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第317話同時開始

三人称で書くのが難しい。

海弟を書くのに慣れすぎた……今度は三人称で書く練習もしないとなぁ。

白色と黒色が似合っている、とこの風景は表現するのが正しいだろう。それは当然、長年この白と黒の世界に慣れてきた人間だからだ。

色に見慣れた世界の人間が見たら混乱しそうな光景ではあるが、慣れた者から見れば神々しい風景とも取れる。


王座に座る一人の男、覇気を垂らし流すような光景の中には五人の男女が映っている。王座に座る男を含めれば六人となるが。

静まった空間の中一人の男が口を開く。ついにこの沈黙に耐えられなくなったといった風だ。


「なぁ、これホントに成功すんのか? 相手は――」

「うるさい」


対面に座る男が言葉を遮る。


「オメェは安心できてるみてぇだけどさ、俺から見たら完全に負け試合なんだよね」

「我々はこちらの世界に居る限り安全、そう言われただろう」

「ホントにそうかぁ? 今にも乗り込んできそうだけどな」

「その時はこちらも迎撃すればいい、相手はうまく力を使えないのだ」

「それはオメェ、どっかのバカが流したデマかも知れねぇんだぞ?」

「荒野様が仰ったことなのだ! 真実に決まってるだろう!!」

「あぁー、ヤダねぇ。荒野は神でも何でも無いだろ? な?」


男二人がその王座に座る人物を見る。そこで気づいたのだろう。

睨まれていることに。


「あ、いやー、コレは……な?」


言い訳も見つからない男は目を逸らす。

視線は自然とさっき口論していた男に向かうわけだが……。


「あっ! テメェ逃げてんじゃねぇ!!」

「何の事だ」

「クソッ! ああ、もういいよ、俺がわりぃんだろ? ゴメンナサイすりゃあ良いんだろ?」

「二人とも落ち着け」


呆れたような眼差し。さっきの神々しさはまったく見当たらないものとなっている。


「何だよ」

「少しうるさいぞ。今は作戦の最終確認の時間だろう?」

「そ、そうですがぁぁっ!!」


急に声をあげる男。悲痛な痛みを顔だけで表現している。

隣の女がすっきりした顔でそっぽを向いているところを見ると、何かやったのだろう。


「……騒がしい。時間もなくなってきたところだ、簡潔に終わらせる事にしよう」


視線をさっき(とが)めた男に向ける。それで伝わったのか席から立ち上がる男。

さっき座ったばかりなのに忙しい限りである。


「ではまず、現状報告から。現段階は支配者の間の占拠。部下に確認させましたがあの空間には誰もいないようでした。次の段階へ移行できるでしょう」

「単身で乗り込んでったのにすごいねぇ、当然っちゃ当然だがよぉ」

「次の段階は……相手の科学を潰す、魔法はその後。という事なので二百個の表の世界を破壊する事になるでしょう」


淡々とその後も続け、最後にこうしめる。


「これで……世界は手に入るでしょう」

「かなり無茶するところもあるんじゃねぇのか? 魔法と科学がごっちゃになってるところなんて攻略は難しいと思ってんだけど」

「何度も言わせるな、一手に荒野様が引き受けてくださるのだ。我々の心配するところではない」


話にならない、と言った様子の二人であるが、周りにいる者は見もしない。

各自話に入ったところで思い思いの行動をしてりする。


「これで話は終わりです」

「それでは……解散かな」

「じゃなくて出撃でしょ?」

「そっちのほうが良いな。……出撃だっ!!」


各自転移し担当の世界へと飛んでいく。

ここから始まる侵略……。


この六人が居た空間は、その後粉々に砕け散った。





何て言うか……奇抜な場所ですね。


……違うな。これは褒め言葉じゃいな。


「……す、素晴らしい光景だ!!」

「感情がこもってない!!」

「何だと!?」


このゴミ屋敷をどうやって褒めろって言うんだ!!

しかも第一の修行が褒めることって何だよ!!


「わかる、手に取るようにお前の感情がわかるぞ。これこそが読心術!!」

「褒めると読心術、どうつながるんだよ」

「関係は無い、そんな事もわからないのか馬鹿めが!!」

「んで、何の修行なんだよ」

「今教える必要な無い、勿論教えるつもりも無い」

「怪しすぎる!!」


これが修行になってるのか!?


扉も窓も無い一室をぐるりと見回しながら思う。

その時、俺の後ろでコトン、という小さな音が響いた。

振り返ると新たな人影が。


「あなたのやっている修行は今一番あなたの欲している力を与える為の修行なのです、文句を言わずやりなさい」


……ちっちゃいの見っけた。


本人はカッコよく決めているようなのだがシャツが見えているし、それに化粧をするな、口紅お化けかオマエ。


「く、口紅お化け……ぷぷっ」

「お前! 口紅お化けとはなんだ!」

「い、いや、わたしではなくコッチのが!!」

「俺か!? いくら読心術を使えるったって罪を擦り付けるのは良くないぞ、あの美しい姿を見ろ!」

「このように言っておるが?」

「お前こっちは褒められるのに何故こっちが褒められないんだ!」


いや、ゴミ屋敷と口紅お化けを比べられても。


鬼教官風の男が怒っているところにちっちゃいのがトドメを刺す。


「すべては実践から始まるのだ! 知ることなど後でいい!!」

「し、しかし……」

「ふふふ、すこし黙っていろ」


パチンとちっちゃいのが指を鳴らすと姿が消える鬼教官。

どうやらコイツの力で何処かに吹き飛んだらしい。短い出演だったな。


「それでは、実践だ。ちなみに能力制限をこちら側からお前にかけるから覚悟しておけ」

「なっ」

「それでは開始っ!!」


四方八方の壁が吹き飛び世界がゴミ屋敷からだだっぴろい大都会へと変わる。当然人も歩いているし自動車だって走っている。

文字通り大都会なのだ。


「な、何が起こったんだ!?」

「隙ありっ!」

「隙など無いぞっ!!」


って魔法が使えない!?


見事な蹴りを入れられて吹っ飛ぶ俺。

ど、どうなってるんだ……?


普通は三人称で書くほうが簡単っぽいんですけどね、何ていうか人間には向き不向きが――(略)――と言うわけで、三人称で書きたくないなー、と。


まあ敵側の心のうち何て出したら余裕でネタバレなのでやめときますが。


それと、敵さん募集中ですのでよろしくお願いします。

出来れば修行中にでも出してみますので。

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