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第335話帽子に仮面に……

疑問っていうのは心の奥底に仕舞っておくものだと思うんだ。

だからこの話を読んで出た疑問は心の奥底に……ダメですか。そうですよね、うん。

……敵。敵とは何か。

ボスと言えば『ふはははははー』とか言っているイメージがあるがその手下となれば別だ。

強い者、弱い者を含め色々な性格の者がいる。


長い話も面倒だ。つまり一言で言うと……


「これは、まあ随分と個性的な敵さんが来たなおい」


食卓を挟み睨み合う俺達。

相手の姿はというと足は無く、顔は深く被った帽子で見えない。

一言で言えば幽霊、だが違うのだろう。


「まさか、壁をすり抜けてここまで来たわけじゃあ無いよな」

「か、海弟様っ!! すみません、門番兵は後で処分を下しておきますので!」


開いていた扉から入ってくる兵士一人。

……ん? どういう意味だ?


「門番がどうしたって?」

「い、いえ、不審者に気づかず通らせてしまったみたいで……」


ああ、コイツ玄関からしっかり通ってきたのか。


「……って、門番以外にも兵士はいるよな!? どうやってここまで入ってきた!」


周囲を見渡す。俺以外にもこの兵士の為に作られている食堂にはたくさんの人間がいたはずだが……いない?

いや、倒れているだけか。


「……待て待て。何で俺はこの異常に気づかなかった、何でだ」

「確かに、おかしいですね」


俺の場所まで走ってくる兵士。


……どうなっているんだろう。

チラリと敵を見る……いない?


「消えてる」

「あ、本当だ。どうな――」

「ふっ、誤魔化しきれると思ったかぁ!!」


腰の剣を抜き兵士に突きつける。

どうやってか知らないが姿を変える術を使うんだろうな、この敵は。


「ひっ、な、何するんですかっ!!」

「バレているぞ! お前の変装などでは俺の目は誤魔化せないっ!!」

「ち、違いますっ!! 僕は敵じゃあ……って後ろっ!!」

「後ろがどうしがうっ!!」


し、舌噛んだ。誰だ!


「なっ、分裂!?」

「僕は違うって言ってるじゃないですか! えーと、助けを呼んできますね」


そう言って部屋から出て行く兵士。


「……あれ、違ったのか?」


……うーん、たまにはこんなこともあるさ。


と、敵は何処だ!!


周囲を見渡すが見当たらない。

くっ、凸凹(でこぼこ)のあるここじゃあ隠れ場所が多すぎる。


……しかし待てよ?


「机の下に隠れるという事はしゃがんでいるということ……。つまーり、素早く動けないということ!」


さあやってやろうじゃないか!!


「風よっ!!」


部屋の中で渦巻く風。部屋の隅々まで風が送られた事で重たいはずの机も音を立てて揺れている。


「うぉっ!!」


既に飛んでたか……。


「やってくれる」


……そっちか。


俺は後ろへ振り返り敵の姿を確認する。

大きな帽子を深く被り、それが飛ばないように片手で抑えている。

今この状態なら簡単にトドメを刺すことが出来るだろう、だが……仮にも世界を支配しようと目論む一人だ。どんな能力を使ってくるやら……。


「特殊魔法『(とう)』!!」


な、特殊魔法だと!?

相手も魔法を使うのか!


空中で飛んでいる大きな机や椅子がバラバラになっていく、たぶん名前の通り斬る事を目的として作られた魔法なのだろう。

しかし『(ざん)』ではなく『刀』なのか。どっか違うところがあるのかなぁ。


と、これ以上はヤバイな。


飛んでいる物の数が多くなりさすがに避けきれないので魔法を解く。


「……お前一人か?」

「……」


黙るなよおい。


「まあ良い、お前が一人だろうと一人じゃなかろうと俺には関係無いのだからな!」


一直線に炎を打ち出す。相手の顔を狙ったつもりだが……避けられた。

しゃがみ込むとかそういう動作だったら追撃もありなんだがなぁ。


「……足が無いんだっけ。そういや」


……うーむ、アレは本当に幽霊なんだろうか。

さて、真後ろを取るのが好きなこの不思議な敵さんを倒すとしようじゃないか。


「たあっ!!」

「……っ」


掠った!

って帽子か……。

剣の風圧かは知らないが帽子が吹き飛ばされる。


「あっ」


両手を上げ帽子を取り戻そうとしているようだが既に後ろに飛んでいっている。


「……うわぁ、次は仮面かよ」


狐の仮面。良く出来た物だ、うーん芸術品。


「それを割れば良いわけだな? ふっ、行くぞっ!!」


さあここからが本当の勝負だ!


海弟一人で十分じゃ無いか? いえいえ、まだ相手は本気を出して無いじゃないですか。

海弟は一人で盛り上がってますが。


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