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第316話二対一で修行決定

まさかこんな日がこようとは。

まさか見つかるとは。


「休んでたところ悪かったな」

「いや、良いんだ。現状の整理をしていただけだから、ところでそちらの……」

「クォンっていう世界的に偉い人だ」

「……知らない名だが海弟の言うことだしな、影流と言う、よろしく」

「よろしく」


少し疲れた顔をしているな、みんな錯乱していて話がまとまらなかったか。


影流の顔を見つつそこまで考えると、ふと周りを見る。


「青空は? 師匠にも付いててもらったはずなんだが」

「そういえば……、まああの人が付いてるなら大丈夫だろう」

「なら今度はお前が心配だ。一度敵さんの(つら)を拝んだが結構強そうな相手だったぞ、お前も一人になるのは避けたほうが良い」


王という立場の影流じゃなくて友達っていう立場での影流が心配なんだよ。

狙っているのは世界支配関連の俺やクォンだ、しかし影流達を捕虜として捕まえられる可能性もあるから気をつけていないといけない。


「そうする事にしよう」

「って言いながらベッドに潜るな」

「衛兵もいるし、大丈夫だよ」


死亡フラグにしか見えないぞ……。


「なら寝る前にクォン、ここで話してもらおうか」

「……無知な海弟を怨みつつ」


この一言は余計だろ、ほら。


「この世界には表と裏がある、って事。表裏一体のその世界、一度海弟も裏に入ったことがあるはず」

「……思い出せないぞ」

「思い出せないならそれでもいい。その裏表は同じ歴史をたどっているわけじゃなく、それぞれ独自の歴史を持っている。これを覚えておいて」

「独自の歴史を持っているのなら裏表と呼ばないんじゃないのか?」

「今説明する。裏世界というのは表世界の劣化版みたいなもの、複製品なの。複雑な話になるから今は省くけど世界という枠だけ同じのまったく違うもの」

「なるほど、しかしその裏の世界の奴がこっちに来る事の出来る仕組みがわからないな」

「海弟、世界を渡る力を持つ者が裏世界にいないとでも? それが強力になれば……」

「なるほど、表に出てくることもできるというわけか。……しかし何故俺を襲う? 俺が持ってる地位を奪いたいってだけなら納得できるんだが」

「お前、不審を覚えなかったのか?」


影流が言うが俺には一つも不審なところは見当たらない。


「誰がやったかはわからないが、何故複製した世界ってのを作らなくちゃならなかったのか」


言われると段々疑問に思えてくる。

やっぱり頭良いなぁ影流。話を飲み込むのが早くて助かる。


「その答えは一つ。研究用、ってところ」

「……えと、つまり?」

「世界の支配者が表の世界を管理すると同時に裏の世界で表の世界では出来ないことをやっていった、って事。その分支配者と裏の世界の住民は関わりが深い」


まったく知らなかった。

クォンも教えてくれればいいのに。


「なるほどな。大体わかった、その世界の支配者って立ち位置があるのを知っていれば奪いたくなるのも当然だよな」

「それだけじゃあ無い人が大半だけど、わたしも少しは反省してる」

「えーと、世界の支配者は現時点で何代目?」

「海弟含め……二十ちょうどかな?」


……随分と長い歴史を持ってますね、知らなかったなぁ。


「……敵を倒しに行くぞ」

「今行っても自殺行為になると思う」

「敵が強いと言ったのはお前だぞ? 話はつかみどころの無いものだが、なんとなくわかる。危険なんじゃないのか?」

「しかし俺は死んだって生き返れる!」

「始めて聞いたんだが」

「裏に表の世界の神はいませんよ」

「……生き返れませんか?」

「その通りです」


け、けど裏には裏の神がいるはずだ。

そいつと友好的になればもしくは。


「裏の神、ってのも居るには居ますが複製品なので自我が無いから、無理だと思いますね」


HAHAHA敵を誘い出して倒すしか無いってのかい?


「一番有効なのは海弟が強くなって裏世界に乗り込む、ってのか」

「おい待て影流。何で俺が修行をしなくちゃならないようなワードを盛り込むんだ」

「実は修行場所も用意してあるんです」

「待てクォンさんや。話せばわかる! わかるはずなんだ!」

「敵さんは話し合いでもわかってくれないみたいですが」

「今の俺の敵はクォン! お前なのだよ」

「せっかくだ、やってきたらどうだ?」

「そこを狙われたらどうするんだ? 俺一人じゃ死ぬぞ?」

「安心してください、この中ですから」


小さな箱を取り出すクォン。


「いや、入れませんって」

「ある程度予想はできているんじゃないですか?」


魔法ですか……そうですか。


……行ってやろうじゃないか。


「俺が帰って来るまで死ぬんじゃないぞっ!!」


クォンから箱を分捕り……どうやって起動するんだ?


「魔力をぶつける感じで」

「とうっ!」


俺の魔力を全力でぶつける。ここら辺は慣れたものだ。

それと同時に視界が揺らいでいく、箱の中って言ってたが転移するような感じだ。


……あれ、ちょっと待て。


「戻ってくる手段は!?」

「ああ、忘れました。中で見つけてきてください」


何ですと!?


急いで魔力を止めるが遅い。俺は見事に箱に吸収されてしまったようです。


海弟の修行なんて想像も付かないのですが……。

もう一度言います。

海弟の修行なんて想像も付かないのですが……。

もう一度、え? もういい?


優しげな海弟はいつも足元をすくわれますね。

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