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第315話『いつか、そう必ずだ』by海弟

必ず……聞き出してみせる。

俺も詳しい話を聞きたかったが、まずは安全地帯へと向かうためこの白色の城空間から出ることにする。

ただ何の準備もなしに空間できる相手のことだ、安全地帯と言える場所なんてないんだろうが……まあ気分的な問題だ。

人が多い場所に居た方が安心する。


「……行くぞ」

「何年ぶりでしょう。人間の居る世界に行くのは……」

「何年? 何千年、何万年の間違えじゃないのか?」

「……年を思い出すから言うな」


理不尽な!


「いつか実年齢を聞き出してやる」

「教えない」


用心深いからなぁ。まあ不意を突けば……いけるか。


手に持った鏡に触れると意思を伝え転移する。

後に付いて来るようにクォンも転移する。一瞬にして視点が変わり影流の城の俺の部屋。


「ほお、石造りか。意外に脆いところがあるというのに」

「知るか。これが現代風、最新技術なんだよ」


こっちの世界では、だが。


「木材で出来た城というものけっこう惨めだし、城らしいから許す」

「お前に許しが出来る前から建ってるんだ、今更いらない許可出すなよ」

「自己満足だから許せ、というよりもここは海弟の部屋か?」


優先順位で言えば使えている(影流)の城を(けな)されてる方が優先順位が高いんだが……面倒だしよしとしてやろう。

じろじろ俺の部屋(あまり使っていないので家具など最低限の物しか置いてない)を見ているクォンの首根っこを掴んで部屋の外まで出る。


「ぐ、ぐるじぃ……」

「知るか。と、お前も影流の近くに居た方が良いな」


師匠の近くは安全だからな。

何故かそう思えるから不思議だ。まああの人の底力ってのを良くは知らないが単純な魔力勝負だったら間違えなく俺は負けると思う。

世界の支配者とかそんなの含まず純粋の力のぶつけあいだったら……憎まれ口叩ける仲だけど本気で勝負はしたくない相手だなぁ。


「と、影流が何処にいるか知らないや」


ちょうど部屋を出てから最初の曲がり角で気づく。

会議室だろうか? しかしあれから時間も経っているし別の場所かも知れない。


「……城内ってことは確かだよなぁ。王座にどっしり座っててくれれば良いのに」


その王座はこれから見に行くところだけどね。


首を掴むのも疲れたので手を放し広間へ向かい歩く。


「そういやクォン、お前人探しとかできるか?」


顔を後ろに向けずに話す。


「ええ、一応」

「気配を探って?」

「……まあ、そんな感じですが」

「影流って探せる?」

「えと、名前を言われても」

「だよな」


多少の期待はあったが、やはり自分の足で見つけるしかないか。

支配者能力もここでは役に立たない。何故なら自分自身の瞬間移動は不可だからだ。あくまで俺は世界全体の力を借りる者なのだ。

自分自身が制御できているわけではない。自分自身を動かす場合空間に裂け目など作らないといけないので後から修復が大変なのだ。ある程度丈夫な空間、あの白い作業室みたいな空間ならすぐに修復されるんだがこの世界じゃあ無理だろう。


「一年、いや五年は掛かるか?」

「長くて一万年、短くて千年」

「幅広いなおい、というか心読めたっけ?」

「そんな普通の顔で聞かれても。まあ、読心術は普段は使わないですけど、使えますね」

「……良し、一度暑く語り合わないか?」

「イヤです」


ですよね、うん。





広間に着いた。

だだっぴろいそこは軍事会議等にも使えるように左右に幅が取られている。勿論将軍達がそこに立って会議をするのだ。

俺も将軍達だけの会議なら出たことあるがこの会議には出たことが無い。

まあ一番重要の影流がここには居なかったのでこの部屋からは出ることにする。


「次行くぞ」


他のあてと言えば影流の部屋か青空の部屋だが……場所を知らない。

自然と足も止まってしまう。


「……どうした?」


心配そうに俺を見てくれるのは良いんだが失望しないで聞いてくれ。


「影流の部屋は何処だ!」

「知るか」


ならば最終手段、メイドに聞こうじゃないかっ!!


適当に歩いてメイドに出会ったらソイツに影流と青空の部屋の場所を聞こう。


「しかし、普通の王族ならば城の一番高い場所に部屋があるものでは無いのか? それとも、この国は特別なのか?」

「ええい!! 俺が気づかなかったからと喚くなー! 良いだろう、屋上へ向かおう」

「いや、屋上じゃなくて最上階」

「ホバァァァァァリングッ!! ジャァァァァァァァァンプッ!!」


ゴチンッ


「ホバリングは空中静止だ、それにジャンプを付け加えたところでタダのジャンプ……、そして天井があることを忘れるな」


……ちょっと錯乱してただけさ。本当さ、これは真実だから信じるべきなんだ。

ほら、歴史を歪ませるのなんて簡単じゃないか。


「事実など俺の手に掛かれば」

「自己満足」

「で、終わるのさ」


喋っている途中で口を挟まないでくれ。


「とりあえず最上階に向かうか。階段の場所は大体わかるし」

「思いっきり逆方向」

「言うな馬鹿」


ほら、メイドさんに怪しまれてるだろう。


『ほ、ほばぁりんぐ?』

『じゃんぷ。きっと天井があるからあんな感じだったけど屋外で使えばすさまじいに決まってるわ』

『影流様が信頼を置いている騎士の一人ですものね。そうに決まってるわ!』


……全面的に俺が悪かった。それと信頼が厚いな影流は、いい王様だ。

顔が良ければすべて良し、と。


「雑務ばかりか道案内までわたしにさせる気ですか?」

「少し立ち聞きしてただけだろうが。さて、行くか」


オチもつけたし、完璧っ!!


……と、構想の最後の部分はまだできていなかったりするのですが影流と青空が出てきたところから本格的にこの章の始まりという事で。

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