ったからな。

勿論入手方法は秘密――にする必要もないか。自分で調べろっ!


「嫌なら毛根から脱毛するという――」

「どっちも嫌です」


妹さん、きっぱり言ったね。


「しょうがない。次の機会に持ち越すか。では早速質問開始っ!」




一つ目の質問


『あなたの名前は?』


「……オキア、だけど。そっちは?」

「俺の質問が先だ、妹の方は?」

「エレアです……」


二つ目の質問


『んで、性べ――うん、女だよね。箸をおろそうか』


三つ目の質問


『どういう武器を使うんだ?』


「槍、騎乗戦の訓練ばかりしているからね」

「馬に乗れるのか、何処で覚えたんだよお前」

「淑女の嗜みってやつよ。ふふん、あんたは乗れないのね?」

「ドラゴンになら何度か……」

「……負けたわ」

「いや、俺の負けだと思う。これ以上は思い出したくないから妹のほうを聞こう」

「これです」

「うん、大剣だね。おかしい、何で持てるんだよお前」


四つ目の質問


『あー、もう無いな』


「んじゃあ終わり」

「え、終わり? 九つって――」

「知るかっ!」


何だ? しょうがないな、最後に一つ聞いておいてやろう。


「彼氏いる?」

「……最低」


うん、答えは予想していたよ。


ふてくされている三人を集め早速会議を開始する。

魔界へは俺の『鏡』で行くとして、どうしよう。


「魔王探しがメインとなるわけだが……何日かかるかわからない。それなりの準備も必要ということだ」

「つまり、かなりの長期間魔界に滞在可能性もあるわけですね」

「ああ。だから家族がいる奴は挨拶してこい。準備は俺がしよう、持ってくるのは着替えと武器ぐらいで良いんじゃないか?」

「全てですか? ならばワタシにも手伝わせてください」

「んじゃ、二人に任せて一度解散だな。よーし、帰って食うぞー」

「シュクリも帰らせてもらいますね。隊長様また明日ー」

「ん、さいなら。そこの二人も帰れよ」


不満そうな顔をした一人と、ぽけーとした一人の背中を押し食堂から退室させるとレラと近くの椅子に座る。


「さてレラさんよ。準備といっても何をするかわかっているのか?」

「簡単な食料調達、国に申請を出せば日持ちする食料は受け取ることが出来ると思います。優先順位としては次に医療関係の薬などを――」

「長い。調達するのは魔族一人で十分だろうが」

「どういう意味です?」

「魔王役を――」

「わかりました。準備はワタシがしておきます」


何だよ、良い作戦だと思ったのに。

まあすぐにバレるだろうが……。


レラは椅子から立ち上がるとこちらを一瞥し頭を下げ食堂から出て行く。

しょうがない、俺は俺の出来ることをしよう。


「……家族に、俺は言えないよな。異世界で魔王探してくるっ! とか何処の勇者だよ」


母さんは言わずに出て行ったんだけれども。

……って、母さんは自力で異世界に行けたのか? 無理だろう、何者かが魔法で……本人に聞いたほうが早いか。


早々に考えるのを諦め勇者のいるであろう部屋に向かう。

母さんはたまに元の世界に戻ることがあるのだが大半はこちらで生活している。


「その理由が『ここは自分に似合わない世界だっ!!』だもんな。両立しろ、勇者」


と、勇者ご一行に割り振られた部屋の前に来てみる。

そういえば勇者の隣の部屋は俺の心の師匠であるネイルさんがいるはずだ。いや、ネイル師匠と呼ぼう。

長らく会ってなかったから呼び方忘れたな。師匠のくせに影が薄い奴め。はっはっは。


背後に何者かの気配――


「うわっ」

「あるぁ? 海弟じゃない、アホ息子と勇者様が言ってたわよん♪」

「……そういやこの人も魔法に関してはすごい人なんだよな」

「ディティさんには劣るわよ。人間の中で区切ってね」


そうは言うが……師匠よりすごくない?

才能という面では絶対この人のほうが勝っている。同じ年月師匠と心の師匠が生きていたらきっと……そして戦ったら……。


脳内で戦闘が繰り広げられ結果的に師匠が反則技を使いまくり勝ってしまった。


「王道的展開は揚げ足取りになりけり」

「何それ?」

「いや、こっちの話こっちの話。母さんいる?」

「勇者だからとか言って魔王探しに奮闘中よ」

「……え?」

「魔王探し」


……白の剣を持たずに?

んな阿呆(アホ)な。


「魔界へは……魔族を脅したんだろうなぁ」

「あ、脅したのはわたしね」


あんたかい。心の師匠と呼ぶのをやめるぞ。


「……俺達も魔王探しに行くんだけどさ、会ったら伝えてほしいことある?」

「ジャディの奴が二度逃亡を図った、とだけ伝えておいて。お願いね」

「任せとけ」


……伝えないでおいてあげよう。せめてもの俺の良心。


にしても、勇者に会えなかったか。

この好奇心はどうやって発散させてくれようか。


「ま、それも良いけど一度手合わせしてくれないかしらね」

「ああ、良いです――良くないです」


ぐわぁん、と視界が歪み焦点があうと目の前が草原となる。

一種の幻覚……違う、空間転移? ありえない。


「……その疑問には勝ったら答えて進ぜようぞぅ!」

「白の剣を持った俺が負けるとでも? ふっ、良いだろうっ!」


考えなくても教えてくれるのならば教えてもらおうじゃないか。

何だがこっちの利益が薄い気が――待て。そっちが勝ったら俺はどうなるんだ!


「戦闘開始っ!」


炎の玉が出現し俺へ向かって飛ばされる。


「俺は……負けられない」


だって何をされるかわからないから。


「特殊魔法『鏡』」


お、おい、何かいきなりバトル始まったぞ。

それよりもですね。勇者様と魔界で遭遇フラグが――たぶん折られるでしょうね。

ギリギリでじらすなんてことも無く勇者の『飽きた』の一言で終わるでしょうね。


さて、構想がここまでなのですがどうしよう。

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